ハワイの教育コラム|カリスマ音楽教師リネー先生の人生が決まる!? 大切な幼児教育
Vol.9
アロハ~!
今回は、教室で、子どもに対して「少し厳しすぎるかなあ?」という親御さんについて書きたいと思います。
100人の生徒さんに関わると、約10名前後の親御さんは、子どもに対してかなり厳しい傾向にあるように思います。ややうるさい、ちょっとやかましいなどのレベルを含むと約半数に達します。厳しさの程度の軽い方達には色々なアドバイスをして、子ども達への態度、対応は改善して
いくことができるのですが、とても厳しい方達は、子どもが不憫だなと感じてしまうことが正直なところです。
厳しい親御さんは、きつい目つきや表情、荒々しい仕草、時にはレッスン中であろうと、足や手、さらには頭や頬を叩くこともあります。(私は癇癪、暴力は大反対ですが、そこではできるだけ冷静になってもらえるよう、ゆったりとお話をするようにします・・・)
そういう方達は、叱ることで躾や教育がスムーズになると信じている傾向が強いです。しかし私の経験からすると、厳しい態度で命令したり、感情的になって怒鳴っても、効き目があるのはほんの一瞬。怒られると怖いからその場しのぎで言うことを聞きますが、本心で勉強をしたいわけ
でも、従いたいわけでもないのです。そのようなやり方は長続きしません。結局は、自分がやりたい、知りたい、学びたいと思わないと伸びないのです。
そこで、子ども達や生徒達がぐんぐん伸びる方法のヒントを、以前読んだ実験記事からシェアしたいと思います。
アリを深い穴に入れて、そこから上まで這い上がってこれるように道を作りました。ここで問題です。
次の3つの中で、アリのグループが一番早く上まで登ることができたのはどれでしょう?
1. 正しい道に砂糖を置いておく。
2. 間違った道に電流が流れるようにしておく。
3. 正しい道には砂糖、間違った道には電流が流れるようにしておく。
答えは1)の正しい道に砂糖を置いておく、だったそうです。③を選んだ方もいたのではないか思いますが、一度でも電流にぶつかると、怖くてもう上へ行く努力をやめてしまうのだそうです。2,3のやり方に心当たりのある方は気をつけて下さいね。電流のような攻撃型、感情的な命令口
調や叱咤、暴力は一切不要なのです。
この実験が、人間の子育て全てに当てはまるとは言いませんが、私はこの結果にかなり共感しています。子どもは努力している時や上達した時に、それを認めて褒めてあげると、目を輝かせ、満面の笑顔でより頑張ろうと情熱を燃やします。決して「お砂糖=キャンディー」を与えるのがいいと言っているのではありません。また困ったり悩んでいる時に、話を聞いたり、ただ寄り添ってサポート役に回ってあげると、安心して心を開き、自分の力で前進しようと、努力を再開するでしょう。
もしあなたが、子育てにつまずきそうになった時、このアリさんのお話しを思い出してもらえたら嬉しいです。
著者プロフィール:レネーリエてるや Renee Rie Teruya『カリスマ教師、リネー先生』ことRenee’s Music Studioのオーナー・音楽教師。東京出身。国立音楽大学附属音楽中学校、同高校、同大学卒業。30年以上前にハワイへ移住、二人の女児の母。 アメリカ国内外の著名音楽大学への合格者、大きな世界コンクールでの優勝者等も多数輩出させている。同時に、赤ちゃんからシニアまで幅広い世代の人に 『音楽の素晴らしさ』と『愛と優しさ』をも伝える。 https://archive.nikkansan.net/learning/reneesmusicstudio/ |