ハワイの教育コラム|カリスマ音楽教師リネー先生の人生が決まる!? 大切な幼児教育
Vol.5
アロハ~!
『子供が家で全然練習をしないんですけど・・・』という質問をたまに受けます。練習したくなるような環境作り、または褒め方、しつけ方をしていますか? 私自身は厳しく言われたり、怒られたりすると、聞く耳を全く持たないばかりか、逆にやる気をなくしてしまうタイプだったので、自分がされて嫌なことは他人にも押し付けないようにしています。子どもはもちろん、大人だって認められたい、褒められたいという気持ちがありますよね。その子の良い所をしっかり見つめて、認めて、褒めてあげると、とても良い気持ちになり、心を開いて、人の言葉にきちんと耳を傾けるようになります。
それが私の実行している『魔法の褒め方テクニック』の一つです。ピアノを教える時、必ず最初の一回はじっと静かに聴きます。その際、言葉を何も挟みません。演奏が終わったら、まずは良かった点を全て正直に褒めます。間違っても、直してもらいたい所からは言いません! 少し大袈裟でも、しっかりと褒めるのです。でも“正直に”がミソで、嘘を言ったり、“気持ちもここにあらず”で褒めたふりをしてもダメです。本当に良かった点を見つけ、心から感動して、本心から伝えるのです。だから最初に演奏を聴く時の、私達の心構えが大切です。素晴らしかった所に気づけるように神経を集中させないとね。
さて聴いてあげた後の褒め方も、これまた難しいのです。「上手いねえ!すごいね」、「百点満点!一番だね」などは、あまり上手な褒め方とは言えません。相手の気持ちを一時的に良くすることはできますが、その場限りで持ち上げるのではなく、自信に繋がり、また練習や努力がその後もずっと継続できるような励みになる言葉や態度が大事なのです。
例えば、小さいお子さんだったら、ぎゅっとハグして一緒に喜び「頑張ったねえ!この間できなかったお指がちゃの形も綺麗になって。この1週間おうちでいっぱい練習してきたのかな? 先生のお話しちゃんと聞いて直してきてくれたのね。先生は○○ちゃんのそういう一生懸命頑張ってくれる所が立派だと思うし、大好きよ」みたいに伝えます。このようにただ漠然とではなく、何がどう良かったのか具体的に伝えてください。こうして褒めた後ならば、例え厳しいことを伝えるにしても、不思議な程ポジティブに受け止めてもらえるのです。
さらに大事なポイントは、結果ではなく、そのプロセスを褒めることです。クラスで一番だった、点数が良かった、賞を取った、とかそういう結果だけを褒め続けられると、次第に下に落ちる怖さなどから次のチャレンジを避けるようになり、実は将来伸びなくなってしまうという統計が出ています。逆に努力過程や前向きな姿勢を褒めてもらった子ども達は、自ら勉強や練習に励むようになり、成績も伸び続けていくようです。
皆さんも“魔法の褒め方テク”をぜひ実践してみて下さいね!
著者プロフィール:レネーリエてるや Renee Rie Teruya『カリスマ教師、リネー先生』ことRenee’s Music Studioのオーナー・音楽教師。東京出身。国立音楽大学附属音楽中学校、同高校、同大学卒業。30年以上前にハワイへ移住、二人の女児の母。 アメリカ国内外の著名音楽大学への合格者、大きな世界コンクールでの優勝者等も多数輩出させている。同時に、赤ちゃんからシニアまで幅広い世代の人に 『音楽の素晴らしさ』と『愛と優しさ』をも伝える。 https://archive.nikkansan.net/learning/reneesmusicstudio/ |