ハワイの教育コラム|カリスマ音楽教師リネー先生の人生が決まる!? 大切な幼児教育
Vol.10 「音楽する人格」を目覚めさせる
今回は、なぜ音楽が人間の能力を最大限に引き出していくのかを深掘りしてみようと思います。
人間は、実はとてもシンプルで、人の脳も五感も精神もすべて音楽に「反応」するように作られて、生まれてきています。0歳の新生児から90歳、いえ100歳代のお年寄りでも人間のライフスパンのスタート地点から最期の一瞬まで、人は音楽を楽しみ、音楽に寄り添い、様々な感情が浄化され、希望をもらい、積極的に関わろうとします。落ち込んでいるときに「あっ!これはまさに今の私だ~」と歌詞に辛い時期を生きる力をもらったり、また、ふとしたメロディや歌詞が心にずっと響いていて、何百回とその曲を聞いてしまったり。なぜか分からないけど、どうしても好きで好きでたまらない歌や曲が、必ず何曲かあるはずです!
こんな風に我々は音楽と密接でパーソナルな関係を持ち、それは人生のどんな時でも途絶えることはありません。“自分の中の何か”が揺り動かされ、強く音楽と共鳴しているのを感じる人も多いと思います。そしてこの強く音楽と引き合う力が、皆さんの中に眠っている能力をグングン引き出していく大きな魔法の力になっています。幼児、お年寄、また発達や知能に障害のある子ども達からも、それはそれは素晴らしい能力を見つけて引き上げてくれるのです。
特に幼児教育において音楽はとても重要視されています。これは、この音楽と引き合う力を使って、「音楽する人格」を幼児期から育てることに繋がっていくからです。音楽と積極的に夢中で関わり合っているとき、例えば、音楽アクティビティに参加したり、楽器を弾いたり、などを指しますが、いつもの自分を超え、音楽をする自己が最大限に引き出されている瞬間なんです。
「音楽する人格」が前面に出ている状態の時、人は音楽を美しいと思う感性、メロディに共感し奏でたいと思う欲求が生まれ、様々な日常の雑音がマインドから消えて、音楽と一つになる体験に近づいていきます。特に我々の音楽療法アプローチ(Creative Music Therapy)ではこの状態を“音楽する人間”と呼んでいますが、こういう音楽に夢中になっている瞬間、子ども達は、普段のふざけていたり、グズグズした甘えん坊さんとは異なる少し大人びた真剣なハッとする表情を見せることがありませんか?これは、一人ひとりの子どもの中に眠る、「音楽する人格」が目覚め、成長しようとする瞬間だからなのです。この音楽している瞬間にスッと入れたとき、子どもは複雑な音楽のダイナミクスを瞬時に理解し、そして音楽的に反応することにより、音楽能力だけでなく、様々な能力が複合的にじっくりと育っていきます。
全ての子どもの中に眠る能力、そして音楽する人格、幼児音楽教育で引き出して見ませんか?
著者プロフィール:レネーリエてるや Renee Rie Teruya『カリスマ教師、リネー先生』ことRenee’s Music Studioのオーナー・音楽教師。東京出身。国立音楽大学附属音楽中学校、同高校、同大学卒業。30年以上前にハワイへ移住、二人の女児の母。 アメリカ国内外の著名音楽大学への合格者、大きな世界コンクールでの優勝者等も多数輩出させている。同時に、赤ちゃんからシニアまで幅広い世代の人に 『音楽の素晴らしさ』と『愛と優しさ』をも伝える。 https://archive.nikkansan.net/learning/reneesmusicstudio/ |