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洋上という“逃げられない状況”、乗り物の“閉塞感”…憧れのクルーズに浮かれていた反面、実は少々不安も抱えていた。東京にいた頃、満員の通勤電車で過呼吸を起こして会社を欠勤したことがあり、飛行機内やスキューバダイビング中にも経験があるからだ。 が、前回のコラムで紹介した通り、船内でのお楽しみはそんな不安を見事に払拭してくれた。

 

まずは屋上のスパ付きプールとサンデッキ!地中海の太陽が燦々と輝く中、デッキチェアでiPadを片手に日焼けしながらカクテルを飲み、ビンゴ大会やエアロビクスのプログラムに参加することも出来る。食事は主に地中海料理で、例えばある日のメニューはメインディッシュが海老のグリルか牛肉の特上リブロース焼き、或いはベジタリアン向けに茄子のグラタン。

 

賑わう船上プール

 

デザートはガトー・オペラやアイスクリームなど選択肢が多い上に日替わり。さらに、夕食後には専用の劇場でミュージカルやクラシック音楽の演奏も。中でも、故マイケル・ジャクソンをテーマにした音楽とダンスのパフォーマンスがあり、クオリティが高く懐かしさも相まって感動した。

 

滞在時間があまり長くない寄港地もあり、旅程上夜に到着したマヨルカ島では城や大聖堂への入場は出来なかったが、逆に昼間では体験できないナイトライフー大好きなクラブを満喫できた。老若男女問わずEDMでステップを踏み、お酒を嗜んでいる様子は見ているこちらもハッピーな気分に。

 

マヨルカ島クラブPACHA

 

また、中世の騎士団で有名なマルタ島、城砦都市バレッタでは目立った近代的な建物がなく、中世そのままをタイムカプセルに閉じ込めたような、ドラマチックな街並みに圧倒された。

 

クルーズの旅は、乗船した瞬間から全てがエンターテイメントだ。世界には何十という船会社と幾通りもの航路があり、そのどれを選ぶかも楽しい。そして、もしお気に入りの寄港地が見つかった場合は「次回は直接飛行機で来て、何泊かしてみよう!」。そういうお試しの意味で利用してみるのも良いかもしれない。

 

 


●加西 来夏 (かさい らいか)

訪問39ヵ国、好きな言葉は「世界は驚きと奇跡に満ちている」/クルーズなんて手の届かない金額だろうと諦めていたのに格安でラッキー!と思っていたら、利用した日本の旅行会社は後日破綻しました。


 

 

 

(日刊サン 2019.09.19)