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ハワイの教育コラム|イゲット千恵子の子供をビジネス脳にする vol.8

ハワイの教育コラム|イゲット千恵子の子供をビジネス脳にする

Vol.8  紙幣がなくなる日のための準備

 

日本では元号が「令和」と変わり、新しい紙幣が2024年に発行されるそうですが、今から5年後に紙幣なんて誰も使わないだろうと思った方も多いはず。

 

特にアメリカに住んでいると、紙幣、チェック、クレジットカード、デビットカードと4つの支払方法の中で、クレジットカードを使う人が多いと思います。 これは、移民の国アメリカならではのクレジットヒストリーとクレジットスコアという信用評価制度があるため、クレジットカードが早くから普及したのです。

 

言葉も見た目も違う移民者への「この人に家を貸して、支払は大丈夫だろうか?」という不安に対して「移民だから貸せない」は人種差別や人権問題に関わってくるわけです。そこで客観的な判断材料として、クレジットヒストリー
で、過去のクレジットカードの支払や期限を守れているのかをチェックし、クレジットスコアとして信用度が格付けされています。

 

そのため私たち移民は、アメリカに来てしばらくはクレジットカードで全ての支払を行い、このクレジットスコアを上げていくことが、アメリカでの信用を得る最初の方法なのです。

 

また、どんなに小さな店でもクレジット会社に手数料を支払ってまでクレジットカードを使えるようにしているのは、どの国からの消費者であっても購入しやすいようにビジネスを考えているからです。

 

“ニコニコ現金主義”という言葉を以前はよく耳にしましたが、現在では現金を大量に持ち歩いている人は表に出せない、床下に隠した怪しいお金と思われがちです。 第三者機関を通すことで記録され、脱税の予防にもなっているからです。現金オンリーの店は、消費者からの信用も得にくいですし、かといって、残高があるかわからないチェック(小切手)を切られるよりもクレジットカードで即決済される方がビジネス面でもいいのです。

 

そういう観点からみると、これから5年後に新元号の紙幣は必要なのだろうか? ハワイで私の開催しているSTEAMクラスでは、5歳から7歳の子供達に紙幣の流通について教えていますが、2年以内に紙幣はほぼ使用されなくなると思っているので、紙幣で考えるお金の思考は最後になると感じています。ですので、しっかり教えておきたいです。

 

中国では、ホームレスの方が首からQRコードを下げて電子マネーで寄付してもらっているようです。ハワイでも、現金は卒業式のマネーレイを作る時に必要なくらいになるかもしれませんよ。

 

 

著者プロフィール:イゲット千恵子

オアフ在住、日米で会社経営&作家。2017年に「経営者を育てるハワイの親、労働者を育てる日本の親」を出版し、日米の教育の違いによるビジネスパーソンの仕上がりの違いを書いた本が話題となる。日米での事業は、グリーンスパハワイ、通販事業、スクール、教育事業、ハワイ教育移住、執筆、講演、セミナーなど、詳しくは、WEBサイト chiekoegged.com