ハワイの教育コラム|イゲット千恵子の子供をビジネス脳にする
Vol.3 お金の教育
アメリカの子供たちは、小さい時からファンドレイザーなどで寄付する習慣があり、世の中を良くするため、誰かを助けるため、自分の労働やアイデアでお金を作ることを喜びとして学んでいます。
私たち多くの日本人は、汗水たらして働くことを労働といい、お金は労働の対価として貰うことが、稼ぐということなのだと、長い間、よい労働者になるために教育されてきました。
だから、“労働=自分の時間の切り売り”であり、生活のために、我慢して働くという認識が高く、仕事=辛い、忙しい、自分のライフがない。ついには、社畜とまで呼ばれるようになってしまったのです。
私たちが住むハワイには、労働以外のものでお金や資産を増やしている人たちが、世界中から集まってきています。また同時に、お金がなくても、働かなくても、温暖な気候と食べ物がもらえる環境もあり、お金や仕事が全てではない人も多く住んでいます。
そういった環境の中で、子供達への身近な見本となるのは、親の労働意欲やお金に対する認識であり、子供達の未来に大きな影響を与えることは言うまでもありません。
みなさんのご家庭では、お金とはどんなものか? 家族で話したことがありますか?
我が家では、夫も私も生活のために我慢して働いているのではなく、世の中を良くするために、人に喜んでもらえるために、自分が情熱を傾けられる好きな職業を選んで仕事をしていることを子供に伝えています。だから、夫婦で互いの仕事の相談はしても、仕事の愚痴などを話すことはありませんし、子供も、「お仕事に行かないで~」などと言って泣くこともありませでした。
また、仕事をすることによって得たお金は、人に喜ばれた対価だと話しています。シェフは美味しい料理を作って、喜んで食べてくれるお客様から「ありがとう」をお金でもらっている。お金とは感謝が動いて回っているのだということで、欲張って自分だけで持っているものではなく、使うことは応援することでもあると教えています。
たとえば、オーガニック野菜が高いのは、農薬を使わない代わりに手作業が多くなるからで、「健康を考えて作ってくれてありがとう」という感謝の気持ちと応援するためであり、逆に、安い農薬野菜を買わないという選択肢を持つことが出来るのは、お金と社会の価値を理解しているからなのです。
私は、お金があることで選択肢を増やすことができ、また誰かを助けたり応援したり、沢山のいいことに使うこともできると、良いお金の使い方を子供に教えています。みなさんも、家族で話してみてくださいね。
著者プロフィール:イゲット千恵子オアフ在住、日米で会社経営&作家。2017年に「経営者を育てるハワイの親、労働者を育てる日本の親」を出版し、日米の教育の違いによるビジネスパーソンの仕上がりの違いを書いた本が話題となる。日米での事業は、グリーンスパハワイ、通販事業、スクール、教育事業、ハワイ教育移住、執筆、講演、セミナーなど、詳しくは、WEBサイト chiekoegged.com |