ハワイの教育コラム|イゲット千恵子の子供をビジネス脳にする
Vol. 22 子どもに資産運用を教える
観光地のハワイでは、世界情勢や気候変動などに応じて、小さい島の景気は大きな影響を受ける場合もあり、資産形成はとても重要な事として、子ども達にも小さい頃から教えておく必要があります。
一般的なアメリカ人の貯蓄額は62%以上が$1000以下だというので、我々、貯金文化の日本人からすると不安じゃないの?と思いたくなりますね。ハワイの場合は、物価高で貯金などほとんどできない人も多いようですが、ハワイで長いことストをしていたホテルのベッドメイクのメイドさんたちは時給$27などで働いています。そうして投資物件を持っている方も多く、資産運用に回して現金で寝かせている人も少ないようです。
ハワイで資産運用をしている人たちの多くは、不動産、投資信託、株、年金、債券、生命保険、投資物件、ビジネス、金やプラチナなどにして持っている人が多いようです。アメリカではビジネスは資産価値に値するので、会社の成長と共に資産も増えていることになります。
我が家も、長男のアメリカ人の嫁に、孫への誕生日プレゼントは「おもちゃじゃなく、株にして欲しい」と言われてびっくりしたことがありました。確かにくだらないおもちゃを誕生日とクリスマスに最低でも2回送ることを考えると、「毎年、孫への教育費のサポート」として、ケロッグやディズニーの株なんかをプレゼントしています。
まだ5歳の孫が、今は株については分からなくても、いつかきちんと賢い嫁が説明するはず。おもちゃよりも、自分が亡き後も孫たちに資産として残り、もしかしたら値上がりするかもしれないという淡い希望と、いつか孫たちが喜んでくれると思ってプレゼントしています。
でも、これもアメリカで俗にいう『OPM』Other People’s Moneyです。よく、不動産を担保に低金利でお金を借りて、自己資金以上に投資をすることや、家賃でローンを払うなどでリバレッジを効かせたり、ビジネスを始める時に自己資金を使わないでやるなど、人のお金で資産を増やす事は当たり前なのです。
結局、親に知識があるか、ないかで、子どもの金融リテラシーも変わってきます。また、親の金融リテラシーが低い場合は、子どもたちがアメリカの大学を受験する時に、親が必死に家計状況を隠しても、受験のアプリケーションに、その子どもを取り巻く環境の全資産が丸裸になってしまいます。子どもに情けない親と思われないためにも、今から親子で金融リテラシーを高めてください。早すぎるなんてことはないですから。
イゲット千恵子
オアフ在住、日米で会社経営&作家 2017年に「経営者を育てるハワイの親 労働者を育てる日本の親」を出版し、日米の教育の違いによるビジネスマンの仕上がりの違いを書いた本が話題となる。日米での事業は、グリーンスパハワイ、通販事業、スクール、教育事業、ハワイ教育移住、執筆、講演、セミナーなど、詳しくは、chiekoegged.com
(日刊サン 2019.12.06)