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ハワイの教育コラム|イゲット千恵子の子供をビジネス脳にする vol. 19

ハワイの教育コラム|イゲット千恵子の子供をビジネス脳にする

Vol. 19 日本の高学歴はどこへ行くのか?

 

私は、昭和の教育を受けて育ってきた第2次ベビーブームの子供でした。時はバブルで、半端なくお金を使うのになれている世代です。この時代は、みんな受験をし、有名大学に行き女子大生になり、大企業に勤めて、嫁に行き、専業主婦になるのが一般的な女性の人生でした。

 

あれから30年の時が流れて、私は25歳の時に経営者になり、40歳でアメリカに会社を設立。今は日本とアメリカで2社を経営しています。最近は、会社に送られてくるたくさんの履歴書をみながら、明らかに応募してくる人材が昔とは変わってきたと感じます。

 

日本でいうトップの国立大を卒業した若者たちが、私の経営する会社のような零細企業に、「面白そう」という理由で応募してくるのです。私としては非常にありがたいのですが、時代は明らかに変わったなと思うのです。

 

日本の学歴は、勉強をすればいい点が取れるので、努力をすればいいのです。だから、履歴書をみれば、その人の育った環境と努力量が見られます。職歴やキャリアを見れば、その人がどんな性格で、どんな人生を歩んで、どんな仕事をしてきたかがわかるのですが、それを見ていると、日本では高学歴の女性たちにとって、本当にもったいない働き方しかないのが現実なのかなと、思わずにはいられません。

 

日本は今、資金や人材不足という現実。優秀な人、生きる才能がある人、裕福な人たちが、認めてくれる諸外国にどんどん出て行ってしまうのだから、人材が不足するのはあたりまえです。

 

昔のように、女性は家庭に入り「亭主元気で留守がいい」という社会から、「亭主ウツで家にいる」というストレス社会にかわり、これまで主に男性にのしかかっていた経済が、今まさにパンクしそうな状態なのです。幼児教育も無償化し、ここにきてやっと「女性もみんな働いてください」という強いメッセージが込められている社会に変革してきました。 

 

日本以外の経済国は、共働きが普通。ようやく日本も動き出したわけです。ならば、平等に与えられた24時間の中の多くの時間を仕事に費やすわけですから、仕事は面白くなくてはいけません。仕事が面白いということは、人生の大半の時間が楽しいわけです。

 

また、頭がいい人は知的満足度の欲求が高く、何か新しいことにチャレンジしている時が一番楽しいと感じます。だから、安定の大企業でつまらないと感じる仕事をするよりも、小さな企業だとしてもワクワクする仕事を選ぶようになってきているのではないかと思います。 いよいよ、「高学歴=大企業」のような、学歴と仕事がリンクする社会が大きく変わりつつあるように思います。

 

 

 


イゲット千恵子

オアフ在住、日米で会社経営&作家 2017年に「経営者を育てるハワイの親 労働者を育てる日本の親」を出版し、日米の教育の違いによるビジネスマンの仕上がりの違いを書いた本が話題となる。日米での事業は、グリーンスパハワイ、通販事業、スクール、教育事業、ハワイ教育移住、執筆、講演、セミナーなど、詳しくは、chiekoegged.com


 

 

(日刊サン 2019.10.18)