ハワイの教育コラム|イゲット千恵子の子供をビジネス脳にする
Vol. 13 ハワイでSTEAM教育
ハワイは全米でも、非常にアナログな生活を好む人たちが住んでいる州でテクノロジーから一番遠い島でした。しかし物価の上昇に伴い、高所得者が移住してくることが増えるにつれ、テクノロジーで儲けている人、または、テクノロジーを使ってオフィスの場所にとらわれることなく仕事や収入が得られる人たちも増えてきています。
世界を代表するテクノロジーカンパニーは、Google(広告、検索)、Apple(携帯、PC、アプリ)、Facebook(SNS)、Amazon(通販)の4社の頭文字を取ったGAFAといい、全てアメリカの企業です。これらのプラットフォームの上に人間の生活が乗っかり、思考も同様にテクノロジーのベースの上に、物事を捉えて考えていく新しい時代になりました。
ITを制する者が世界をリードし、ITなしには生きていけません。ハワイの私立校では、10年以上も前から一人一台にPCが与えられ、鉛筆や消しゴムと同じような、文房具の一つとして、子ども達の生活の中に取り入れてきました。
これからは理系脳で物事を考えていくことが必須となり、「理系脳を鍛える」ことが、子育ての中にも必要になってきました。
理系というと、プログラミング、計算式などをイメージしがちですが、そこではなくゴール(目標)から逆算して、戦略をたて、問題を可視化し、論理的に考えて進んでいく力です。これを日常的に育てていくSTEM教育は多くの学校で取り入れています。
「STEAM教育」とは、STEM教育に「Art」を足した、下記の意味を持つ頭文字です。 「S」サイエンス 「T」テクノロジー 「E」エンジニアリング 「A」アート 「M」マスマティックス テクノロジーを使うことで多くの時間を得られることを知り、人生のオンとオフの楽しみと役割などを考え、自分の生き方や社会との関わりを時代に合わせて学んできていると思うのです。
特にハワイは、地球の美しさや、人の優しさに触れて育っている子どもたちだからこそ、地球環境や人の心の問題など、客観的にテクノロジーと人間の未来を考え、社会に役立つ大人になるような思考を持った子ども達を育てていきたいですね。
私は、世界からのSTEAM教材を使って、日本やハワイでワークショップを開催しています。このクラスでは、3歳から10歳の子どもたちを対象に、自分自身の未来はどのように描きたいか? 世界の人たちはどんな事を考えているのか? など、大きなビジョンで考えさせるきっかけになる講座をしています。
この夏も多くの子どもたちに会えることを楽しみにしています。
イゲット千恵子
オアフ在住、日米で会社経営&作家 2017年に「経営者を育てるハワイの親 労働者を育てる日本の親」を出版し、日米の教育の違いによるビジネスマンの仕上がりの違いを書いた本が話題となる。日米での事業は、グリーンスパハワイ、通販事業、スクール、教育事業、ハワイ教育移住、執筆、講演、セミナーなど、詳しくは、chiekoegged.com
(日刊サン 2019.07.26)