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福島の事実を世界に発信したい

Bynikkansan

8月 20, 2019

現在の福島は安全な場所だ! ということを知らない多くの人々のために、私は福島の事実を世界に発信したいと思っています。  私は、スティーブ・寺田。ハワイ生まれの日系3世です。災害管理の援助のために1年間、福島に住み暮らすことになりました。  

 

これからリポートしていく記事を通して、2011年3月の地震、津波、第一原子力発電所の原発事故以来、福島ではどんなことが起きているのか、私の目で見たすべてをお伝えしようと思います。なぜなら福島は、震災後ネガティブな悪評一色になってしまったからです。福島を愛する人は震災後8年もの年月、自分たちの故郷のイメージを払拭するために奮闘し、自分たちの未来と故郷を新しく作り上げていこうと尽力を続けてきました。  

 

その官民あげての努力と、福島の再生はもっと公正に、世界中の人に知ってもらいたいと思うのです。多くのメディアが放射線の危険性に焦点を当てるため、福島への訪問や居住を控え、福島産の食品を食べないようにしている人は依然少なくありません。震災直後に形成された福島の否定的なイメージが今も残り、残念なことに福島の復興を伝えるメディアの報道はあまり増えていません。  

 

第一原発近くの通りにある放射線モニター  

毎時2.301マイクロシーベルトと表示されている

 

私は、私自身が福島で目にしたもの、耳にしたことでそのような福島のネガティブな評価が間違っているという事実を知り、福島の真実が多くの人に伝わっていないことを非常に遺憾に感じています。私の記事では震災後、福島の放射線量がなぜ、どのようにして大幅に減少したのか、をお伝えします。  

 

また世界で最も厳しい食品の放射線検査を日本がどのように管理しているのか。また、福島医科大学や長崎大学の原爆症研究所の放射線科学の専門家が、福島のがん患者数は、数千人いるチェルノブイリのがん患者のように増えることはないと予想する医学的根拠を説明しながら、一人でも多くの人々に福島についての偏見や誤解を解き明かしていきたいと考えています。  

 

来年3月、2020年東京オリンピックの聖火リレーが福島で始まりますが、その点灯式は、第一原子力発電所から約20km(12.5マイル)離れたJヴィレッジ国立サッカー場で行われます。福島の再生を祝う聖火点灯式が現実のものになるため、この8年間福島県民がどのような努力をしてきたかを私の記事で知ってもらえれば嬉しいです。

 

 

 


スティーブ・テラダ

日系三世のアメリカ人で、祖父母が112年前に熊本からハワイに移住。ワシントン州シアトルの米国陸軍工兵隊・不動産部門のチーフを退職。在日米軍の不動産部長として東北から広島までの米軍基地の不動産管理に当たっていた。 陸軍を退職後、災害管理援助のため1年間の予定で福島に移住。現在も福島が「悪評」に苦しんでいることを知り、地元の人たちから福島の実態を世界に知ってもらうために、第三者的視点でストーリーを書いてほしいと頼まれたことから事実の伝達者として1年間のビザを取得。現在調査と執筆のため、福島県福島市に在住。


 

 

 

(日刊サン 2019.08.20