大番狂わせに大逆転劇
さて、試合は大方の予想を覆し、キックオフ直後の攻撃からジャガーズが2回連続のタッチダウン成功で先制。最終スコアは45ー42の3点差ですが、攻守両面で終始スティーラーズを圧倒し、上位シードに番狂わせを食らわせました。フロリダのチームが氷点下のピッツバーグで上位シードを倒すのは無理ではないかという予想とは裏腹に、試合平均獲得ヤード数でAFC最強のラン攻撃と試合平均失点でAFCトップのディフェンスでジャガーズが18年ぶりにカンファレンス優勝戦進出決定。
ハインツ・フィールドはし~んと静まりかえってしまいました。 先週末の最終試合となったセインツ対バイキングス戦は、NFLのプレーオフ史上に残る大逆転試合となりました。前半はバイキングスのディフェンスがQBドリュー・ブリーズ率いるセインツのオフェンスに1点も許さず、17-0でリード。後半にはセインツが徐々に調子を取り戻し、第4クォーター序盤には17-14の3点差にまで迫ります。
その直後にバイキングスがフィールドゴールで3点を追加し、20-14へと突き放しますが、試合最後の3分間はセインツが追い越しては、再びバイキングスが追い越す逆転の連続となります。 残り25秒でセインツがフィールドゴールを決め、24-23へと再逆転した時点で、勝負ありかのように見えましたが、更にどんでん返しが待ち受けていました。
残り10秒からのバイキングスのQBキーナムが投げたパスをワイドレシーバー(WR)のステフォン・ディグスがキャッチ。ディグスをカバーしていたセインツのディフェンス選手がタックルをミスすると、ディグスはそのままエンドゾーンへ駆け込み、ヘルメットを投げ捨てて劇的な結末に驚きを隠せない様子でした。
タックルミスしたセインツのセーフティ(S)マーカス・ウィリアムスは新人選手。シーズンを通して安定したプレーが高く評価されていたのですが、大事な試合で若さを露呈してしまいました。ウィリアムスはパスを受けたディグスの足を狙ってタックルしたのですが、位置が低すぎてミス。手を伸ばしてボールを狙うこともできたはずですが、ジャンプするタイミングを逃してしまったようです。幸いにもチームメイトはこの1プレーだけが敗因ではないとウィリアムスをサポート。ウィリアムス本人もこのプレーで自分の選手生命や人生が決まるわけではないと前を向いています。
金岡美佐 1992年に渡米。サンディエゴからサンフランシスコ経由で北上し、現在シアトル近郊在住。MBAを取得し某有名IT企業のファイナンス部門で勤務するも、大のスポーツ好きが高じて脱サラ。スポーツライターへ転身。「スポーツは見て楽しむもの」をモットーに年中スポーツ観戦に大忙し。春夏は野球、秋冬はアメフト、冬春はアイスホッケー。一番好きなのはアメフト。シーズン中の土日はスタジアム観戦以外、外出不可 |
(日刊サン 2018.01.20)