左手なしで活躍するシャキーム・グリフィン
この時期は避暑地として人気のシアトルですが、今年は7月の平均気温が華氏82.8度の史上最高を計測する猛暑となっています。なんだその程度か、と思われるかもしれませんが、最高気温が90度を超える日は年に数えるほどしかないシアトルでは、エアコンがない家庭が多く、最高気温が90度を超えた先週は寝苦しい夜が続いていました。
この暑さに耐えかね、週末はこれまで貯めたポイントを使って、シアトル郊外のホテルにエアコンの効いた涼しい部屋を求めて泊まりに行くことにしました。今年は夏休みが取れない状況なので、遠出をせずに楽しむ、いわゆる「ステーケーション」です。 泊まったのはレイク・ワシントンの南端に昨夏オープンしたばかりのハイアット・リージェンシー。
土曜日にはインド系の結婚式が2組あり、インド系の人が多かったホテルで、あれっ?今のはアメフト選手?と思わせるような人を何回か見かけました。最初に見かけたのはエレベーターで、6階から背の高い黒人男性が乗り込んできた際に、その階だけはエレベーター乗り口の隣に水やソフトドリンクを自由にもらえる冷蔵庫が置いてあるのに気付きました。
その時は単に「いいなあ、あのフロアは飲み物取り放題で。あとで6階に行ってみよう」としか思わなかったのですが、よく考えてみると、ホテルはシアトル・シーホークスの練習施設から車で10分程度。このホテルはチームの練習施設周辺では一番いいホテルです。
おまけに、NFLでは7月下旬からトレーニングキャンプが始まったばかり。昨季もシーホークスでプレーし、今季もロスター入りが確実な選手は恐らくシアトルに自宅を構えているはずですが、ロスターに生き残れるかどうか分からず、まだ最低限の報酬しかもらっていない新人選手はキャンプ期間中、ホテル住まいになるはずで、もしかしたらこのホテルで寝泊まりしているのかも?
そう思い始めた後に再びエレベーターに乗ると、別の黒人男性が6階で降りて行きました。エレベーターのドアが開くと、正面の壁にあった貼り紙にはシーホークスのロゴがありました。やっぱり・・・。様子を探りに行こうと、エレベーターで6階に行こうとしたのですが、このフロアだけはセンサーに承認されたキーカードを感知させないと行けない模様。再び、やっぱり・・・。自宅からキャンプに通えないシーホークスの選手の宿泊ホテルだったようです。
シャーマンやベネットが移籍する中、QBのラッセル・ウィルソンは今季も健在 |
スターパワーを欠く今季のキャンプ
昨季のシーホークスは、クォーターバック(QB)のラッセル・ウィルソンがデビューした2012年以降、6年ぶりにプレーオフを逃してしまいました。それまでは5年連続でプレーオフへ勝ち進み、4年前には初めてスーパーボウルで優勝しただけに地元ファンにとってはショックな結果でした。
このため今オフ、チームは大がかりなチーム再建に乗り出し、ここ数年見慣れた大物選手がごっそりとシアトルを去ってしまいました。 最も衝撃的だったのはチームの顔的存在でもあったコーナーバックのリチャード・シャーマンが解雇されたこと。なんと、同地区ライバルのサンフランシスコ・49ersへ移籍してしまいました。
昨季はサイドラインでキャロル監督と言い合う姿がカメラに捉えられ、不仲説が流れていましたが、まさかチームを去ってしまうとは。更に昨季チームで最多2番目の8.5サックを記録したディフェンスエンドのマイケル・ベネットは、昨季の覇者フィラデルフィア・イーグルスへトレードされ、先発アウトサイド・ラインバッカーのクリフ・エイブリルは首の怪我から回復できないまま解雇。
オフェンスでは期待されながらも、シアトル移籍後は才能を生かせなかったタイトエンドのジミー・グラムとは、契約満了後引き留めず、グラムはグリーンベイ・パッカーズへ移籍してしまいました。
一方、契約延長を求めてトレーニングキャンプに参加していない選手もいます。セーフティのアール・トーマスはトレーニングキャンプ開始以前より、来季以降の契約を延長してくれないのなら参加しないと明言しており、未だにチームに合流していません。
また、契約を延長しないのなら、トレードして欲しいともツイッターに書き込んでおり、トーマスまでチームを去る可能性もあります。 また、故障のため、トレーニングキャンプのチーム全体練習に参加できていない主力選手もいます。エースワイドレシーバーのダグ・ボールドウィンは膝の痛みのため練習を回避中。
シャーマンやトーマスと共にLegion of Boomと呼ばれていたキャム・チャンセラーは、昨季負った首の怪我が完治せず、このまま引退を強いられる可能性が危惧されています。というわけで、ウィルソン以外の主力選手が移籍したり、故障中で、スターパワーに欠けるトレーニングキャンプとなっています。