40歳のトム・ブレイディが最多優勝を目指す

イーグルスと対戦するペイトリオッツは近年スーパーボウルの常連です。ファンなら嬉しいばかり。それ以外の人からは、「いつも同じチームでつまらない。あのチームは過去に敵チームのサインを盗撮したり、自チームが使うボールの空気圧を操作していた疑惑もあったし、今回だって何かしらズルをしてるんじゃないのか？」といった不満も聞こえてきます。

前半にリードされていても、ハーフタイム終了後にきっちりと修正をかけ、後半には追い上げ、追い越して勝利をつかむのがペイトリオッツのパターン。ジャクソンビル・ジャガーズをホームに迎え撃ったカンファレンス優勝戦でも同じで、前半にジャガーズのラン攻撃を止められずに苦戦していたのがうそのように、後半はラン攻撃を封じ込み、QBブレイク・ボートルスの失投を招いて、帳尻を合わせてきました。

これでペイトリオッツは通算10度目のスーパーボウル出場が決まり、チームが保持する最多出場回数を更新しています。ブレイディが先発QBに定着した2001年以降、17年間で8度目の出場です。ペイトリオッツはこれまでスーパーボウルで5勝4敗。今年優勝できれば、通算6度目の優勝、2度目の2連覇達成となり、ピッツバーグ・スティーラーズの最多記録に並びます。

そして、ブレイディにとっても6度目の優勝となり、サンフランシスコ・49ersとダラス・カウボーイズ所属時代に合計5回の優勝経験があるディフェンスエンド（DE）チャールス・ヘイリーとのタイを破り、単独最多優勝選手となります。去年8月に40歳の誕生日を迎えたブレイディはスーパーボウル出場QBの最年長記録を達成。

まだまだリーグのトップクラスに君臨し、先発の座を譲る気配はまったくありません。スーパーボウルであと2度優勝し、ペイトリオッツが単独で最多優勝チームになるまでは、引退しないのではないかと思います。 今年のスーパーボウルはAFCの代表がホームチームとみなされるため、ペイトリオッツに試合着用ジャージーの色を選ぶ権限が与えられています。

ホームチームは濃い色のジャージー、アウェーチームは白のジャージーを着用するのが一般的ですが、ペイトリオッツは白を選択。これまで白のジャージーを着て臨んだスーパーボウルでは負けなしだそうです。果たして今回はどういう結果になるのやら？ジャスティン・ティンバーレイクのハーフタイムショーや毎年各社がアイデアと資金を投入して流すCMも含めて楽しみですね。

金岡美佐 1992年に渡米。サンディエゴからサンフランシスコ経由で北上し、現在シアトル近郊在住。MBAを取得し某有名IT企業のファイナンス部門で勤務するも、大のスポーツ好きが高じて脱サラ。スポーツライターへ転身。「スポーツは見て楽しむもの」をモットーに年中スポーツ観戦に大忙し。春夏は野球、秋冬はアメフト、冬春はアイスホッケー。一番好きなのはアメフト。シーズン中の土日はスタジアム観戦以外、外出不可

（日刊サン 2018.02.03）