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アキレス腱断裂で今季絶望となったリチャード・シャーマン

 

 

早いもので来週はもう12月。NFLのレギュラーシーズンも6週間を残すばかりとなりました。元々危険なスポーツだけに怪我は付き物ですが、今季はチームの主力が大怪我で戦線離脱するケースが特に目立っています。グリーンベイ・パッカーズでは現役クォーターバック(QB)でトップクラスのアーロン・ロジャースが10月15日のミネソタ・バイキングス戦で鎖骨を骨折。手術を受け、回復は順調と報道されているものの、未だに試合復帰できていません。

 

ロジャースが欠場中、代役を務めているのはプロ入り3年目のブレット・ハンドリーです。ハンドリーは今回ロジャースが故障離脱するまでNFLでの先発出場経験がない選手。10月15日以降、今季これまで5試合に出場し、チームは1勝4敗と大きく負け越しています。

 

開幕から5勝5敗のパッカーズはNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)北地区で3位、2枠あるワイルドカード争いでは5位につけており、プレーオフ進出の可能性は非常に微妙な状況です。現在故障者リストに登録中のロジャースが復帰できるのは、早くてもレギュラーシーズン残り3試合となった12月17日のカロライナ・パンサーズ戦ですが、その時点でプレーオフ進出の可能性が消失していれば、ロジャースの試合復帰は来季まで見送られるかもしれません。

 

 

先発と2番手の両QBが故障中の2チーム

首の怪我で今季絶望が危惧されるキャム・チャンセラー

 

同じく先発QBの故障離脱により、苦戦しているのはアリゾナ・カーディナルスです。カーディナルスは37歳のQBカーソン・パーマーが10月22日のロサンゼルス・ラムズ戦で左腕を骨折。4週間が経過した現在、ようやくギプスが取れたものの、試合復帰までにはまだ時間がかかりそうです。

 

パーマーを欠くカーディナルスは2番手のドリュー・スタントンを代役に抜擢しましたが、そのスタントンも膝の負傷で先週のヒューストン・テキサンズ戦には出場できず、3番手のブレーン・ギャバートが代役を務めています。カーディナルスは現在NFC西地区3位、ワイルドカード争いでは8位につけており、プレーオフ進出の可能性はパッカーズよりも低い状況です。

 

また、パーマーは年齢が年齢だけに、今季限りの現役引退もささやかれており、今季中に試合復帰できれば、それが現役最後の試合となる可能性もあります。

 

一方、バイキングスでは代役の代役の活躍で現在NFC北地区首位に立っています。本来の先発QBはプロ入り4年目のテディ・ブリッジウォーターですが、ブリッジウォーターは2016年開幕前の練習中に膝の靭帯を断裂。その後にイーグルスからのトレードで加入したQBサム・ブラッドフォードが今季も開幕戦からブリッジウォーターの代役を務め、NFCの週間オフェンスMVPに選ばれる活躍を見せていました。

 

しかし、そのブラッドフォードも膝を負傷。第2週からは事実上3番手のQBケース・キーナムがオフェンスの司令塔を任されています。 キーナムはヒューストン大学時代にパス成功1,546回、19,217ヤード、155タッチダウンを記録し、NCAA史上最多記録を樹立しましたが、身長が低く、2012年のドラフトではどのチームからも指名されなかった選手です。

 

ドラフト外契約でヒューストン・テキサンズへ入団してから昨季まで、控えQBとしてテキサンズとラムズの間を2度行き来した後、今季はブリッジウォーターの控えの控えとしてバイキングスへ入団し、9試合連続の先発出場で、チームをNFC2位の勝率(8勝2敗)へと導いています。来年2月の第52回スーパーボウルはバイキングスのホームスタジアムでの開催のため、地元ファンの期待は高まるばかり。スーパーボウルに地元チームは出場できないというジンクスを破れる可能性を残しています。