菊池の新天地となる可能性もあるドジャースの本拠地ドジャー・スタジアム
冬の間に迎えるメジャーリーグのオフシーズンはストーブリーグと呼ばれています。昨オフは大谷翔平選手の争奪戦が注目を浴びましたが、今オフは大谷選手の花巻東高校の先輩に当たる菊池雄星投手がどのチームと契約するかが注目を集めています。菊池投手は左投げの先発投手。最速98マイルの直球とスライダーが武器です。
プロ入り8年目の今季は23試合に登板し、163 2/3回を投げ、防御率3.08。16勝6敗、防御率1.97で最多勝投手と最優秀防御率投手となった昨季には劣りますが、6年連続で100イニングをこなし、防御率を4未満に抑えるなど、ハイレベルの安定した投球を見せています。
大谷選手と同様にポスティング制度を利用してメジャー入りを目指す菊池投手を獲得するチームは、年俸とは別に菊池投手の所属先である西武ライオンズへ2000万ドルの譲渡金を支払わなければなりません。しかし、大谷選手とは異なり、菊池投手の契約年俸に上限はありません。
大谷選手はベーブ・ルース以来100年ぶりの二刀流選手として高い評価を受けながらも、25歳未満の海外選手との契約に適用されるメジャーリーグの規定により、年俸が最低保証額の54万5千ドルに抑えられていました。すでに27歳の菊池投手にはこの規定が適用されないため、どのチームがどの程度の契約額を提示してくれるかも、新天地を決める上で大きな要素となりそうです。
FA市場には大物先発左腕も
今オフはFA市場に左腕先発投手が多く、昨季までヒューストン・アストロズに所属していたダラス・カイケルや、昨季トロント・ブルージェイズからニューヨーク・ヤンキースへトレードされたJA・ハップなどがいます。昨季までアリゾナ・ダイヤモンドバックスに所属していた29歳のパトリック・コービンは6年1億4千万ドルの契約で先週ワシントン・ナショナルズと契約したばかり。
FA市場目玉のカイケルは2015年にはサイ・ヤング賞を受賞し、昨季はアストロズのワールドシリーズ優勝に貢献したベテラン。今季前半は負けが立て込んだものの、後半の巻き返しで12勝11敗とし、34試合に登板し、204 2/3回を投げ、防御率3.74を記録しています。
しかし、すでに30歳。ハップも36歳。まだ27歳の菊池投手の若さは魅力的です。 メジャーリーグでは9日からウィンターミーティングが始まり、各チームの首脳陣や代理人がラスベガスに集結しました。それからFA市場の動きが活発化していますが、このウィンターミーティングでカイケルやハップなど、他の先発左腕の新天地が決まれば、菊池投手のメジャー契約先もぐっと絞られてくるはずです。
これまでにニューヨーク・ヤンキースやボストン・レッドソックス、クリーブランド・インディアンスなど、少なくとも10チームが菊池投手の視察に日本プロ野球の試合へスカウトを送り込んだと伝えられていますが、MLB.comではロサンゼルス・ドジャース、サンディエゴ・パドレス、サンフランシスコ・ジャイアンツ、シアトル・マリナーズが本格的に獲得に乗り出すチームに含まれるとしています。いずれも過去に日本人選手の所属歴がある西海岸のチームばかりです。菊池投手とメジャー球団の交渉期限は1月2日。新年早々には朗報が聞けそうです。