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ターミネーター : ニュー・フェイト

Bynikkansan

11月 22, 2019

 伝説が、帰ってきた!!これまで続編3作が発表され、TVドラマ版もあった。しかし、製作チームが謳うようにこの“ニュー・フェイト”こそ正統なT2の系譜を継いでいるといえよう。なぜなら―。

 

 1997年8月29日は、人類を不要とみなした人工知能、スカイネットが反乱を起こし核戦争が勃発した「審判の日」だったが、サラ・コナーとその息子ジョン、未来から送り込まれた味方のターミネーター“T-800”により回避されたはずだった。22年後、メキシコシティで働く女性ダニーの元に突如、最新型ターミネーター“REV-9”が現れ襲い掛かる。そこに、互角に戦うグレースという女性も現れダニーを守るものの執拗に追いかけられる中、なんとサラ・コナーが援護に。審判の日は起こらず人類滅亡を阻止したのに、なぜ再び別のターミネーターが出現し、ダニーを殺そうとするのか…。

 

 ストーリーと製作に本家ジェームズ・キャメロンが、そしてサラ・コナー役にリンダ・ハミルトンが当時にも増して格好よく、さらに若きエドワード・ファーロングがジョンとして(衝撃的に)カムバック!これだけで往年のファンとしては十分な“正統感”があり盛り上がるが、しかし。T2でジョンを抹殺しにきた液体金属製T-1000の強化版REV-9の冷酷さと人間味を帯び冗談すら言うそのギャップも魅力的かつ恐ろしく、全体的なアクションシーンも近年稀に見るド派手さ!どこか既視感のあるオマージュも散りばめられつつ、歳を重ねたサラとT-800の威風堂々のガン・アクションには胸が熱くなる。無論、これまでの続編を否定するわけではない。シュレディンガーの猫のように未来はどんな風にも変わり得るのだから、あれらは存在したかもしれない別の未来パターンだと思って鑑賞するのがベスト。

 

 実は、T2は生まれて初めて観た洋画であると同時に、ラストシーンで大号泣した記憶が鮮明に残る、自分史上最も思い入れの深い作品。どんな形でも良いので再び“I’ll be back.”して欲しい!

 

 


●加西 来夏 (かさい らいか)

映画は年間100本以上視聴、訪問39ヵ国〜の旅する映画ラヴァー/好きな映画のセリフはよく真似や応用してしまい、たまに“I’ll be back,soon”は使いますが、さすがに “Hasta la vista, baby.”の出番は無いだろうなぁ・・・。


 

 

(日刊サン 2019.11.21)