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スーパーボウルまであと1勝!NFLのプレーオフ

Bynikkansan

1月 19, 2019

NFCカンファレンス優勝戦が行われるメルセデスベンツ・ドーム

 

 

NFLのプレーオフが佳境に入っています。AFC、NFCともにカンファレンス優勝戦出場チームが出揃い、スーパーボウルを含めて今季の残り試合はわずか3試合のみとなりました。AFCはニューイングランド・ペイトリオッツが8年連続のカンファレンス優勝戦進出決定。

 

2001年にペイトリオッツの先発クォーターバック(QB)に定着した41歳のトム・ブレイディにとっては18年間で13回目の快挙で、ファンにとっては嬉しい限りでしょう。それ以外の人からは「またペイトリオッツか!」という声も聞こえます。 ペイトリオッツはもちろん強いのですが、地区内の残り3チームが万年弱小で地区優勝への道が比較的に険しくないのも事実。他地区のチームのファンにとっては不満な点です。

 

しかし、10数年間に渡り、カンファレンス優勝戦へ駒を進める戦力とハングリー精神を維持し続けるのは並ならぬこと。その点がビル・ベリチック監督が名将たる所以です。 ペイトリオッツは13日のディビジョナル・プレーオフでロサンゼルス・チャージャースに圧勝しました。

 

前半終了時点で35-7でリードし、試合の勝敗がほぼ決まった終盤にタッチダウンを許したものの、41-28の最終スコアでカンファレンス優勝戦へ。あと1勝すればチーム史上通算11度目のスーパーボウル出場が決まります。

 

一方、故ジュニア・セーアウが現役だった1994年シーズン以来、チーム史上通算2度目のスーパーボウル出場を目指すチャージャースは、今季もチャンスを逃してしまいました。 チャージャースのQBフィリップ・リバースはスーパーボウル出場経験のない最も偉大なクォーターバックと言われています。

 

37歳のリバースは今季でプロ入り15年目のベテラン選手。よく比較されるドラフト同期のQBイーライ・マニング(ニューヨーク・ジャイアンツ)とQBベン・ロスリスバーガー(ピッツバーグ・スティーラーズ)は、いずれもスーパーボウルで2度の優勝経験がありますが、リバースは出場経験すらありません。

 

特にマニングは2004年のドラフトの全体1位でチャージャースに指名されながらも、入団を拒否。全体4位でジャイアンツの指名を受けたリバースとのトレードでジャイアンツ入りして優勝した選手だけに、自己ベストシーズンを送っていたリバースが今季もスーパーボウル出場機会を逃したのはファンにとっては悔しいばかりでしょう。

 

今季もスーパーボウル出場機会を逃したフィリップ・リバース

 

四半世紀ぶりに勝利のチーフス

そのペイトリオッツがスーパーボウル出場権をかけて対戦するのはカンザスシティ・チーフスです。12勝4敗でレギュラーシーズンを終えたチーフスはAFC西地区で優勝し、第1シードを獲得。ディビジョナル・プレーオフでは雪が舞う本拠地アローヘッド・スタジアムで第6シードのインディアナポリス・コルツを31-13で破り、25年ぶりにカンファレンス優勝戦出場を決めました。

 

チーフスが前回プレーオフで勝利したのもなんと25年前です。1993年シーズンのワイルドカード・プレーオフとディビジョナル・プレーオフを勝ち抜いたのが最後でした。その年はAFCカンファレンス優勝戦でバッファロー・ビルズに敗れ、スーパーボウル出場には至りませんでした。1994年以降10回出場したプレーオフはいずれも初戦敗退。

 

特にコルツと対戦した2013年シーズンのワイルドカード・プレーオフでは、後半に27点差を覆された挙句の果てに1点差で敗れています。そんな過去があるだけに、24-7の17点リードで前半を終えた今回もチーフスのファンは安心できなかったようです。

 

しかし、今季は違いました。強味から弱点へと化してしまっていたディフェンスが後半の失点を6点に抑え、リーグトップの得点力を誇るオフェンスは後半に7点を追加し、快勝。中でも、QBのパトリック・マホームズはディフェンスにプレッシャーをかけられても、うまく切り抜け、信じられないようなパスを成功させてチームを勝利へ導きました。

 

マホームズはプロ入り2年目のまだ23歳の選手ですが、開幕から先発QBに定着した今季はリーグ最多の50タッチダウンを記録するなど、MVP候補に名が挙がっています。父は元メジャーリーガーで横浜ベイスターズでもプレー経験があるパット・マホームズ。両親からは運動能力のみならず、何事にも動じないメンタルの強さも譲り受けたようです。

 

AFCカンファレンス優勝戦は20日、チーフスの本拠地アローヘッド・スタジアムで百戦錬磨のペイトリオッツと対決します。この2チームは10月14日にペイトリオッツの本拠地ジレット・スタジアムで対戦済み。両チームとも40点以上を入れる乱打戦の結果、3点差でペイトリオッツが辛勝しています。

 

ブレイディが先発に定着した2001年以降、チーフスはジレット・スタジアムでの対決では5連敗中ですが、本拠地アローヘッド・スタジアムでは2勝1敗です。2014年9月29日の対戦では、41-14でチーフスが圧勝し、ペイトリオッツのブレイディ時代もこれで終わりか?とまでささやかれたのですが、結局ペイトリオッツはそのシーズンに通算4度目のスーパーボウル優勝を果たし、ブレイディは41歳の今季も先発QBとして君臨中。ベテラン対若手QBの対決が楽しみです。