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キャッシュレス生活、進行中

Bynikkansan

12月 17, 2019

天守閣から駿河湾が臨める小田原城。入場もお財布を取りだすことなくスマホ決済で、スムーズでした

 

 年末恒例の「新語・流行語大賞」で、2019年のトップ10入りを果たした「〇〇ペイ」。令和元年の日本で、急速に広まったスマホ上にバーコードやQRコードなどを表示させてレジで読み取って支払う決済サ-ビスのことです。その便利さから、40代半ば、アナログ人間の私もほぼ毎日使用するほど、日常生活に浸透してきました。

 

 先週出張した静岡・小田原城でのこと。天守閣への入場口で並んでいると、前から「ペイペイッ」と電子マネーの「PayPay」での支払いが完了したことを知らせる小さな音が響きました。地方の旅先では現金はなるべく温存しておきたいもの。予想外の場所に、スマホ決済が浸透していることに驚きつつ、私も恩恵を受けて入場料510円を「PayPay」で支払いました。スマホの画面上には「支払い完了・小田原城・天守閣」の文字も現れ、旅の記念に少しウキウキした気分になりました。

 

 

使用可能店舗も拡大中

 

 私が使用している「PayPay」は2018年の10月にサービスが始まったソフトバンク系列の電子マネー。今年1月頃までは、コンビニはファミリーマ―トのみの使用に限られていたのですが、春先頃から使用可能店舗が一気に拡大。今では主要コンビニはもちろん、職場近くのランチの店やネイルサロン、地元・世田谷の裏通りにあるようなカフェなど多くの店舗の店先で使えるようになりました。

 

主婦の間でも大人気

 

 さらに、「LINE Pay」や「楽天Pay」、「au Pay」など大手通信系の電子マネーもあり、まさに百花繚乱の様相。先日は子どもの習いごとのママ友から、先生への差し入れの割り勘代を「LINE Payで送金してもらってもいいよ」と申し出られ、びっくり!主婦の日常生活でもここまで浸透しています。 パスモなどの電鉄系のチャージ型電子マネーは以前からありましたが、「〇〇ペイ」は登録クレジットカードや銀行口座から数秒でチャージでき、スマホ上に買い物記録も残るのが便利な点。さらにポイント還元率も良いのが人気の秘密では?と実感しています。

 

日本をあげて推進中

 

 政府もキャッシュレス決済は強力に推進しています。消費税が10%に上がった今年10月から来年6月まで、消費を促すために小・中規模の店舗でキャッシュレス決済した場合は5%の還元が受けられる事業をスタート(コンビニ、チェーン店など大型店舗は2%)。1000円の支払いをしたら、50円の還元。同じ支払いなら現金より、電子マネーを選んでしまいます。 さらに日本では2025年までに、クレジットカードを含め紙幣やコインを使わないキャッシュレス決済を全消費の40%まで引き上げる目標を掲げています。 一度登録してしまえば、その便利さを実感するスマホ決済。この1年を振り返っても、私的には大きな「生活革命」だったかもしれません。

 

 


竹下聖(たけしたひじり)

東京生まれ。大学卒業後、東京の某新聞社でスポーツ記者、広告営業として15年間勤務後、2012年〜2014年末まで約3年間ハワイに滞在。帰国後は2016年より、大手町のマスコミ系企業に勤務。趣味はヨガと銭湯巡り。夫と中学生の娘、トイプードルと都内在住。


 

 

(日刊サン 2019.12.12)