日刊サンWEB

過去記事サイト

ぶどうの宝石、シャインマスカット狩り

Bynikkansan

9月 28, 2019

秋の到来とともに、日本のスーパーにはぶどう、梨、早世みかん…と様々な果物が並び始めました。中でもここ4~5年、日本で人気急上昇中なのが、皮ごと食べられる大粒のぶどう「シャインマスカット」です。

 

今が旬の高級ぶどう

その名前の通りキラキラと輝くような大粒のマスカットで、紫色の巨峰やピオーネと違い、後味にも渋さがなく爽やかな味が特徴。近所のスーパーでも、入口に近い一番目立つ場所に堂々と鎮座し、売られています。

 

少し前の巨峰に代わる「高級ぶどう」の地位を獲得し、ひと房1000円以上と値段は張るものの、我が家の家族も大好きでついついかごに入れてしまいます(皮をむかず、洗ってそのまま食卓に出せるのも嬉しい!)。

 

ぷりっぷりで、はち切れそうなシャインマスカットの実

 

愛情たっぷりの日本の手仕事

今が旬のそんな大人気のぶどうですが、山梨出身の会社の後輩の実家近くで、「シャインマスカット狩り」ができることになり、先週の3連休に、本場・山梨まで出かけてきました。

 

山梨県は「勝沼ぶどう郷」という名前のJR中央線の駅もある通り、ぶどうの一大産地。今回は後輩の知り合いの家で特別に収穫させてもらいました。 農家の方の説明では、一つ一つ紙の袋に包まれたぶどうを上からそっと触り、実がパーンと張っているものを選ぶとよいとのこと。

 

ただ袋をかぶせる前に、ひと房30~35粒に剪定されており、その数を数えながらの地道な作業が本当に大変とのことでした。愛情がたっぷりと注がれた丁寧な日本の仕事が、ブランドぶどうを支えているのです。

 

当日はどこまでも青空が広がる快晴。日照時間が長い甲府盆地は果物の栽培に適しているそうで、急な斜面一面に広がるぶどう畑は圧巻の一言でした。ズシリと重いシャインマスカットを4房収穫し、合計2300グラムでした。

 

 

巨峰を抜いたNO・1ぶどう

今回は「知り合い価格」で分けて頂けたのですが、最近のある調査では巨峰の年間平均価格が1690円/kgに対し、シャインマスカットの同価格は6200円/kgと約3.5倍以上の差があります。中国や香港などアジアでも人気で、巨峰やピオーネを軽く抜きさり、まさに日本を代表する「ブランドフルーツ」となっています。

 

 

外国人にも人気の山梨

山梨に数多くある観光農園の多くでも最近はシャインマスカット狩りができ、連休中も大賑わいでした。東京・新宿駅から特急「かいじ」に乗り、1時間半程の山梨の勝沼や塩山は日帰りで十分楽しめる上に、富士山の眺望も見事とあり最近では海外の方にも大人気とか。

 

自分で収穫したぶどうを大事に持ち帰り、私も大満足の「大人の遠足」となりました。 さて、日本では20日にラグビーW杯が開幕し、期間中は40万人の訪日客が予定されています。決勝は11月2日と、日本の秋の味覚があふれる時期と重なります。ラグビーの熱戦を楽しんでもらいながら、ぜひ日本が誇る「フルーツの宝石」も味わってほしいと思います。

 

 


竹下聖(たけしたひじり)

東京生まれ。大学卒業後、東京の某新聞社でスポーツ記者、広告営業として15年間勤務後、2012年〜2014年末まで約3年間ハワイに滞在。帰国後は2016年より、大手町のマスコミ系企業に勤務。趣味はヨガと銭湯巡り。夫と中学生の娘、トイプードルと都内在住。


 

 

 

(日刊サン 2019.09.28)