ホノルル市カハラ地区のワイアラエカントリークラブで、11月26日、主婦ソサエティーオブハワイ主催のクリスマスパーティが開催された。毎年恒例となっているこのパーティには、主婦ソサエティーのメンバーや一般からのゲスト合わせて約100人が参加。会場となったクラブハウス海側のバンケットルームでは、午前9時のドアオープンと共に、メンバーが持ち寄ったジュエリー、小物、手作りのベークグッズなどを販売するバザーが催され、クリスマス前のささやかなショッピングを楽しむ女性たちで賑わいを見せた。
新総領事夫人、伊藤美砂子さんが 名誉会長に就任
午前11時から開始されたプログラムの冒頭で、主婦ソサエティーオブハワイ会長の有川啓子さんは次のように挨拶をした。
「本日のクリスマスパーティには、約2ヶ月前に在ホノルル日本国総領事館に赴任されたばかりの伊藤康一総領事ご夫妻にご出席いただいております。伊藤総領事夫人の美砂子様には、主婦ソサエティーオブハワイ名誉会長の就任を快くお引き受けくださいましたことを大変感謝しております。来年は、ハワイ日系移民史150周年の節目を迎えます。長きに渡り、移民の方々が日本の文化、習慣を途切れなく次世代に伝え続けてきたという事実の裏には、各世代の方々の大変な努力があったことと思います。主婦ソサエティーオブハワイは、こうした移民の方々の意思を引き継ぎ、今後とも日本文化の継承に尽くしていこうと思っております」
続いて、の伊藤美砂子総領事夫人が、主婦ソサエティーオブハワイ名誉会長就任後初となるスピーチを行った。
「先日、有川会長と主婦ソサエティーのメンバーの方々が総領事公邸を訪ねて下さいました。その際、1966年に主婦ソサエティーオブハワイが創設されて以来、各時代のメンバーの方々が現在までに行ってきた活動をまとめたファイルを見せていただきました。ボランティアや講演会、日本文化に関するイベントなど、多岐に渡る活動内容が分かりやすく記されており、大変感銘を受けました。その主婦ソサエティーオブハワイの名誉会長をさせていただくことを大変誇りに思うと共に、感謝を込めて一生懸命務めたいと思っております」
マジシャン&タカラジェンヌによる エンターテイメント
その後、エンターテイメント・プログラム第1幕のエンターテイナーとして、黒いドレススーツに身を包み、シルクハットを手にしたマジシャン、TAKESHIさんがステージに上がった。ハワイ出身の日系人であるTAKESHIさんは、ハワイ・グランドチャンピオン・オブ・マジックをはじめ、数々の権威あるコンテストで賞を獲得している若手のホープ。TAKESHIさんは、エレクトリック・ミュージックのBGMに合わせた華麗な手さばきで、何もない空間からピンク色の鳩を出したり、テーブルを浮き上がらせたりといったマジックを披露した。参加者たちは「こんなに近くで見ているのに、タネが全然わからない」と首を傾げながらも、TAKEASHIさんが繰り広げるマジックの世界に魅了されていた。
ビュッフェ形式の昼食の後、プログラム第2幕のエンターテイナーとして、元タカラジェンヌの有明淳さんとピアニストの山口邦さんがステージに上がった。有明さんは1969年、宝塚歌劇団に55期生として入団し、男役と娘役の両方で華麗な魅力を発揮した伝説のタカラジェンヌだ。宝塚の看板舞台である『ベルサイユのばら』では美貌の名門貴族ジェローデル役を、『長靴を履いた猫』では主役のジャックを演じた。また、東南アジア、中南米、フランス、旧ソ連など、世界各国で行われた公演にも参加。1986年、結婚と同時に退団した。また、ピアニストの山口さんは、3歳からクラシックピアノを習い始めると共に、ジャズピアノの権威である八代一夫氏、大田黒和子氏に師事。作曲を手掛けたり、講師としてピアノを教えるかたわら、イベントやブライダル、ライブコンサートへの出演など、多岐に渡って活躍している。有明さんは、山口さんのグランドピアノの伴奏に合わせ、『ベルサイユのばら』の「愛あればこそ」を始めとした数曲を歌唱し、タカラジェンヌならではの、伸びやかで張りのある歌声を会場一杯に響かせた。煌びやかな雰囲気を纏った2人のステージに、参加者たちは賞賛の声と惜しみない拍手を送った。
プログラムの最後には、恒例のドアプライズが行われた。当選者には、ラスベガスへの往復チケット、イタリアン・レストランのギフトカード、アンティークの食器などの景品を進呈。参加者全員に配られたチケットの当選ナンバーが発表される毎に、各テーブルから歓声と拍手が起こり、パーティの最後に華を添えた。人々の騒めきが覚めやらぬ中、主婦ソサエティーオブハワイのクリスマスパーティは華やかに幕引きを迎えた。
(取材・文 佐藤友紀)