Vol.1コンテンポラリー・ドローイング
ホノルル美術館に付属するホノルル・ミュージアム・オブ・アート・スクールでは、子供から大人まで、誰でも気軽に通えるアートクラスが通年開催されています。場所は、ホノルル美術館正面からベレタニア・ストリートを挟んだ左斜め向かい古い石造りで趣のある建物です。ドローイング、油絵、水彩画、ガラス工芸、陶芸、ジュエリー・メイキングなどさまざまなクラスが用意されており、興味のあるものを選んで通うことができます。 教えてくれるのは、大学でアートを専攻した人や、自らも作品を積極的に発表しているプロのアーティストたち。1クラスの生徒数は平均10人、多くても15人ほど。多くのクラスが週に1回の頻度で、朝9時から夜9時の間に1講義3時間で行われています。1タームは6回から12回ですが、日曜日や夏休みなどに1回だけ開催されるクラスもあります。このシリーズでは、そんな魅力いっぱいのホノルル美術館のアートクラスをご紹介していこうと思います。
第1回目の今回は、コンテンポラリー・ドローイングのクラスです。インストラクターは、画家のコスタ・クルンドジック先生。コスタ先生はセルビア系のフランス人で、生まれ故郷のパリでアートを学びました。ホノルル美術館で教える他、ハワイ大学マノア校でも教鞭をとっています。キリスト教の神話や映画にインスパイアされたというコスタ先生の作品は、ヨーロッパやメインランドを始めとした世界各国のギャラリーで展示されています。
コスタ先生のドローイング・クラスで必要なものは、鉛筆、消しゴムと画用紙のみ。ティーンエイジャーからシニアまで、さまざまな年代の生徒さんが参加しています。あまり絵を描いたことがないけれど興味があるという人から、趣味としてある程度は描けるという人まで、レベルも色々です。コスタ先生は、生徒全員に陰影やパースの付け方などの基本事項を説明したあと、用意された石膏のオブジェや人物の写真などを自由に描かせます。そして一人一人が描く様子を見て回り、その人のレベルに合ったアドバイスをしてくれます。同時に長所を多く指摘してくれるというコスタ先生の教え方は、技術を上げながら個性を伸ばせると生徒達の間で好評です。「描く時は、リラックスすることがとても大事。自由に楽しんで描くことで、自然にスキルが上がっていくのです」と先生は言います。
ドローイングにご興味のある方は、気軽にコスタ先生のクラスに参加してみてはいかがでしょうか?ホノルル・ミュージアム・オブ・アート・スクールでは、他の先生方による水彩画や油絵、イラスト、墨絵などのクラスも開催されています。詳細は右記ウェブサイトまでアクセスを。(取材・文 佐藤リン友紀)
Honolulu Museum of Art Classes
https://honolulumuseum.org/learn/classes
(日刊サン 2019.05.10)