このコラムでは、学校に通うお子さまを持つ親が、知っておくと便利なこと、ためになることをお伝えしていきます。第2回は「GE（Geographic exceptions）居住区以外の学校への進学申請について」です。　

ハワイの公立学校は学区制です。自分がお住まいの住所の地理的管轄の学校に通うことと法律で定められています。これを“ホームスクール”（※）といいます。しかし、行政により決められた通学区の公立学校へは行かずに別の学区の学校に行くことも認められています。これはGE（Geographic exceptions）とよばれ、日本の越境入学といった意味合いになります。通常とは異なる進路を希望するわけですから、独自の手続きが求められます。

※ホームスクール＝「学校へ通わずに自宅で学習する」ホームスクールとは別の意味になります。

GEをする方法

越境入学をするには、まず、その必要性を受け入れてもらう先の学校に認めてもらうことが第一前提です。申請がすべて認められるわけではなく、あくまでも、生徒の「就学に関する環境ための越境」であることが条件。認められるかどうかは、受け入れ先の学校（受け入れ校）の判断によります。生徒数に余裕がある場合はそのまま認められますが、定員を超えた場合は抽選になります。

いつまでに申請が必要？

申請は毎年、１月1日から３月１日までと決まっています。この期間を超えての申請は、転居以外は認められません。3月1日に申請が締め切られた後、まず以下の条件に当てはまる優先生徒の選考が終わり次第、そのほかの生徒の審査が始まり、3月15日をめどに各家庭に合否もしくは抽選となった旨が通知されます。応募者多数で抽選の場合は、4月上旬までに決定。各家庭に通知されます。受け入れ決定通知受領から2週間以内に手続きを完了する必要があります。 GEが求められた場合は、卒業するまで通うことができますが、エレメンタリーからミドルスクールに進む際にGEを希望する場合は申請が必要です。ミドルスクールからハイスクールも同様です。

GEが優先される場合とは

●Authorized Physical Residence 両親が離婚し、親権を持つ親と一緒に住んでいるが、親権を持たない親の住むエリアの学校に通学を希望する。

●Child of School Staff Member 受け入れ校職員の子どもで、その学校にGEを申請する場合。

●Sibling of a Child Attending Same School 兄弟がすでにGEにより通学している学校に、年下の兄弟がGEを申請する場合。

●Program of Study 自分の地域の学校に希望するプログラムがなく、そのプログラムがある学校に通いたい。（例えばスポーツや勉強で優秀な生徒が、自分の住む地域ではないそのスポーツの強い学校にGEを申請する）

自分の学区（ホームスクール）は こちらで検索

ハワイ教育局のスクールファインダー

http://apps.schoolsitelocator.com

以下のような申請でもGEが認められることがあります

●親の出勤時間が朝早く、遠い。送迎の関係での申請。職場に近いと送迎が容易である。

申請用紙は、ホームスクール、受け入れ校、または教育局のウェブサイトからダウンロードができます

GEは一つの学校ではなく、複数の学校に申請が可能。複数の受け入れ校からOKが出た場合は、自分でどの受け入れ校に進学するかを決めて、連絡します。もちろん進学を希望しない学校にも通わないことを伝えましょう。 どの学校がよいのか、については、なかなか情報を得にくいのが現状です。学校のランキングも毎年変動があります。お住まいの近隣の方々からの情報や、日本語補習校レインボー学園の同級生の保護者などからの情報共有も有益といえるでしょう。ハワイ州の公立校学校ランキングは、別の機会にお知らせいたします。

申し込み用紙GE Request Form (CHP 13-1) の ダウンロードはこちら

www.hawaiipublicschools.org/DOE%20Forms/Geographic%20Exception/GERequestForm.pdf　

協力/ ハワイ州教育局　Hawaii State Department of Education

http://www.hawaiipublicschools.org　　　 　　　

808-586-3230　[email protected]

（取材・文　鶴丸貴敏）

（日刊サン 2019.11.22）