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元フジテレビアナウンサー 中村江里子さん

Bynikkansan

9月 14, 2012

被災地復興のためにイベントに参加

2011年3月11日東北震災の日、私はパリにいました。私と主人はこの日が誕生日で、また2011年は彼にとっては40歳のになるという節目の年でもあったので、我が家で親しい友人たちを招いて食事会をすることになっていました。

 

いつもと同じように朝がスタートするはずが、起きた瞬間にラジオから聞こえてきたのは、フランス人のアナウンサーの切羽詰まった声。「ジャポン、ジャポン、津波だ、津波だ」と。これはただ事じゃないとすぐにテレビをつけました。

 

勿論、バースデーのことなんてすぐに忘れてしまいました。とにかく、一体何が起こったのか知りたい、家族や友人たちの安否が知りたいという想いと、涙で一日を終えました。

 

家族や友 人たちは無事で、心配でどうにかなりそうな私を誰もが元気付けてくれましたが、 親しい友人のこ家族や知り合いに被災地の方も多くいらして本当に心が痛みました。

 

自分ができることをやろう!とパリや日本で活動をしていますが、この夏、そこに『みんなの家プロジェクト』が加わりました。伊藤豊雄氏など5名の建築家の方々が震災によって家を失った人々に、心の安らぎとなる 「みんなの家」を設計されていて、その支援イベントに私も参加させて頂いています。

 

「Tポイントカード」を知っていますか? 今や日本の国民の1/3が持っていると言われていますが、スーパーや本屋、ガソリンスタンド等で何か買い物をするとポイントが貯められるというものです。

 

貯まったポイントは通常金券として使うのですが、実際に使っている人は少ないようです。そこでそのポイントを 「みんなの家」の建設費用にあてるために「みなさんのポイントをください」と呼びかける運動をしています。

 

震災から1年 半が経ちましたが、大勢の方々が寄付やボランティアなど一生懸命被災地のサポートをされてきて、正直なところちよっと息切れをしている感じがしますよね。

 

でもこの「Tポイント」は日々の生活の中でジュースー本買 ったらポイントが貯められて、それで家を建てるために役立つという企画なので、新たな支援のやり方なのかなと思っています。

 

私自 身も 「Tポイントカード」を持っていますが、ポイントを貯めてもそのままになっていましたし、ポイントを付けてもらうのも断っていたこともありました。でもそんな毎日の生活の中で無理なく貯めて、それが支援につながるのであれば誰もが出来ますよね。

 

 

改めてハワイの気候とキレイな海に感動

ハワイに来たのは今回で7回目 です。5 年振りですね。今回は彼の仕事の関係で来たのですが、パリからだとロスか日本を経由して、およそ24時間の空の旅になってしまうのです。

 

ほんとうに地球の裏側になるのですが、でもハワイはこんなに気候がいいので多くの方が来るのですね。7回のうち2回は仕事できております。それ以外は1度だけ家族全員で来た事があります。

 

毎回ただのんびり、朝もゆっくり朝食をたぺて散歩したりプールで泳いでいます。でも、今回は改めて気候の良さを実感しています。今年のパリはとてもお天気が悪く、寒くて、7月末にヒートテックを追ている方もいたほど。

 

逆に東京はとても蒸し暑く、熱中症予防のために、とにかく子供達には水分を取らせていました。

 

でもハワイに来たら日差しは強いけど日陰に入れば涼しくって朝晩窓を開ければ爽やかな自然の風が吹き抜けるし、夜もテラスで食事ができて何て気持ちがいいのだろうって思います。

 

だからみんなハワイが好きなんですね!!海の色もキレイ!!彼は遠くから見る海の色は作りものみたいだと。あまりにもクッキリとしていて本当に絵画のよう!!と言っておりました。

 

これだけビルや人が多いと、海はあまりキレイではないのでは?と思ってしまいますが、いや~本当に美しく、気持ちの良い場所です!! 

 

 

座右の銘

私自身は家族から常に人に感謝の心を持ちなさいと教わりました。「ありがとう」と 「ごめんなさい」がきちんと言える人でいなさいと。常に感謝の気持ちを持っていなさい、常に謙虚でいなさいと言われたのです。

 

やはり私たちは多くの方々に支えられているのですから、常に感謝の心を持ち、他の方達にも自分がされて嬉しかった事をする。ただ、謙虚でいるとフランスでは生きて行けないよ!とよく言われます(笑)。でも、いいんです。私は日本人だから日本人の良さは貫いて行きます!!

 

 

【出版物】

2012年3月6日、フランスで暮らす中での文化や価値観の違いについて綴った 「なんで?」をフランス語で出版。同年、中村江里子厳選55店の美食ガイド本「おいしいパリ散歩」を日本国内で出版。

 

【みんなの家プロジェクト】

みんなの家プロジェクトは東日本大震災被災地を受けて、建築家に何ができるのかを問うために、伊東豊雄、山本理顕、内藤廣、隈研吾、妹島和世の5名の建築家が「帰心の会」を結成。

 

10万人以上の人々が家を失い、無味乾燥な仮設住宅での厳しい暮らしが続く中、より人間的で居心地の良い場所を提供したいとの想いから、『みんなの家』プロジェクトを提唱。

 

『みんなの家』とは、

(l)家を失った人々が集まって語り合い、心の安らぎを得ることのできる共同の小屋、

(2)住む人と建てる人が一体となって つくる小屋、

(3) 利用する人々が復興を語り合う拠点となる場所である。

『みんなの家』第9号は2011年10月末に宮城県仙台市宮城野区内に完成、2012年5月には岩手県釜石市平田地区に2軒目が、6月には釜石市内商店街に3軒目が完成。岩手県陸前高田市にも建設が決定している。Tポ イントでは、東日本大震災により失われてしまった子どもたちが笑顔で遊ぶ『場』となる『子どものみんなの家』を宮城県東松島市に建設するためのTポイント募金を行っている。
詳しくは
http://tsitejp/r /cpn/tj2/bokin.html

取り組み期間: 2012年7月18日(水)~11 月30日(金)

 

 


中村江里子(なかむら えりこ)

本名エリコ ・バルト 1969年3月11日生まれ。東京都出身。 立教大学経済学部経済学科卒業。1991年フジテレビにアナ ウンサーとして入社し数々の人気番組に出演。1999年に退 社後、 2000年9月にフランス人のシャルル・エドワードバルト 氏と結婚。ー男二女の母である。現在はパリに在住しフリーラ ンスで仕事をしている。


 

 

(日刊サン 2012.09.14)