古き良き時代のハワイに生まれアートに目覚めた青年時代。
「僕は、1949年9月アイエア生まれ。63歳。 すぐそこに建っている『パリモミ・ホスピタ ル』の場所に、昔『プランテーション・ホスピ タル』という木造の病院があってね、僕の兄弟姉妹は全員そこで産まれたんだ。その頃 はまだショッピングセンターもなかったの で、僕らの家はすぐそこ、シアーズの場所に あった。
家は鉄板でできた『かまぼこ型ハウス』 で、全員そこで育ったよ。僕は、ワルボウズ。 三男坊のラスカルさ(笑)。一日中ファーム の中を駆け回って遊んだもの。思えば、とて もいい時代に育ったよね。子供の頃からい つもファームの手伝いはしていて、おばあち ゃんが僕に与えた仕事はアヒルの世話と 掃除だった。結構なハード・ ワークだった ょ。」
「高校に入る前から、アートに興味を持ち 始めていてね。そんな目で世界を見ていた。 カレッジに入ってアートの授業を受けると 夢中になり、熱心にクラスを取ったものだょ。はじめは、コロラドにあるユニバーシテ ィー・オブ・デンバーヘ入学し、2年後にはUHにトランスファーして、彫刻を学んだ。
ハワイに戻って来てからは特に、精神的な 師となるような恩師たちに出会い、ブロン ズのキャストも出来たので、ますます創作 に没頭したよ。僕の創作物は、とても抽象的なデザインのものが多かったな。 1975年に5年かけてUHを卒業してから は、カーペンターになったんだ。彫刻では食べていくのが難しいと思ったのでね……。
僕のアートに関するフラストレーションは、ほんの一握りの裕福な人達だけが経済的に成功できて、多くの人たちは、アートだけではとても生活が支えられないということだった・・・・・・。 例えば、僕は彫刻に6ヶ月もの時間を費やすけれど、それでは結果、何も買う事ができない。そんな訳で、はじめはカーペンター の道を選んだんだ。」
ニューヨークで訪れた音楽への転機今はファームと音楽、どちらもディープに
「1978年にニューヨークヘ遊びに行った 時、大きな転機が訪れた。パンク・ミュージ ックのバンドをいろいろなクラブで見てね、 アートから音楽へ完全に興味が移ったんだ。 『テレビジョン』というバンドのライブを見たときに、ものすこ い興奮を覚えて……。『テレビジョン』が僕の精神的な師になっ た。
彼らの音楽、姿勢はとても正直で、コマ ーシャリズムを意識したものではなく、アーティスティックで……。僕は、パンク・ミュージックというものは、 とてもダウン・ トゥー・アースで、正直で、ユニークだと感じる。だから大好きなんだ。音楽をやり始めてみると、音楽ならもっと一 度にたくさんの人に届きやすい手段だとい うことが分かり、彫刻をやっていたときのジレンマから抜け出し、クリアになれたんだ。
それからは、ずっと一生この正直な音楽がやってみたいと思うようになった。ハワイに 帰って来たときには、僕はもうミュージシャ ンになっていて、すぐに仲間と、ハワイで最初のパンクロック・バンド『スクイッズ』を結成したんだ。バンドは5人編成、メンバーは 全員同じアティチ ュードを持った面々で………。
当時、ワイキキに『ウェイブ』とい うクラブがあってね、そこでプレイ していたよ。それ以来、未だにそれが僕が一番やりたいことで、今でも音楽活動を続けている。売れる音楽を作ってみたいとか、そんな風に 思ったことは一度もないんだ。現在 の僕らのパンドは『オリエンタル・ラブ・リング』つていうんだ(http://www.orientallovering.com) 。
これからも、もっと頻繁に ライブをやってみたいと思っているよ。日々の生活の中で最も喜びを感じる瞬間は、やはり音楽…..。音楽が、やはり自分自身のアイデンティティなんだ。最も大切にしているこ とは、いろんなレベルでクリエイテ イブに生きること。料理も大好きだけれど、音楽を演奏したり作っているときはとても自由に感じて、他の事はすべて忘れからっぽになるんだ。 あるステートに達するとチャネリングし ているような状態になってね、瞑想のよう に深い瞬間が訪れる……。頻繁ではないけれどね。はまってしまうともう……、やるに値するんだ(笑)。」
「僕の人生は、とても陰陽(イン·ヤン)なんだ……。ファームで仕事をしている時間は、陽。そして音楽は陰。ファームが昼で、音楽が夜で……。どちらもとてもディープに携わっている。そうやって区別を付けて、僕はバ ランスを取っているようだ。
バランスは、人生においてとても大切な ものだね。僕には今、ガール・フレンドのレ アがいてくれて、ファームも手伝ってくれて いるので、この頃はもっと自分の生活にも バランスが取れるようになったんだ。僕ら はソウルメイトなんだ。僕は乙女座で、彼 女は正反対の牡羊座。お互いにちょうど心 地よい組み合わせのよう。これも陰陽だね(笑)。」