日刊サンWEB

過去記事サイト

【インタビュー 輝く人】ハワイアンミュージシャン  ライアン・カマカケハウ・フェルナンデスさん

Bynikkansan

4月 26, 2014

フルタイムミュージシャンになる勇気の決断

フルタイムのプロミュージシャンになろうと決めたのは、マウイ島からオアフ島に引っ越してきた約6年前です。その前にももちろんマウイで音楽活動はしていましたが、精力的にはやっていませんでした。実のところ、マウイ島にいたときは、常に「与える」ばかりの人間でした。音楽活動をすればするほど、観客も無料でそれを楽しむことに慣れてしまって、また僕も「NO」と言えない人間なので、頼まれたらつい「OK」と言って、やってしまっていたんです。そこで、オアフ島に住む叔母が「こっちに来て、ちゃんと仕事しなさい!」と言ってくれたんです。僕は、家族のおかげでいつも地に足がついた考えでいられるんです。確かに、オアフ島は首都なので、ビジネスの島でもあり、露出する機会も増えます。更に多様な文化が織り混ざっていますよね。それに比べて、マウイ島は、のんびりとしていて、結婚式で訪れる島、または定年後に暮らすのにぴったりな島です(笑)もちろん、マウイ島が恋しいですよ。何よりもマウイの人々の人柄が恋しいです。

 

 こうして振り返った時に、まず自分の住んでいた場所で巣を作り、そこから冒険をしに巣立ち、探検をしてみて、自分の音楽が上達してきただけでなく、人間としても様々な経験をして成長していった時が、ちょうどオアフに移ってきた6年前なんです。そして、こっちにきて2年目にCDを作ることを決め、それまでに作曲した曲をまとめました。「リスクを背負うことを恐れるな!」って自分に言い聞かせました。正直言って、フルタイムミュージシャンになると肚を決めるのは、とても勇気がいりました。この業界には才能のある人はたくさんいますし、厳しい業界であることもわかっていましたから。特に、ハワイでは才能のあるミュージシャンでも、他に仕事をやりながら音楽活動している人がほとんどですからね。その中、音楽一本で今までやってこられて本当に幸運です。

 

 そして、昨年はその制作にかけた時間や全てのプロセスの想いを込めたデビューアルバムが、思いがけずホクハノハノ賞を受賞することができて、本当に光栄でした。また、ハワイアンミュージックコミュニティーに加わることができたのがとても嬉しいです。

 

 

日本に行って決意したこと、それは。。。

 更に、昨年は日本でもライブを行うことができたのですが、とても素晴らしい経験でした。違う国に行って、車の左座席に乗るという経験ができた時「なんてクールなんだ!」って思いました(笑)また料理の繊細さにも感動しました。僕は、食べることも好きで、うどんや様々な種類のお寿司を食べました。実は、母が僕にお箸の使い方の訓練をしたのですが、うまくできなくて使っていなかったんですけど、でも、日本に初めて行った時に「箸を使うぞ」って決意したんです(笑)どこへ行ってもできるだけお箸を使うように心がけました。おかげでまだぎこちないですが、ちょっとコツはつかみましたよ。ハワイに戻って来てからも、レストランでお箸がある場合はお箸を使うようにしています。これでいつでも日本に戻れます(笑)今年はまだ日本に行く予定はないのですが、5月25日にカカアコ・ウォーターフロントパークで開催されるウクレレピクニックには出演することが決まっています。

 

 

夢は、ホワイトハウスで オバマ大統領に演奏披露

 僕の夢は「愛」のメッセージを広めていくこと、僕自身が「愛」そのものの例となることです。スーパースターになることが僕のゴールではありません。僕はありのままの自分でいたいのです。僕の作品を通して、そういう機会があれば訪れると思っています。また、オバマ大統領が大統領職を辞める時、ホワイトハウスで演奏するのが僕の夢の一つでもあります。

 

 そして、僕が好きなハワイ語は、Hoʻomanawanui。「忍耐」という意味です。その言葉が、僕の胸にとても響いているんです。事実、自分が目指しているところにいくには、「忍耐」が必要ですからね。  最後に日刊サンの読者の皆さん、人生はやりたいと思えば色々なことができます。

 

その人生を楽しみましょう! アロハ!

 

 


ライアン・カマカケハウ・フェルナンデス

1985年アーカンソー州生まれ。生後6週間で養子縁組され、マウイ島ヴァレーアイルで育つ。キング•ケカウリケ•ハイスクール(全てハワイ語で授業を行う、ハワイアン・イマージョン・スクール)卒業。2003年リチャード・ホオピイ ファルセットコンテストで優勝。2012年第4回カニ・カ・ピラ・グリルタレントサーチで優勝。2013年デビューアルバム『Wahi Mahalo』が、第36回ナ・ホク・ハノハノ・アワードで、最優秀EP賞を受賞。

ホームページ  http://www.kamakakehau.com


 

 

(日刊サン 2014.04.26)