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美しい雪の名前 日本文化と雪

Bynikkansan

12月 22, 2018

ハワイでは、ハワイ島のマウナケア山やマウイ島のハレアカラ山の山頂付近に雪が降ることがありますが、平地で雪を見る機会はありません。冬になると日本の雪景色に思いを馳せるという方や、この冬、メインランドでスキーを楽しむという方、日本の雪景色を背景にした温泉へ行くという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

ハワイの山の雪、メインランドの雪、日本の雪など、同じ雪でも場所によって降り方や積もり方、そこに住む人々の雪の捉え方などは違ってきます。今回のエキストラ特集では、日本のさまざまな雪の呼び名や、伝統的な雪の利用方法である氷室や、伝統行事のかまくら祭りなどをご紹介したいと思います。

 

 

雪の呼び名いろいろ

沫雪(あわゆき)

降っても泡のようにすぐに消える雪。泡雪、淡雪とも書きます。

 

風花(かざばな)

雪が積もっている所から風に乗って飛んでくる雪。または、晴れた日に風に吹かれながらチラチラと降る雪。

 

堅雪(かたゆき)

日中に一度溶けかかった雪が、夜間の寒さでまた凍りつき堅くなった雪。

 

凍雪(こおりゆき)

固まって氷のようになった雪。氷板とも呼ばれます。状態によって小凍雪(こごおりゆき)、硬凍雪(かたごおりゆき)と分けて呼ばれることもあります。

 

粉雪(こなゆき)

粉のようにサラサラとした雪。北海道や山間部など寒い地域に多く降ります。小米雪(こごめゆき)とも言います。

 

小締雪(こじまりゆき)

積もって数日経った雪。結晶が壊れてしまっています。

 

粗目雪(ざらめゆき)

日中に融け、夜になってまた固まる等を繰り返してできたザラメ糖のような粗い雪。粒の大きさによって小粒雪(こざらめゆき)、大粒雪(おおざらめゆき)と分けて呼ばれることも。

 

撓雪(しおりゆき)

雪の重みで木や枝をたゆませる雪。

 

垂り雪(しずりゆき)

屋根や枝から落ちる雪。

 

霜粗目雪(しもざらめゆき)

ラメ雪の中に霜ができた状態。霜が小さいと「小霜粗目雪」と呼ばれます。

 

締雪(しまりゆき)

こしまり雪がさらにしまった雪。スコップが刺さらないくらい固くなっています。雪国では、状態によって硬締雪(かたしまりゆき)、潤締雪(ぬれしまりゆき)と呼ぶことも。

 

新雪(しんせつ)

積もりたての雪。結晶の形がまだ残っているのが特徴。

 

玉雪(たまゆき)

丸い球のような形で降る雪。雪の季節の始めや終わりに多く見られます。

 

粒雪(つぶゆき)

粉雪に対し、粒になって降る雪。

 

どか雪

短時間に一気に積もる雪。

 

友待つ雪(ともまつゆき)

次の雪が降るまで溶けずに残っている雪。

 

灰雪(はいゆき)

灰が舞うようにひらひらと振り落ちる雪。やや厚みがあるため、太陽に当たると陰影ができ、グレーの影ができます。一般に最も多く降る雪の状態です。

 

衾雪(ふすまゆき)

一面に降り積もった雪。

 

吹雪(ふぶき)

強風に吹かれ、激しく降る雪。

 

牡丹雪(ぼたんゆき)

餅雪よりさらに融解し、気温が高い時に降りやすい雪です。水分が多く牡丹の花のように大きな雪片で降ることが名前の由来です。綿雪よりも一回り大きく、触り心地がべたっとしています。団子状に固まって降ることも。花びら雪、べた雪、ぼた雪とも呼ばれます。

 

斑雪(まだらゆき)

まばらに降る雪。またはまだらに積もった雪。はだれ雪とも言います。

 

松の雪(まつのゆき)

松の木に積もった雪。

 

水雪(みずゆき)

牡丹雪よりもさらに融解が進んでいて、水気の多い雪。霙(みぞれ)のこと

 

雪持(ゆきもち)

枝や葉に雪が積もっている様子。

 

綿雪(わたゆき)

ちぎった綿のように大きな雪片で、水分が多く、重い雪。降雪地帯の中でも温暖で多湿な地域に多く降ります。綿や餅のようにふわふわとしているため、餅雪とも呼ばれます。雪像や雪だるまなど形のあるものが作りやすい雪です。

 

綿帽子雪(わたぼうしゆき)

木などに積もり、綿帽子のように見える雪。

 

 

時期による呼び方の違い

去年の雪(こぞのゆき)

春になっても融けずに残っている雪。残雪のこと。

 

三白(さんぱく)

正月三が日に降る雪。

 

早雪(そうせつ)

例年の初雪よりも早い時期に降った雪。

 

太平雪(たびらゆき)

春に降る薄くて大きな雪。

 

名残雪(なごりゆき)

春近く、冬を名残惜しむように降る雪。

 

小締雪(こじまりゆき)

積もって数日経った雪。結晶が壊れてしまっています。

 

涅槃雪(ねはんゆき)

その冬最後に降った雪。終雪、忘れ雪、雪の果ても呼ばれます。

 

垂り雪(しずりゆき)

屋根や枝から落ちる雪。

 

初雪 (はつゆき)

その冬初めて降った雪。

 

根雪(ねゆき)

雪解けの時期になっても、積もったまま残っている雪。

 

初冠雪(はつかんせつ)

夏が終わった後、山に始めて積もった雪。

 

春の雪(はるのゆき)

春に降る雪。

 

雲雀殺(ひばりころし)

春、雲雀がさえずる季節に降る大雪のこと。

 

万年雪(まんねんゆき)

1年を通して融けない雪。富士山などの標高の高い山や、山岳地帯にあります。

 

雪消し雪(ゆきけしゆき)

雪の季節の終わり頃に降る雪。

 

MEMO

霰(あられ)と雹(ひょう)

霰とは直径5mm未満の氷の粒のこと。白い霰は「雪あられ」、半透明の霰は「氷あられ」と呼ばれます。雹は直径5mm以上の氷の塊です。