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日本の繊維、布の歴史と手ぬぐいの文化史

Bynikkansan

1月 13, 2018

赤系の地色が定番の柄

 

疋田文(ひったもん)鹿の胴体にある白い斑点模様をモチーフに描かれた「鹿の子斑(かのこまだら)」文様の別名です。昔、絞り染めの絞り部分が四角形で、角が東西南北になりながら布一面に並ぶ模様は「匹田」と呼ばれました。後に「疋田」という字になりました。
七宝つなぎこの柄は、輪が四方八方に広がっていくことから「しっぽう」と呼ばれるようになりました。また、輪で表された人との縁は七つの宝と同じ価値があるとされ、「七宝」の漢字があてられました。

 

緑系の地色が定番の柄

 

蕪(かぶ)

江戸時代、仕事場での頭領は「かぶ」と、商売で営業、専売の特権を持つ仲間は「株仲間」と呼ばれていたため、高評価の象徴とされています。

 

柳は初春になると真っ先に芽吹くため、生命復活の象徴とされています。正月には、豊作や繁栄を願い、柳の枝に丸い餅花を付けて飾ったり、柳の木で祝箸である「柳箸」が作られていました。また、古代中国では、魔除けとして使われていました。

 

唐草古典的な泥棒の風呂敷とほっかむりの柄として有名ですが、唐草の蔓は途切れなく長く続くことから「永遠に続く幸運」を象徴しています。
三益(みます)「ますますの活躍」のように、さらなる幸運や繁栄を象徴します。

 

紫系の地色が定番の柄

 

茄子ちらし物事を「成す」という意味があります。

 

手ぬぐいの洗濯方法

手ぬぐいに使われる染料は、水に浸すと色がにじむものがあります。はじめのうちは色落ちがあるので、たっぷりの水で手洗いをしましょう。洗剤やお湯を使うと、球液に色落ちしてしまうこともあるので注意が必要です。つけ置き洗いや、濡れたまま放置することは避けましょう。色移りの可能性があるので、単独洗いがおすすめです。

 

濡れた手ぬぐいはすぐに陰干ししましょう。手ぬぐいは乾きが早いのも特徴です。ハワイのような気候ならば、あっという間に乾いてしまいます。使い込むほど肌触りが柔らかく、色合いも落ち着いてきます。使い込んだ風合いは、自分になじんできた証拠。良質の手ぬぐいは、長く使うことができるのです。なお、未使用のまま長期間放置すると、染物の場合は染料が生地に染み込みすぎて痛み、破れることがあります。すぐに使わないときは、一度洗ってからしまいましょう。

 

(日刊サン 2018.01.13)