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日本の無形文化遺産

Bynikkansan

8月 10, 2019

2010年登録    組踊、結城紬

 

組踊:ユネスコ無形文化遺産登録記念公演 (2011年ドイツ・ケルン日本文化会館)

 

 

2011年登録    壬生の花田植、 佐陀神能

 

壬生の花田植え(広島県山県郡北広島町壬生)▶︎

 

 

2013年登録    那智の田楽

 

那智の田楽:文化庁ホームページより https://bunka.nii.ac.jp

 

2013年登録    和食

Shutterstock.com

 

和食は、自然を尊重する日本人の精神が体現されている社会的な慣習です。各地域や季節による新鮮で多種多様な食材や、食材の本来の味を尊重した調理方法、盛り付けには自然美や季節の移ろいを表すなど、世界でも稀に見る食文化として評価されています。

 

月毎の節句や、田植え、収穫祭などの年中行事との関わりも深いため、家族や地域内の人々の交流を促す役割も果たしています。無形文化遺産の保護措置として、食育活動、学校給食や地域の行事での郷土料理の提供、郷土料理や食文化に関するシンポジウムの開催などが各地で行われています。

 

 

2014年登録    和紙・日本の手漉和紙技術(石州半紙、本美濃紙、細川紙)

奈良時代から続く日本独自の製紙工程は、水槽の中で紙を漉く「流し漉き」という製法です。和紙の原料には、楮、みつまた、雁皮などがあります。ここでは、最も一般的な楮の製紙方法をご紹介しましょう。

 

 

1.刈り取り:11月末〜1月にかけて、楮をかり取ります。

 

2.蒸し:刈り取り後1週間以内の楮を同じ長さに切った後、甑(こしき)という蒸し器を被せ、3〜4時間蒸します。

 

3.皮剥:蒸した後、冷水をかけて皮を縮め、冷めないうちに幹から皮を剥ぎ取ります。剥ぎ取られた皮は「黒皮」と呼ばれます。

 

4.乾燥:取れた黒皮を天日で乾燥します。

 

5.川晒し:乾燥した黒皮の外皮を取り除きやすくするため、川の流水などに一昼夜晒します。冬の雪国では、雪に晒すこともあります。

 

6.手繰り(たくり):「タクリコ」というナイフ状の道具で外皮を剥ぎ取り、内皮を出します。この内皮は「白皮」と呼ばれます。剥ぎ取られた外皮は、質が落ちる「ハッサキ」と呼ばれる紙を作るのに使われます。

 

7.煮熟(しゃじゅく):白皮をソーダ灰に入れて3〜4時間煮詰めます。余分なものが取り除かれ、繊維が柔らかくなります。

 

8.川晒し・2回目:ソーダ灰を洗い流すため、川の流水などに一昼夜さらします。また、天日にさらされることによって繊維が白くなります。

 

9.ちり取り:繊維にある節、傷、汚れなどを手作業で取り除きます。

 

10.叩解(こうかい):「バイ」という樫の木の角棒で、繊維が細かくなるまで叩きほぐします。

 

11.攪拌(かくはん):綿のように細かくなった繊維を「舟」と呼ばれる水槽の中に入れます。そこに水とトロロ(つなぎ)を加え、櫛状の道具、馬鍬(ませ)で撹拌します。この作業は「ザブリ」と呼ばれ、ザブリが終わった繊維は舟水と呼ばれます。これらの工程で使う水は、カルシウムやマグネシウムの含有量が少ない軟水が適しています。

 

12.流し漉き:紙漉きの道具「スケタ」を動かしながら紙を漉きます。この作業で紙の厚さを調節します。

 

13.紙床(しと):漉き終わった紙は、紙床という台に寝かせます。間に空気が入らないように和紙を重ねていき、水切りのために一昼夜放置します。 

 

14.圧搾:紙床の紙に重石などで圧力をかけ、そのままの状態で一昼夜放置します。これでさらに水を切って、トロロの粘り気を取り除きます。

 

15.板張り:紙床から、圧搾を終えた紙を一枚ずつ剥がして、銀杏などの木板に張り付けます。木板に張り付けられた面が滑らかで光沢のある表になります。

 

16.天日乾燥:天日で乾燥することで紙はより白くなります。

 

17.検品:木版から剥がし、検品後に出荷します。

 

 

2016年登録    山・鉾・屋台行事

八戸三社大祭の山車行事、角館祭りのやま行事、土崎神明社祭の曳山行事、花輪祭の屋台行事、新庄まつりの山車行事、日立風流物、烏山の山あげ行事、鹿沼今宮神社祭の屋台行事、秩父祭の屋台行事と神楽、川越氷川祭の山車行事、佐原の山車行事、高岡御車山祭の御車山行事、魚津のタテモン行事、城端神明宮祭の曳山行事、青柏祭の曳山行事、高山祭の屋台行事,古川祭の起し太鼓・屋台行事,大垣祭のやま行事、尾張津島天王祭の車楽舟行事、知立の山車文楽とからくり、犬山祭の車山行事、亀崎潮干祭の山車行事、須成祭の車楽船行事と神葭流し、鳥出神社の鯨船行事、上野天神祭のダンジリ行事、桑名石取祭の祭車行事、長浜曳山祭の曳山行事、京都祇園祭の山鉾行事、博多祇園山笠行事、戸畑祇園大山笠行事、唐津くんちの曳山行事、八代妙見祭の神幸行事、日田祗園の曳山行事。

 

 

2018年登録    来訪神(仮面・仮装の神々)

 甑島のトシドン、男鹿のナマハゲ、能登のアマメハギ、宮古島のパーントゥ、遊佐の小正月行事、米川の水かぶり、見島のカセドリ、吉浜のスネカ、薩摩硫黄島のメンドン、悪石島のボゼ。

 

悪石島のボゼ  (鹿児島県:トカラ列島 悪石島)

 

 ボゼは、鹿児島県の悪石島に伝承する来訪神行事です。お盆の最終日の次の日、旧暦7月16日の夕方から行われます。この行事では、島の若者三人が赤土と墨で塗られた長い面を被り、椰子の木の一種であるビロウやツグの葉、シュロの皮などを全身に纏い、ボゼという異形のものに扮します。手には男根を模したボゼマラという杖を持ちます。  

 

三人のボゼは、墓地の隣にある広場で島の聖地とされるテラを出発し、島の古老の呼び出しと太鼓の音に導かれ、島民が集まって盆踊りをしている広場を訪れます。ボゼは人々を追い回し、ボゼマラの先端についた赤い泥水を擦りつけます。これには悪霊祓いのご利益があり、女性は子宝にも恵まれると言われています。この間は笑い声と叫び声が響き渡り、楽しくも騒然としたお祭り騒ぎになります。  

 

ボゼたちは10~15分間人々を追い回し、太鼓の音がゆったりとした六調のリズムに変わるのを合図に広場の中央に集まり、身体をゆするようにして踊り始めます。再び太鼓が合図を出すと、ボゼたちは再び人々を追い回しながら広場から走り去り、テラへ戻ります。そして若者たちの顔を覆っていたボゼの面は跡形もなく壊されます。ボゼが去った後の広場では、悪霊を祓われた人々が盆踊りを踊り、宴を催して料理や酒を夜中まで楽しみます。

 

 

 

【参考URL】 

・文化遺産オンライン <https://bunka.nii.ac.jp> 

・文化庁「無形文化遺産」<http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/mukei_bunka_isan/>

・日本雅楽會 「雅楽とは」<http://www.nihongagakukai.gr.jp/about_gagaku/gagaku.html> 

・公益財団法人 文楽協会「文楽とは」<https://www.bunraku.or.jp/about/index.html>

・能登お楽しみガイド「民俗文化財探訪」<http://bunanomori.com/notohaku/folk-winter.html>

・京都女子大学 生活デザイン研究所「越後上布」<https://artsandculture.google.com/exhibit/swLSnyvC2Y6DIQ?hl=ja>

・画像出典 Pixabay、Wikipedia、文化庁、神奈川県三浦市 他

 

 

(日刊サン 2019.08.10)