日刊サンWEB

過去記事サイト

日本の寿司文化 

Bynikkansan

5月 25, 2019

さまざまな寿司の形

飯寿司(いずし)・ かぶら寿司

飯に麹を加え、塩漬けした魚などを発酵させたもの。金沢県の郷土料理。

 

 

 

稲荷寿司・助六寿司

稲荷信仰に登場する狐の好物、油揚げが「稲荷」と呼ばれたことから、油揚げを使った寿司を「稲荷寿司」と呼ぶようになりました。「狐寿司」と呼ぶ地方もあるようです。岐阜県あたりを境に、東は四角、西は三角と、地域によって形が分かれています。稲荷寿司と巻き寿司を詰め合せたものを助六寿司と呼びますが、これは歌舞伎の『助六』に登場する花魁の名前「揚巻」が由来です。

 

 

田舎寿司

山菜や漬物を使った高知県の郷土料理。柚子酢の酢飯に、筍、蒟蒻、茗荷、椎茸、ゼンマイ、ズイキ、イタドリ、白芋の茎の皮の塩漬け、柴漬けなどの山菜や漬物をのせたもの。

 

 

江戸前ちらし

酢飯の上に握り寿司の種を並べたもの。

 

大阪寿司

江戸前の握り寿司に対し、木型を使った箱寿司を指す言葉。タネは昆布じめの鯛、酢締めの鯖、茹で海老、焼き穴子、玉子焼きなど。飯は昆布ダシを加えて炊き、寿司酢には塩と砂糖が混ぜられます。

 

押し寿司

酢飯と具を重ね、上から押した早寿司。江戸時代の握り寿司の原型です。大阪の鯖寿司、京都の鯖の棒寿司、富山の鱒寿司、鳥取の吾左衛門寿司、広島の角寿司、山口の岩国寿司、長崎の大村寿司、神奈川の鰺の押し寿司、秋刀魚寿司などがあります。

 

 

柿の葉寿司

柿の葉で巻いた寿司。奈良県、和歌山県、石川県、鳥取県などの郷土料理です。塩漬けした柿の葉で、鯖、鮭、小鯛、穴子などのタネと酢飯を発酵させて作ります。昔は塩を付けた鯖だけを発酵させた鮨でした。

 

 

生ずし(きずし)

鯖や小鯛を酢締めにしたもので、魚のみで作られます。東日本では「しめ鯖」「春子の酢締め」などと呼ばれます。

 

酒寿司

寿司桶に塩と酒を合わせた飯と、烏賊、海老、錦糸卵などのネタを交互に詰めていき、蓋をして数時間重しをしたもの。鹿児島県の郷土料理。

 

 

笹巻き寿司

押して固めた一口大の早寿司を笹の葉で巻いたもの。保存性が重要だった昔の寿司の名残りで、タネや酢飯に強く酢を効かせて作ります。鱒寿司で有名な富山県の郷土料理。

 

鯖寿司

長方形に固めた酢飯の上に塩鯖の半身をのせ、巻き簾や布巾で形を整えた後、出汁昆布などで全体を包み、竹皮で包んだもの。西日本で多く見られます。

 

 

島寿司

東京都の伊豆諸島や小笠原諸島、沖縄県の大東諸島の郷土料理。タネは島で捕れる魚を醤油漬けにしたもの。昔、島では手に入りにくかった山葵の代用として、唐辛子や洋芥子が使われます。

 

 

伊達巻寿司

伊達巻の中に、高野豆腐、おぼろ、椎茸、干瓢などのタネと酢飯を巻き込んだ寿司。

 

 

ちらし寿司

細かく切った椎茸、野菜、干瓢の甘煮、酢蓮根、海老、穴子などのタネを酢飯に混ぜ込み、錦糸卵、イクラ、紅生姜、サヤエンドウなどで飾りつけたもの。関西ではごもくずし、かやくずしとも言います。

 

 

茶巾寿司

五目酢飯を薄焼き卵で包んだもの。大正時代、伏見宮家で行われた茶会のために、宮家御膳所包丁人の小原義太郎が考案しました。

 

 

手巻き寿司

手を使って飯とタネを海苔で巻く寿司。昭和46年、「築地玉壽司」が考案したと言われています。

 

 

手毬寿司

酢飯にタネをのせてラップなどで包み、手毬のように丸めた早寿司。握り寿司のような技術を必要としないため、家庭でも手軽に作ることができます。

 

 

どどめせ

炊き込みご飯に酢を加えて調味したもの。鎌倉時代、酢酸発酵した濁酒で作られた炊き込みご飯が起源。岡山県備前福岡の郷土料理。

 

 

熟鮓

塩を付けた魚に炊いた飯を混ぜ、長期間保存して乳酸発酵させたもの。飯粒の原形が残っていないことが多く、塩辛のような保存食です。滋賀の鮒寿司、和歌山の鮎寿司、秋田のハタハタ寿司などがあります。 握り寿司 酢飯の塊にタネを載せ、両手で握って双方を馴染ませた寿司。飯とタネの間に山葵を入れることも。「1貫、2貫…」という数え方は、バブル期のグルメブームの際に生まれたと言われています。

 

 

温ずし(ぬくずし)

関西から中国地方で、主に冬に出される温かいばら寿司のこと。どんぶりに盛り付けてから蓋をして蒸籠で蒸すものと、一人前の蒸籠に盛り付けてから蒸すものがあります。

 

 

バッテラ

酢締めにした鯖を酢飯にのせ、白板昆布を重ねた押し寿司。バッテラの語源は、ポルトガル語で小舟を意味する「bateira(バテイラ)」。押し寿司の木枠用具が舟形だったため、バッテラという名前が付いたと言われています。

 

 

ばら寿司

酢飯に干瓢などを混ぜて錦糸玉子をのせ、その上にさまざまなネタを大きめに切ってのせたもの。岡山県の郷土料理。 太巻き祭り寿司 切ると金太郎飴のように模様が楽しめる太巻き寿司のこと。鰯を追って北上した紀州の漁師の弁当「めはりずし」がルーツという説もあります。九十九里地方を中心とした千葉県の郷土料理。

 

巻き寿司・巻き物・海苔巻き

簾の上に海苔を広げ、酢飯とタネをのせて巻いた寿司。太さによって「細巻」「中巻」「太巻」と呼ばれます。江戸時代には、江戸でポピュラーだった干瓢の細巻きが海苔巻きと呼ばれていました。昔は細巻きがなかった関西では、太巻きに巻き寿司という呼び名が使われます。高野豆腐、椎茸の煮しめ、焼き穴子などが多く使われます。

 

 

鮒寿司

鮒寿司には2種類あります。1つは鮒を使った滋賀県名産の熟鮓。もう1つは鮒の甘露煮を酢飯にのせたもので、こちらは長野県の佐久地域の郷土料理です。

 

 

松前寿司

北前船で大阪まで運ばれてきた北海道産の昆布を使い、鯖の棒鮨を巻いたもの。

 

めはり寿司

味付けした酢飯、または普通の飯を高菜の浅漬けの葉で巻いたもの。奈良県、和歌山県、三重県熊野地方の郷土料理。