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奈良時代から続く春の楽しみ 桜と花見の歴史

Bynikkansan

3月 26, 2018

 

世界の桜と花見

 

●台湾

台湾にも桜の花見の習慣があります。温暖な気候のため、見頃は1月下旬から4月頃までと長い上、台湾山桜やチシマザクラ、ソメイヨシノなど、様々な品種の桜が花を咲かせます。

 

●アメリカ

○ニューヨーク市……ブルックリン植物園内に日本から贈られた桜の遊歩道があります。

○ワシントンD.C.……毎年、ポトマック河畔で「全米桜祭り」が開催されています。

○ジョージア州メイコン……毎年3月初旬から10日間「国際桜祭り」が開かれ、約20万本のソメイヨシノが満開の中、500以上のイベントが催されます。

○ハワイ州ワイメア……ハワイ島のワイメアでは、毎年2月初旬に「ワイメア桜祭り」が催されます。沖縄の日系人が植樹した濃い紅色の緋寒桜が楽しめます。

 

●ブラジル

首都サンパウロのカルモ公園には、日系移民が植樹した桜の木々があり、その数は約4000本に昇ります。サンパウロは南半球のため、桜の見頃の8月初旬に桜祭りが開催されますが、七夕祭りが重なる時期のため、満開の桜の枝に願い事を書いた七夕の短冊を飾るという独自の習慣があります。

 

●フィンランド

首都ヘルシンキのロイフブオリ桜公園には約150本の桜の木があり、毎年花見大会と日本文化祭が開催されています。

 

●イタリア、ポルトガル

イタリアのシチリア島やポルトガル各地では、桜の花の仲間、アーモンドの花を鑑賞する「アーモンド花祭り」が開かれています。​

アーモンドの花

 

日本人の心の花、あなたの故郷の桜は、どんな桜ですか?

 

 

桜を詠む

 

古くは万葉の時代から日本人に愛されてきた桜、 多くの和歌、短歌、俳句にうたわれ、日本人の美意識を育ててきました。

 

和歌・短歌

あをによし寧楽(奈良)の京都は咲く花のにほふがごとく今さかりなり***小野老(万葉集)

久方の光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ***紀友則(古今集)

願わくば花の下にて春死なむその如月の望月の頃***西行(山家集)

吹く風の誘ふものとは知りながら散りぬる花のしひて恋ひしき***よみ人知らず(後撰集)

清水へ祇園をよぎる桜月夜こよひ逢ふひとみなうつくしき***与謝野晶子(みだれ髪)

花も葉も光りしめらひわれの上に笑みかたむける山ざくら花***若山牧水

 

俳句

さまざまの こと思ひ出す 桜かな***松尾芭蕉

桜花 何が不足で ちりいそぐ***小林一茶

観音の 大悲の桜 咲きにけり***正岡子規

桜咲く 前より紅気 立ちこめて***山口誓子

 

(日刊サン 2018.03.24)