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奈良時代から続く春の楽しみ 桜と花見の歴史

Bynikkansan

3月 26, 2018

 

桜の種類や分布

 

【分布】

桜は、「バラ科・サクラ亜科・サクラ属」の落葉高木、または低木の樹木です。サクラ属は、サクラ、ウワミズザクラ、スモモ、モモ、ウメ、ニワウメの6つ亜属に分けられます。日本で一般的に鑑賞されている桜の木は、サクラ亜属に属しています。  桜の木は主に、北半球の温帯に広く分布しています。日本の桜のような観賞用の花が咲く種類は東アジアに分布し、日本列島はもちろん、中国、朝鮮半島にも多くの種類が存在し、日本と共通する種類の桜もあります。中国内陸部やヒマラヤ地方には、ヒマラヤ桜などの種類が自生しています。ヨ-ロッパに自生する桜の木もありますが、その多くは「ミザクラ」というサクランボが採れる種類です。北米には「ウワミズザクラ」に近い種類や、常緑の種類など、日本の桜とは違う趣を持った桜の木が自生しています。

 

【開花の時期】

日本の一般的な桜は年に1度、春に咲きますが、十月桜のように、春と秋の年に2回咲く品種もあります。開花期も種類によって異なり、早春〜晩春までさまざまな時期があります。桜前線は、1月下旬に沖縄で開花するのを皮切りに、約5ヶ月かけて日本列島を北上していきます。開花期は標高差によっても時期が異なり、標高が100m上がるごとに2、3日遅くなります。

 

【樹形】

木の高さは、チシマザクラやミネザクラで高さ2m前後、エドヒガン、オオシマザクラ、ヤマザクラで高さ20m以上と、品種によってさまざまに異なります。枝は斜め上に伸びるものが多い一方、垂れながら成長するシダレザクラや、横に広がるソメイヨシノ、フゲンゾウ、箒のようになるアマノガワ、タイザンフクンなど、特徴のあるものもあります。同じ種類でも、環境によって樹形が異なってきます。

 

日本に自生する桜

 

日本にはヤマザクラ、オオシマザクラなど9つの基本種に、変種を合わせると100種類以上の桜が自生しています。これらから作られた園芸品種は200種類以上に昇ります。園芸品種の花色は白から濃い紅色まで多くの色があり、花弁の数は5枚〜350枚、花弁の大きさも大小様々です。

 

江⼾彼岸(エドヒガン)

早咲きの桜で、長寿であることが特徴のため、名木や巨木として有名な桜は江戸彼岸であることが多いです。北海道以南に広く自生しています。枝垂桜(シダレザクラ)は、江戸彼岸の枝が下垂したものです。

 

◎大島桜(オオシマザクラ)

花の色は白に近いピンク色で、枝に若葉がついた状態で花を咲かせます。伊豆諸島と伊豆半島南部に自生します。葉を塩漬けにしたものが、桜餅を包む皮として使われています。

 

 

 

 

◎大山桜(オオヤマザクラ)

山桜と比較して、大きめの花や葉に濃いめの花の色が特徴です。本州中部以北に自生し、ベニヤマザクラ、エゾヤマザクラとも呼ばれます。

 

◎霞桜(カスミザクラ)

山桜に似た姿で、花や葉に細かい毛があります。北海道、本州、四国に分布し、ケヤマザクラとも呼ばれます。開花時期はヤマザクラよりも遅くなります。

 

◎高嶺桜(タカネザクラ)

小高木の桜で、5月初旬に開花します。北海道と本州中部以北の亜高山帯に分布し、ミネザクラとも呼ばれます。

 

◎丁子桜(チョウジザクラ)

花弁が小さく、がくの部分が太く長い「丁」の字の形をした花が特徴です。東北地方の太平洋側から中部地方までの低山地に分布します。

 

◎緋寒桜(ヒカンザクラ)

ハワイでも見かける緋寒桜は、中国南部、台湾、沖縄、⿅児島などに分布しています。濃い紅色の花を釣鐘のような形で咲かせます。

 

 

◎豆桜(マメザクラ)

1〜10メートルの低木にたくさんの小さな花を咲かせます。主に千葉県から静岡県周辺に自生します。フジザクラ、ハコネザクラとも呼ばれます。

 

 

 

◎深山桜(ミヤマザクラ)

花は白く、「総状花序」という、普通の桜とは違う咲き方をします。北海道に多く見られ、九州まで全国に分布しますが、南下するにつれて自生地が亜高山帯になっていきます。

 

 

◎山桜(ヤマザクラ)

古来から和歌などに詠まれ、親しまれてきた桜です。本州中部以南に自生し、シロヤマザクラとも呼ばれます。

 

 

 

Memo

日本の桜の代表とも言えるソメイヨシノは、エドヒガンとオオシマザクラの交配で生まれた園芸品種です。江戸末期から明治初期にかけ、江戸の染井村(現在の豊島区駒込)に集落を作っていた植木職人や造園師たちによって作られました。