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伝統的な ポリネシアのモチーフと トライバルタトゥー

Bynikkansan

4月 14, 2018

 

ポリネシアのトライバルタトゥー

 

【タヒチ】

タヒチ語でタトゥーを意味する「タタウ」は「タトゥー」の語源と言われています。古代のタヒチには、タタウが表す精神世界がありました。例えば、聖なる力「マナ」を持つ人は「タプ」と呼ばれ、マナを持たない人々に強い影響を与え過ぎるため、危険な存在とされていました。そのため、タプとされた部族の長や、新生児、生理中の女性などは、普通の人々とは接触できないよう隔離される習慣がありました。タプたちは、タパという布を身にまとってマナを封じ込め、自分の身を守りました。 また、タプでない人々は、タプのマナから身を守るためにタパを使いました。タヒチのタトゥー、タタウには、このタパと同じ役割がありました。肌にタタウを彫ることは、交流しても安全な人間であるということを表す手段のひとつだったのです。

 

【サモア】

ハワイを含んだポリネシアのトライバルタトゥーは、サモアとトンガが発祥と言われています。伝統的なサモア戦士のトライバルタトゥーはオオコウモリを意味する「ペア」と呼ばれ、腰から膝下までを覆うズボンのような形に施されます。女性の伝統的なタトゥーは、手と脚に幾何学模様を彫ったものでした。古代サモアでは、タトゥーは宗教儀式や戦争など社会的な出来事に大きな関わりがあっため、タトゥー彫りを生業とする一族が代々伝統を受け継いでいました。その一族のひとつであるスアルペ家は、現在もサモアでタトゥーの伝統を継承し続けています。タトゥーを施す針として、現在のサモアでは動物の骨が加工されたものが使われていますが、古代サモアでは人間の骨が使われていました。針状に加工した骨を鍬状の道具に取り付け、木槌で規則的に叩きながらタトゥーを掘ります。タトゥーの語源「タタウ」は、この叩く動作を表す言葉です。

 

【サモアのモチーフと意味】

♦サメの歯 ― 男性らしい強さ 

♦コウモリ ― 母なる自然

♦コウモリの集団 ― 理想の家族

♦太い黒帯 ― 父から受け継いだ強さ

♦チェック柄 ― 家族やコミュニティーからの承認

♦連続した三角形 ― 乗り越えるべき難しい出来事

♦槍先 ― 勇気

♦舟 ― 安全 

♦舟に備えた明かり ― 先見の明

♦鍵束 ― 財産を管理する立場の人

 

 

【マオリ】

ニュージーランドの原住民、マオリ族の伝統的なタトゥーを「モコ」と言います。顔面に彫られるもので、男性は、顔の中心に親族や属する集団を表すモチーフを、耳の近くに個人を表すモチーフを施します。モコは、苗字と名前のように個人を特定するだけでなく、敵か味方かをすぐに見分けるためのものでもありました。女性は、唇と顎にタトゥーを入れますが、顎のタトゥーは既婚であることを表します。

 

豆知識

マオリの釣り針

マオリ語で「マタウ」と呼ばれる釣り針は、幸運で安全な航海を象徴しています。古来、マオリ族は食料のほとんどを海に頼っていました。民族としての繁栄を維持するためには大量の食料が不可欠だったことから、マオリ族は「タンガ・ロア」と呼ばれる海の神に強い信仰心を持っていました。また、マオリ族の神話に登場するマウイは、祖母の顎の骨を削って作った魔法のフィッシュフックを使い、海底から大きな釣り針型をしたニュージーランド北島を釣り上げたとされています。

 

 

【ハワイのモチーフと意味】

イリマ

オアフ島の島花であるイエロー・イリマは、かつてのハワイ王国の国花でした。ハワイ王国では、王族や高貴な人々のみがイリマの花のレイを身につけることができました。ハワイの神話には、半神マウイが、巨大なウナギに襲われた妻のヒナを助けた際、ヒナはイリマの花で作ったレイを身につけ、マウイに感謝の気持ちを伝えたというエピソードがあります。このことから、イリマの花には「誰かを誇りに思う」という意味があるとされていました。

ウル

ウルは、パンの木を意味するハワイ語です。古代、ポリネシアンの人々がハワイに向けて航海に出る時、長旅を支える食料として、船に大量のパンの実が積み込まれました。このことから、ウルは新しいキャリアのスタートを意味し、オープニング・セレモニーや入学式などのモチーフに使われます。

 

ティキ

 

ポリネシアの神話で、ティキは地上で最初に生まれた人間とされており、ハワイでは守り神として古代から信仰されていました。ハワイでよく見かけるティキ像は「ハワイ四大神」と呼ばれる神々の像です。

ク:戦争を司る神

ロノ:農業と平和を司る神

カネ:日の光、森、水など生命の根源を司る神

カナロア:海を司る神

 

プルメリア

中南米、カリブ海原産のプルメリアがハワイに伝わったのは19世紀と言われています。ハワイでは、プルメリアは神が宿る花と言われており、気品、魅力、大事な人の幸せを象徴しています。また、5枚の花びら1枚ずつにAlohaの文字が当てはめられており、それぞれ次のような意味を持っています。 A ― アカハイ「優しさで表現される親切さ」

L ― ロカヒ「調和で表現される和合」

O ― オルオル「快さで表現される喜び」

H ― ハアハア「慎み深さで表現される謙虚さ」

A ― アホヌイ「忍耐で表現される我慢強さ」  

また、花を耳に挟んでおしゃれと香りを楽しむ習慣がありますが、右耳に挟んでいる人は未婚者、左耳に挟んでいる人は既婚者ということを表しています。

 

豆知識

Alohaが持つ意味

ハワイ語で、Aloは「御前に」、Haは「神の贈り物(命)」を意味します。Alohaという言葉には「神の御前にいるように、純粋、清潔に生きていきましょう」という誓いが込められています。

 

ホヌ(アオウミガメ)

ポリネシアの神話では、ホヌは神様の使いで、海を守り、幸運を運ぶ動物とされています。古代のハワイでは、アウマクア(先祖)が姿を変えた守り神とも言われていました。

 

マイレ

ツル性の植物、マイレは、絡まり合って伸びていくことから強い絆の象徴とされ、結婚式に使用されます。ハワイの神話の中に、フラの神・ラカにマイレのレイが捧げられたというエピソードがあり、古代ハワイでは、マイレには神が宿っていると信じられていました。

 

モンステラ

大きな緑の葉を茂らせるモンステラは、成長すると共に深い切れ込みや穴が出現します。古代のハワイアンたちは、モンステラの葉にできた穴から向こうを覗いてみると、未来を見ることができると信じていました。

 

ラウハラ

ラウハラは、ハワイ語でハラと呼ばれるタコノキ科の植物の葉です。ハラはパイナップルのような実をつけます。葉はラウハラ編みに使われる他、「始まり」「万物の終わり」という意味があることから、入学式、卒業式、お葬式などのモチーフに使われます。

 

レフア

レフアは、火の女神・ペレの象徴です。ハワイの神話では、レフアはオヒアという若者に愛された女性として登場します。それを知ったペレはレフアに嫉妬し、レフアからオヒアを遠ざけようと、オヒアを木にしてしまいます。レフアは悲しみますが、その様子を見て同情したペレの弟は、レフアをオヒアの木に咲く赤い花にしてあげました。オヒアの木に咲くレフアの花を摘むと、オヒアが涙を流すので雨が降ると言われています。

 

その他、状態を象徴するシンボル

順応性:タコ、ウナギ、サメ、カヌー 愛情:2枚貝、カモメ

先祖:イプ(ひょうたん)、アウマクア(個人の守り神)

覚醒:コル(わらび)

均衡:釣り針

美:ハイビスカス、エイ、ティアレの花

超越:波

誕生:イプ

恵み:ティーリーブス、カヴァ

大胆さ:槍の先

絆:イルカ、組紐、ピコルア(∞の形のツイスト)

 

伝統柄を施したフラの衣装

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マオリの伝統衣装

 

»»»ハワイアンキルト«««

キルトとは布の端切れを使ったパッチワークのことで、イギリスが起源と言われています。ハワイアンキルトは、大きな一枚布を八つに折って切るため、パターンは左右対称の幾何学模様になります。ハワイでは端切れを使う習慣がなかったため、ハワイアンキルトの柄は比較的大きめになったと言われています。ヨーロッパやアメリカ本土で日用品として使われていたキルトに対し、ハワイアンキルトは工芸品として発展しました。

 

 

»»»パラカ«««

パラカとは「チェック柄」を意味するハワイ語です。日本の絣を思わせるパラカは、ハワイの日系移民たちに好まれ、よくシャツに仕立てて着られていました。これは今日のアロハシャツの起源と言われています。

 

(日刊サン 2018.04.14)