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ハワイの 海洋生物

Bynikkansan

12月 8, 2018

その他の海洋生物

アオウミガメ Green Sea Turtle

カメ目 ウミガメ科 アオウミガメ属 ハワイ諸島が誕生したのは500万年〜50万年前ですが、アオウミガメはそのずっと以前、1億年以上前からハワイ周辺に生息しています。多くは北西ハワイ諸島で産卵しますが、主要なハワイの島々で産卵するアオウミガメも増えてきているのだとか。

 

ハワイ諸島を含めた太平洋、インド洋、大西洋に広く分布し、日本では小笠原諸島で産卵することが知られています。成長したアオウミガメの甲羅の長さは約90cm。頭、背中、脚の色は濃い緑色から黒で、腹甲は白から黄色です。卵は直径4〜5cm程度の丸い形で、卓球のボールに似ています。孵化した直後の甲羅の長さは5cm程度です。

 

ハワイ語ではホヌと呼ばれ、古代ハワイでは先祖が化身した守護者「アウマクア」と考えられていました。

 

 

 

ハワイモンクアザラシ Hawaiian Monk Seal

ネコ目(食肉目) アザラシ科 モンクアザラシ属 ハワイモンクアザラシは、世界で最も絶滅の危機に瀕している海洋哺乳動物の1つ。生息数は約1,100匹と推定されています。群れる習性はなく、通常は単体で行動します。約30年の一生うち3分の2を海で過ごし、一度沖合へ狩りに出ると、陸へは数日間から数週間戻って来ません。

 

海に潜り、魚、エビなどの甲殻類、イカなどの軟体動物を捕食します。最長20分、最深460mの深さまで潜ることができます。大半は北西ハワイ諸島の低地の島々に生息しており、全体の約15%が主要なハワイの島近辺、特にカウアイ島、オアフ島、モロカイ島の沿岸や海岸に棲んでいます。ハワイ語ではイリオホロイカウアウアと言います。

 

 

 

ザトウクジラ Humpback Whale

クジラ目 ナガスクジラ科 ザトウクジラ属 成体の体長は11〜14m、体重は約30t。ザトウクジラの名前は、背びれや背中のこぶが琵琶を担いだ座頭に似ていることからと言われています。英語のHumpback Whale(せむしの鯨)は、背中にあるこぶの形が由来。地域毎に集団を作って移動しますが、集団間ではあまり交流がありません。

 

世界中の海に広く分布し、夏は南・北極周辺で捕食をし、冬は赤道付近の温かい海域まで移動して出産、繁殖、子育てをします。そして春になると、子どもを連れて南・北極周辺へ移動するという回遊生活を送ります。毎年冬期、ハワイ諸島ではアラスカから1ヶ月の旅を経て訪れるザトウクジラの群れが見られます。

 

メスは温暖なハワイの海の浅瀬で出産するために、オスたちは繁殖のためにその後を追いかけてきます。ザトウクジラはハワイ諸島の至る所で見られますが、特にマウイ島、ラナイ島、カホオラウェ島に囲まれた海域で見ることができ、マウイ島では、ブリーチングと呼ばれるジャンプをしたり、潮を吹いたりするザトウクジラが海岸や高台から確認できます。

 

ホエール・ウォッチングのベストシーズンは1~3月。シュノーケリングやダイビングでは、水中から伝わってくるザトウクジラたちの複雑で変化に富んだ楽器の様な声を聞けるかもしれません。ちなみに声を出すのはオスのみ。その理由はよく分かっていません。他のオスに向けて、繁殖に協力・競争しようと伝えているという説もあります。

 

 

 

ハシナガイルカ Spinner Dolphin

クジラ目 マイルカ科 スジイルカ属 ハシナガイルカは、世界中の熱帯の海の遠洋に棲んでいます。数頭から時に数千頭の群で行動します。英語ではSpinner Dolphin(回転イルカ)と呼ばれますが、これはスピンしながらジャンプをすることが由来です。体色は灰色で、のどや背中、尾びれ周辺はより濃い灰色になっています。

 

お腹の部分は薄い灰色か白。体長は130〜230cm、体重は30〜90kgと個体によって差があります。ハワイのハシナガイルカは、夜になると沖の方で餌を獲り始めます。昼間は沿岸の砂底で休んでいることが多く、時折呼吸のために浮上します。

 

 

サンゴ Coral

サンゴは「刺胞動物門、花虫網」に属する動物で、同じカテゴリーにクラゲやイソギンチャクなどが含まれます。ハワイのサンゴ礁は、ハワイ諸島を中心に2000km以上に渡る広い範囲に分布し、アメリカ国内に生息するサンゴの約85%を占めています。サンゴといえば赤やピンク色のものが思い浮かびますが、ハワイのサンゴの色は鮮やかではなく、白や薄緑、薄茶などが一般的です。これは、ハワイにある火山島が地質学上、比較的新しいことが理由と言われています。

 

ハワイ近海で見られる主なサンゴ

(画像出典:eorhawaii.org)

 

ブランチング・カリフラワー・コーラル Branching Cauliflower Coral

その名の通り、カリフラワーのような形をしています。色は薄い緑か白色が多く、死骸のかけらがビーチでよく見られます。

 

 

ポークチョップ・コーラル Pork Chop Coral

やや褐色のベージュ色で、動物の肋骨を思わせる形のサンゴが海底から生える様に密集しています。

 

 

マウンディング・コーラル Mounding Coral

色は薄黄や薄緑で、全体に泡のようにも見える丸い突起があります。海底の岩などに張り付くように生息しています。

 

 

フィンガー・コーラル Finger Coral

親指のような形の白いサンゴで、全体に小さな穴が密集しています。海底に広がる様にして生息している様は、ムーミンに出てくる「ニョロニョロ」を連想させます。

 

 

レッドライス・コーラル Red Rice Coral

白や薄い赤褐色の米粒様の突起があり、ウニのようにも見える個体が密集して生息しています。同じ形で青っぽいブルーライス・コーラルというサンゴもあります。

 

 

 

水生無脊椎動物 Aquatic Invertebrates

水生無脊椎動物とは、タコ、カニ、エビ、ウニ、巻き貝など、背骨や脊椎を持たない水生の動物のことを言います。ハワイ諸島に棲むもののうち、約20%が固有種。サンゴ礁や潮溜まりに生息し、その多くは夜行性です。代表的なものに、岩がちな海岸付近に生息している宝貝で、ハワイアン音楽の楽器にも使われるハワイアン・タイガー・コウリーや、紫色の縁取りが美しいポロウス・コウリーなどがあります。

 


ハワイの海洋生物が鑑賞できる場所

ワイキキ水族館

ハワイの海を中心とした熱帯太平洋の海洋生物3,000種類以上が飼育されています。

開館:毎日 午前9時〜午後4時半 

入館料:大人$12 12歳以下・65歳以上$5 3歳以下無料

2777 Kalakaua Ave 

waikikiaquarium.org

 

 

シーライフパーク

ハワイ最大のマリンパークで、ウミガメに触ったり、エイ、サメ、イルカと泳げるプログラムなどがあります。

開館:毎日 午前9時半〜午後4時 

入館料:$39.99〜 41-202 Kalanianaole Hwy #7 Waimanalo 

sealifeparkhawaii.com

 

 

マウイ・オーシャン・センター(マウイ島)

ハワイ近海に棲む海洋生物60種類以上が展示されています。アトラクションや観察ツアーなども充実。

開館:毎日 午前9時〜午後5時 

入館料:大人$29.95 12歳以下 $19.95 65歳以上$26.95

192 Maalaea Rd Wailuku 

mauioceancenter.com


 

 

(日刊サン 2018.12.08)