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「平成」を振り返る 前編

Bynikkansan

4月 13, 2019

平成31年4月1日に発表された新元号「令和」の時代の訪れが、間近に迫っています。日本史上稀に見る生前退位ということで、新元号発案の準備に十分な期間が持たれ、昭和末期には天皇の崩御を予測するとして不敬とされた新元号予想もネット上で繰り広げられました。31年4ヶ月続いた平成時代も、あと2週間半で終わりを迎えます。今回のエキストラ特集では、「『平成』を振り返る・前編」として、時系列をたどりながら平成元年から15年までの出来事や流行したものなどを振り返ってみたいと思います。

 

平成元年(1989年)

主な出来事

●NHKが衛星第1・第2テレビの放送を開始 ●3%の消費税施行 ●冷戦終結  ●ベルリンの壁崩壊 ●37ヶ月連続で経済拡大し、バブル景気が加速  ●ソウル・オリンピック開催 ●仙台市が日本で11番目の政令指定都市に ●歌手の美空ひばりさん死去 ●漫画家の手塚治虫さん死去

 

流行したもの

●イタリアンファッション ●ロングフレアスカート ●渋カジ ●濃く太い眉 ●エスニック系のファッションやフード ●ラルフローレン ●ソバージュヘア

 

新語・流行語

「Xデー」:元々は作戦予定日を指す軍事用語。この年、天皇が崩御する日がXデーと言われた、新語のように扱われた。「起こることが確定的で、いつ起こるか予測が難しい重大事件が起こる日」を指す言葉として今も使われる。

「5時から男」:タレントの高田純次さんが出演した「グロンサン」のCMが由来の言葉。終業時間の5時になると元気になるサラリーマンのこと。

「三高」:高学歴、高収入、高身長と三拍子揃った男性のこと。若い女性たちの理想の結婚相手に。 ●「ツーショット」:男女が2人だけで仲間を離れて話をすること。

「DODA/デューダ(する)」:転職情報誌『DODA』が元になり、転職することが「デューダする」と表現された。

「24時間戦えますか」:サラリーマンを演じる時任三郎さんが話題になった栄養ドリンク「リゲイン」のCMで使われていたフレーズ。

「NOと言える日本」:ソニー創業者の一人で同社の会長だった盛田昭夫さんと政治家で作家の石原慎太郎さんが共同執筆し、ベストセラーになった書籍のタイトル。

 

 

平成2年(1990年)

主な出来事

●礼宮文仁親王が川嶋紀子さんと結婚 ●株の大暴落でバブル経済の崩壊始まる ●第1回「大学入試センター試験」実施 ●ローリング・ストーンズ初来日公演 ●ポール・マッカートニー初来日公演 ●東西ドイツ統一

 

流行したもの

●任天堂のゲーム機「スーパーファミコン」  ●ダウンジャケット ●チノパン ●ピーコート  ●フィッシャーマンセーター

 

新語・流行語

「アッシーくん」:女性が車で送り迎えしてもらうためだけにキープしている男性。

●「メッシーくん」:女性がランチやディナーをを奢ってもらうためだけにキープしている男性。

「イケイケ」:周囲を気にせず、勢いよく突き進む様子。

「おやじギャル」:パチンコ、競馬、ゴルフなど、中年男性がするようなことを好む女性。

「成田離婚」:新婚旅行からの帰りに成田空港で離婚を申し出ること。

「ボーダーレス」:境界や境目がないこと。

 

平成3年(1991年)

主な出来事

●雲仙普賢岳で火砕流が発生  ●丸の内から新宿に移転した新東京都庁舎が開庁 ●若貴ブーム ●SMAPがCDデビュー  ●港区芝浦に「ジュリアナ東京」がオープン ●欧州原子核研究機構のティム・バーナーズ・リーが世界初の World Wide Web(www.)サイトを開設

 

流行したもの

●エコロジー ● 紺ブレ (紺色で金ボタンが付いているブレザー)  ●キュロット ●ソフトスーツ ●ビンテージジーンズ  ●ベルボトムや厚底靴などの60年代ファション ●ラインストーンなどの「光りモノ」  ●ワンレン・ボディコン最盛期

 

新語・流行語

「チャネリング」:霊界と交信して彼らの言葉を語ること。「幸福の科学」教祖・大川隆法さんの著書などの影響で普及した。チャネリングを行う「チャネラー」も流行語に。

「バツイチ」:離婚経験者のこと。戸籍に大きな×印がつくことから。

 

平成4年(1992年)

主な出来事

●日本人宇宙飛行士、毛利衛さんが宇宙へ出発 ●ソニーがMD(ミニディスク)発売 ●バルセロナ・オリンピックで14歳の岩崎恭子さんが金メダル獲得 ●歌手の尾崎豊さん死去 ●漫画家の長谷川町子さん死去 ●チェッカーズ解散

 

流行したもの

●アニエスb.:フランスの服飾ブランド  ●カシオのデジタル腕時計「Gショック」 ●茶髪 ●バスケット・シューズ(バッシュ)  ●パラダイス・ギャル:略して「パラギャル」。LA風リゾート・カジュアルを 身に纏った「毎日がパラダイスのギャル」という意味。女性誌の『JJ』が発案

 

新語・流行語

「カード破産」

「きんさんぎんさん」:100歳の双子姉妹、成田きんさんと蟹江ぎんさんのこと。ダスキンのテレビCMに出演して一躍有名人に。「きんは100歳100歳、ぎんも100歳100歳。ダスキン呼ぶなら100番100番」の台詞も流行した。

「就職氷河期」:大卒の就職難が大きな社会問題に。

「ドタキャン」:土壇場でキャンセルすること。元々は芸能界の業界用語だった。

 

平成5年(1993年)

主な出来事

●皇太子徳仁親王が小和田雅子さんと結婚 ●Jリーグ開幕 ●レインボーブリッジ開通 ●横浜ランドマークタワー開業 ●アナウンサーの逸見政孝さん死去  ●曙が外国人力士で初の横綱に昇進

 

流行したもの

●形状記憶シャツ ●三つボタンスーツ  ●ロングタイトスカート

 

新語・流行語

「インターネット」:アメリカの大学や研究機関でコンピュータ・ネットが開始された。

「コギャル」:ミニスカート、ルーズソックス、ガングロ、茶髪がトレードマークの女子高生。元々は「高校生ギャル」を略した言葉だったが、のちにギャルデビューする前の女の子という意味で「子ギャル」に変化。渋谷のコギャルの奇抜なファッション、言葉使いは流行最先端としてもてはやされた。

「リストラ」:再構築という意味の「リストラクチャリング(Restructuring)」の略。勤め先からの解雇という意味で今も使われている。