表情筋をトレーニングすることで、お顔のリフトアップができるって、ご存知でしたか?毎日鏡で見る自分の顔ですが、シミや小じわなど、すぐに見つけられる部分はケアしやすいものの、皮膚の下の見えない筋肉には、なかなか意識が向かないですよね。話している時に表情をあまり出さない日本人は、特に表情筋が衰えやすいと言われています。
日本語を話す人の表情筋は全体の20%しか使われないのに対し、英語・ドイツ語を話す人の表情筋は80%が使われているという研究結果もあるのだそうです。身体の筋肉と同じように、表情筋も鍛えることによって強くなります。顔の皮膚と脂肪を支える筋力が増すことで、たるみが改善され、リフトアップ効果が期待できるのです。
今回は、顔のたるみ改善をテーマに、表情筋の構造や働きを説明しながら、気になる部分に合わせたトレーニング方法、トレーニングに合わせて行いたいマッサージ、たるみの改善を助ける食べ物などをご紹介したいと思います。New Yearまであと11日。表情筋トレーニングは、開始後数日から1週間で効果が現われる方もいます。2016年最後の新しいチャレンジで、ハリのある若々しい笑顔で2017年を迎えましょう☆
表情筋とは?
表情筋とは、顔面、頭部、頸部の一部にある筋肉・皮筋の総称です。主に顔面神経の支配を受けて顔の表情を司る他、目・鼻・口の開閉、飲む、食べる、話すなどの動作にも関わっています。自分の意思によって自由に動かせる随意筋ですが、他の身体の部分の随意筋(骨格筋)が骨と骨を結んで関節を動かすのに対し、表情筋(皮筋部)は皮膚に付着して細かい動きをするのが特徴です。
【表情筋の構造】
表情筋トレーニングを始める前に、主な表情筋の種類と名前、働きを把握してみましょう。(図)
(1)前頭筋(ぜんとうきん)……眉毛を引き上げる、おでこに横ジワを作る。
(2)側頭筋(そくとうきん)……深層筋の一つで、咬筋を支える。下あごを引き上げたり、後ろに引き下げる。リフトアップの要となる筋肉。
(3)眼輪筋(がんりんきん)……まぶたの開閉、涙の量の調節。
(4)小頬骨筋(しょうきょうこつきん)……口元を斜め上に引き上げる。
(5)大頬骨筋(だいきょうこつきん)……口角をこめかみに向かって引き上げる。
(6)咬筋(こうきん)…… 噛むための筋肉で、浅い部分と深い部分がある。深い部分は、骨について表情筋を支える深層筋。下あごを引き上げ、側頭筋と同様、リフトアップの要となる筋肉。
(7)頰筋(きょうきん)……口角を外側に引く。
(8)笑筋(しょうきん)……口角を横に引く。えくぼを作る。
(9)口角下制筋(こうかくかせいきん)……口角、上唇を引き下げる。
(10)下唇下制筋(かしんかせいきん)……下唇を引き下げたり、外側に引く。
(11)広頸筋(こうけいきん)……口角を引き下げる。首にしわを作る。
(12)皺眉筋(しゅうびきん)……眉間にしわを作る。
(13)鼻根筋(びこんきん)……眉間の皮膚を引き下げ、しわを作る。
(14)鼻筋(びきん)……鼻孔を狭める、鼻を下に引く。
(15)上唇挙筋(じょうしんきょきん)……鼻と上唇を引き上げる。
(16)口角挙筋(こうかくきょきん)……口角を上げる。
(17)口輪筋(こうりんきん)……口を閉じたり、尖らせる。
(18)オトガイ筋 ……あごのラインを引き上げる。
(19)顎舌骨筋(がくぜつこっきん)……舌を支える、舌を動かす、オトガイ筋と連携してあごのラインを引き上げる。
表情筋の衰え度 ◯✖️チェック
(1)上の歯をしっかりと見せて、口を大きく「い」の形にできる。
→ ×の場合、(7)頬筋が衰えている可能性あり。トレーニング(4)、(5)へ。
(2)テレビを見たり、ネットをしたりして気がつくと、口が半開きになっている。
→ ◯の場合、(6)咬筋、(17)口輪筋が衰えている可能性あり。トレーニング(3)、(5)へ。
(3)眉を片方ずつ上げることができる。
→ ×の場合、(3)眼輪筋が衰えている可能性あり。トレーニング(1)、(2)へ。
実践!表情筋トレーニング
それでは実際に、表情筋トレーニングを行って見ましょう。先の表情筋の図を参考にし、ご自分の顔を触ってどの部分の表情筋が鍛えられているかを把握しながらトレーニングすることをお勧めします。トレーニングの前にクリームなどでお肌を潤った状態にしましょう。
トレーニング①
目の下のたるみを改善! 主に鍛えられる表情筋:(2)側頭筋、(3)眼輪筋
【下まぶた開閉トレーニング】
①姿勢を正し、顔面と床が平行になるように頭を下げる。
②鼻の下を伸ばし、上唇を口の中にしまう感じで、口をギュッと閉じる。
③目線だけ前に向ける。
④下まぶたから閉まるイメージで、ゆっくりと目を閉じ、そのまま5秒キープ。
⑤目線は前に向けたまま、下まぶたから開くイメージで、ゆっくりと目を開ける。
*以上を1セットとし、1回につき5セットずつ、1日2回を目安に行ってみましょう。
トレーニング②
上まぶたのたるみを改善! 鍛えられる主な表情筋:(1)前頭筋、(3)眼輪筋
【目の開閉トレーニング】
①両目をゆっくり、ギュッと強く閉じ、そのまま5秒キープ。
②目を閉じたまま、眉をゆっくりとできるだけ上に引き上げる。そのまま5秒キープ。
③目をゆっくりと、できるだけ大きく見開き、そのまま5秒キープ。
④まぶたを緩め、元に戻す。
*以上を1セットとし、1回につき5セットずつ、1日2~3回を目安に行ってみましょう。
トレーニング③
ほうれい線を薄くして、二重アゴを改善!
鍛えられる主な表情筋 :(7)頬筋、(8)笑筋、(9)口角下制筋、(17)口輪筋、(18)オトガイ筋、(19)顎舌骨筋
【舌回しトレーニング】
①姿勢を正し、左の掌をおでこに当てる。
②口を閉じた状態で、歯の表面に舌を沿わせる。
③左回りに20回、舌をゆっくりとできるだけ強く回す。
④右の掌をおでこに当て、右回りに20回、舌をゆっくりとできるだけ強く回す。
*以上を1セットとし、1回につき2セットずつ、1日1~2回を目安に行ってみましょう。
トレーニング④
下がり気味の口角を上げる!
鍛えられる主な表情筋 :(4)小頬骨筋、(5)大頬骨筋、(7)頬筋、(8)笑筋、(9)口角下制筋、(15)上唇挙筋、(16)口角挙筋、(17)口輪筋
【つくり笑いトレーニング】
①上唇をめくり上げ、頬を引き上げるイメージで、口を少し開いて大きく笑顔を作る。そのまま5秒キープ。
②ゆっくりと元に戻す。
*以上を1セットとし、1回につき5セットずつ、1日2回を目安に行ってみましょう。
トレーニング⑤
ほおのたるみと二重アゴを改善!
その1【「あいう」トレーニング】
鍛えられる主な表情筋:(2)側頭筋、(4)小頬骨筋、(5)大頬骨筋、(6)咬筋、(7)頬筋、(8)笑筋、(9)口角下制筋、(16)口角挙筋、(17)口輪筋、(18)オトガイ筋、(19)顎舌骨筋
①口を「あ」の形にし、できるだけ大きく開ける。5~10秒キープ。
②口を「い」の形にし、できるだけ横に引く。5~10秒キープ。
③口を「う」の形にし、唇をできるだけ前に突き出す。5~10秒キープ。
*以上を1セットとし、1回につき10セットずつ、1日2~3回を目安に行ってみましょう。
その2【舌出しトレーニング】
鍛えられる主な表情筋:(2)側頭筋、(6)咬筋、(8)笑筋、(7)頬筋、(9)口角下制筋、(18)オトガイ筋、(19)顎舌骨筋
①姿勢を正し、右手のてのひらを左側の鎖骨に、左手のてのひらを右の鎖骨に当て
ます。
②そのまま、目線を上に向けます。天井と顔が平行になるようにします。
③舌を強くゆっくりと上に突き出し、左に動かします。
④右に動かします。
*以上を1セットとし、1回につき5セットずつ、1日に3回を目安に行ってみましょう。