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身体の中の水 その役割と健康効果

Bynikkansan

9月 17, 2019 , ,

飲料水や生活用水などとして、水は私たちの日常生活と密接に関わっています。特に生命活動を支えている飲料水は大切。1年中温暖な気候のハワイでは汗を多くかくため、水分補給は欠かせません。今回の健康特集では、身体の中での水の役割や性質、お勧めの水の飲み方や1日の量などをご紹介します。毎日摂取する水分と身体の関係を改めて考えてみましょう。

 

 

私たちの身体の半分以上は水

女性は約55%、男性は約60%

人間の身体の約50〜75%は水分です。性別や年齢で差があり、胎児は体重の約90%、新生児は約75%、子どもは約70%、成人では女性が約55%、男性が約60%、高齢者は50~55%と言われています。体内にある水分の約3分の2は、身体を構成する100兆個以上の細胞の内に存在し、残り3分の1は、細胞と細胞の間にある細胞間液と血液にあります。  

 

体の部位によっても含まれる水分量が異なります。成人では、脳、腸、腎臓、肝臓、筋肉などの臓器、組織の水分含有量は約80%、一方で脂肪組織(皮下組織)の水分含有率は約33%です。  

 

成長すると、身体に必要な脂肪がついてくるため、その分だけ水の割合が少なくなります。脂肪の多い女性の方が水分量が少なく、肥満体型の人は痩せている人よりも水分量が少ないのはこのためです。また、高齢者は加齢によって細胞の数が減るとともに細胞内の水分も低下するため、成人よりも水分量が少なくなります。

 

 

水の役割   

栄養分の運搬や体温調節

水分は、摂取された食べ物を胃や腸で吸収しやすい形に分解して栄養分を運びます。栄養分は血液やリンパ液に乗って細胞まで運ばれ、不要になった老廃物は尿として排泄されます。また、体温調節の役割もあります。  

 

また、水は体温調節の役割も果たしています。水は、ある物質1g当たりの温度を1℃高めための熱量「比熱」が高い物質で、温まりにくく冷めにくいという性質があります。水は簡単には温度変化をしないため、体温を一定に保つことができるのです。例えば、私たちは暑い場所にいると汗をかきますが、これは体温の上がり過ぎを防ぐため、暑さでたまった熱を放散しているのです。

 

 

1日に必要な水分量 1日1.5ℓを目標に

身体の中の水には、飲料水や食べ物から摂取される水と、体内で栄養素がエネルギーになるときに生成される代謝水があります。成人が1日に摂取する水と代謝される水の量は約2.4ℓ。飲料水から約1ℓ、食事から約1.1ℓ、代謝水は約0.3ℓになります。  

 

一方で、1日に排出される水分量は、尿や便、汗や皮膚からの蒸発、呼吸から出る水分などの「不感蒸泄」を合わせて約2.4ℓ。尿で約1.5ℓ、便で約0.1ℓ、呼吸で約0.3ℓ、発汗で約0.5ℓが排泄されます。  

 

1日に摂るべき水分量の目安は、約3ℓと言われていますが、通常、食事から30%、コーヒーやお茶などの飲物から80%が必要水分量が摂取できているので、そのほかの水分補給として1日1.5ℓの水分を意識的に摂るのが理想的です。

 

 

果物と野菜でも水分補給

水や飲み物を飲むだけでなく、水分の多い果物と野菜を食べて意識的に水分補給する方法もあります。ビタミン類、ミネラル分などの栄養も摂取できて一石二鳥です。  

 

レタス、きゅうり、白菜、トマト、セロリ、大根などは約95%が水分で、生でも食べられるのでお勧めです。果物では、イチゴ、スイカ、オレンジなどの柑橘類、梨などは約90%が水分です。特にスイカは、残り10%に糖分やカリウム、カルシウムなどのミネラル分が豊富に含まれているため、少しの食塩を加えると、スポーツドリンクと似たような成分になります。

 

 

お勧めの水分補給量とタイミング

1回にコップ1杯くらい、約150〜200mlを6~8回に分けて飲み、1日の必要量である約1.5ℓを摂取するようにしましょう。この数字は体格や体質によって前後しますので、目安としてお考えください。

 

①起床後  

起床後は、就寝中に皮膚や呼吸から水分を失うため、水分不足の状態になっています。血中のミネラル濃度も高く、サラサラの血液ではなくなっているため、喉が乾いたという自覚がなくても、起きたらまずコップ1杯の水を飲むとよいでしょう。

 

②通勤中や通勤後  

温暖な気候のハワイでは、特に徒歩での移動中は自覚しているより多くの汗をかいています。体重の2%の水分を失うと軽い脱水症状になり、動きや反応が鈍くなるなどの症状が出ることもあります。熱中症を防ぎ、仕事の能率を上げるためにも、通勤途中や職場に着いた後に適度な量の水分を補給しましょう。

 

③入浴やシャワーの後  

湯船につかった場合はもちろん、シャワーだけでも汗をかいています。入浴後にも水分補給をお勧めします。

 

④就寝前  

就寝前にもコップ一杯の水を飲みましょう。睡眠中の水分不足による血液中のミネラル濃度の上昇を抑えます。

 

 

MEMO

水分を身体の隅々まで運ぶ 「マイクロムーブメント」

意識的に体を動かすことで、摂取した水分をスムーズに筋肉や細胞へ運ぶことができると言われています。水分摂取と同時に「マイクロムーブメント」と呼ばれる動作を取り入れると、より効果的な水分補給が期待できると考えられています。その動作とは、首、肩、足首、腰などを回したり、眼球を回したりと、体を回転させる動きです。座りながらでもできる簡単な動作なので、ぜひ試してみてください。

 

 

水の話(1) 水素水 抗酸化作用に優れた水

ビタミンCの176倍、ポリフェノールの221倍、リコピンの160倍の抗酸化作用があると言われています。抗酸化作用とはさまざまな不調や病気、老化の原因と考えられている活性酸素を取り除く作用のことです。  

 

活性酸素は、人の体の細胞がエネルギーを生成する際に発生します。呼吸で体内に取り込まれた酸素は、98%が水素と結びついて水になり、残り2%は水素と結びつかずに活性酸素になると言われています。活性酸素は体に悪いものという印象がありますが、活性酸素には、身体に必要な善玉活性酸素と、身体に悪影響を及ぼす悪玉活性酸素の2種類がります。  

 

水素水の優れた点は、悪玉活性酸素のみと結びついて体外に排出してくれることです。水素の分子はとても小さいため、水素水を飲むと約20分で水素が身体の細胞の隅々にまで行きわたり、悪玉活性酸素を選択的に取り除いてくれます。