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色の心理効果 気分や場面に合わせて 上手に色を使う方法

Bynikkansan

1月 29, 2019

青 Blue

 

青色は副交感神経を刺激して脈拍や体温を下げて心身の興奮を鎮め、鎮静と抑制を促すと言われています。

 

●信頼感を与える

青には、爽やかさ、信頼感、誠実さを促す働きがあると言われ、多くの企業がロゴやホームページに取り入れています。特に白と組み合わせると、はっきりした青空や晴天の海を連想させ、より透明なイメージを与えることができます。

 

また、誠実さを感じさせるため、裁判の際、被告人は弁護士から青の服を着て出廷することを勧められることも多いのだそう。話す相手に信頼されたいときは、男性ならネクタイ、女性ならアイシャドウやネイルにブルーを取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

 

●食欲を抑制

飲食業界ではインテリアや食器などに青色使うことを避ける傾向があります。これは、青色が食べ物を不味く見せ、食欲を衰退させる働きがあるため。しかしこれを逆手にとって、過ぎた食欲を抑制し、ダイエットに活用することもできます。

 

 

●第5チャクラ「ヴィシュッダ」、第6チャクラ「アジナ」の色

青は喉仏の下、鎖骨と鎖骨の間にある第5チャクラの色です。ヴィシュッダには清めるという意味があります。表現力や理解力を司り、感情や思考を言葉で表すのを助けるチャクラです。また、濃い青色の紺色は第6チャクラの色。アジナには、命令するという意味があります。物事の本質を見極め、高度な思考力や決断力を司ります。

 

 

●集中力を高める

心身を落ち着かせる青は、集中力を促して冷静な判断力を高めます。ワードやインターネットの枠が青色なのは、この効果を取り入れるため。長時間の作業の際に取り入れてみましょう。

 

 

MEMO

青色の光で自殺者が減少

東京大学の研究グループが、列車への飛び込み自殺を防止する手段として首都圏の列車の駅ホームに用いられている青色LEDの効果に関する統計を分析しました。青色LEDの設置の有無と自殺者数のデータを比較分析した結果、ホームに青色LEDを設置した後は、自殺者数が平均して約84㌫も減少していたのだそう。青色の鎮静効果の高さがうかがえます。(参考:「青色灯設置により、列車への飛び込み自殺が減少」)


紫 Purple

紫は、古代から宗教の色や高貴な人々が身につける色として尊ばれてきました。深い瞑想に入りやすく、心の傷を癒して潜在能力を引き出すと言われています。

 

●心のバランスを整える

紫色は「活発さを促す赤」と「冷静さを促す青」の2色が混ざった色。この正反対の2色が混ざった色は、何かを決める際の是否で葛藤しているとき、活発さと冷静さ両方の性質をもって心のバランスを整えると考えられています。

 

 

●さりげない威圧感を与える

紫には上品で尊いイメージを与える効果があると考えられています。相手に自分の意見を柔らかく伝えたい時など、さりげない威圧感が欲しいときに取り入れるとよいでしょう。

 

 

●高貴さを表す色

昔、紫の染料はアッキガイ科の巻貝1000個から、わずか数グラムしか採れない分泌液から作られていました。希少でとても高価だったため、ヨーロッパでは王族や貴族の式服にのみ使用されるなど、権威の証でもありました。日本でも、飛鳥時代には冠位十二階における最上位「大徳」の色として使われるなど、高貴さを表す色でした。

 

 

●静寂さを演出

心のバランスを整える働きがあり、高貴なイメージのある紫色は、インテリアに取り入れることで、秩序や静寂さ、崇高さや尊厳などを空間演出することができます。

 

 

●第7チャクラ「サハスラーラ」の色

紫は、頭頂にある第7チャクラの色。サハスラーラには「千枚の花弁の蓮」という意味があります。統括した心身を宇宙や自然のエネルギーにつなげます。

 

 

MEMO

アッキガイ科のシリアップガイ

紀元前1600年頃、東地中海のフェニキア人たちが地中海産のシリアツブリガイを用いた染物業を始めました。紀元前1000年頃には特産物として輸出されるようになり、フェニキアの各都市に経済的な繁栄をもたらしました。ローマ帝国ではとても高価な染物としてもてはやされ、特権階級の人々がこぞって身につけたと言います。

 

 

ピンク Pink

軽い、柔らかい、温かいといったイメージのあるピンク色。女性ホルモンの分泌を促す働きがあるため、血行をよくしたり肌の健康を保つ効果があると言われています。

 

●甘みを刺激する色

ピンクは味覚を刺激し、甘いものを食べたい欲求を促すと言われています。甘いものがより美味しく感じる一方で、甘いものを食べ過ぎていると感じる時には避けたい色です。

 

 

●健康的な魅力を演出

ピンクのファッションや化粧は、健康的な印象を演出します。日本人の肌色とも相性がよいと言われています。

 


白 white

ウェディングドレスや白衣に使われる白は、見る人に純粋、清潔、神聖といったイメージを与えます。

 

●実際の重さよりも軽く感じる色

色彩心理学では、同じ重さ・大きさの荷物の場合、外装が黒い荷物と白い荷物では、白い荷物の方が、黒い荷物よりも半分近く軽く感じられるということが分かっています。そのため、宅配物の箱や引越しのダンボールなどに白が取り入れられていいます。新幹線や飛行機も、速さや軽さを演出するために白が使われています。また、服を買う際、疲れていると無意識に白いものを選ぶ傾向にあるのだそう。疲れやすい旅行の時など、荷物や服を白いものにしてみてはいかがでしょうか。

 

 

●実際よりも大きく、広く感じる色

膨張色の白は、物を実際の大きさよりも大きく見せる効果があります。部屋の壁に白を取り入れると、実際の広さよりも広く感じることができます。また、白い天井は実際より10cm高く見え、黒い天井は実際より20cm低く見えるのだそう。

 


黒 Black

黒は、見る人に威圧感や重厚感を感じさせます。

 

●実際の重さより重く感じる色

白の項でも述べましたが、黒は実際の重さよりも重く感じられる色。金庫が黒っぽいのは、「持って行けないくらい重い」というイメージを与えるためです。何かに高級感や重厚感を与えたい時にも活用されます。重さを感じさせるため、疲れているときや疲れそうな場面で黒い服を着るのは避け、白やパステル系のものを選ぶとよいでしょう。

 

 

●黒い服が与える心理的な影響

黒い服は、着る人に自信を持たせたり、周囲に強い意志を伝えるなどの効果があると言われています。また、実際よりも引き締まっているように見せてくれる効果も。余談ですが、碁石の黒い石は、見た目の大きさを揃えるため、白い石よりも少し大きく作られているのだとか。

 

 

 

(日刊サン 2019.01.29)