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脳の構造と働き

Bynikkansan

10月 16, 2018

頭痛の原因と予防法

 

ここでは、最も多い脳神経系疾患、頭痛の症状、原因、対処法、予防法について解説したいと思います。

 

2種類の頭痛 

頭痛には、①片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛の「一次性頭痛」、②脳や身体のどこかに原因や疾患があって起こる「二次性頭痛」の2種類があります。  ①は特に病気がないのに起こる慢性頭痛で、②は脳や身体に異変があることを知らせる警報型の頭痛です。脳に何らかの病気がある場合、頭にある痛みを感じる組織の圧迫、刺激、引っ張りなどで頭痛が起こります。二次性頭痛には、くも膜下出血や脳腫瘍などの可能性があり、麻痺が伴うこともあります。

 

一次性頭痛に最も多い片頭痛

【症状】  片頭痛は、こめかみの辺りがズキズキしたり、持続的に痛むことが特徴です。吐き気が伴うこともあり、こめかみの両側が痛むことも多くあります。片頭痛の頻度は月に1、2回が多いものの、連日、数ヶ月にもわたって続く慢性片頭痛もあります。 【原因】  強いストレスや不規則な生活などが引き金となり、痛みを感じる三叉神経から、痛みを作る物質が放出されます。その物質が血管に作用し、頭の血管を拡張、炎症することで、頭痛が起こります。仕事中などの緊張している時ではなく、帰宅後や休みの日など、ストレスから解放されてリラックスしている時に起こることが多いのも特徴です。

【対処法】

●暗く静かな場所で横になる。

●痛むところを冷やす―拡張した血管を収縮させます。

●眠る―短時間眠るだけでも楽になります。

●コーヒーや緑茶を飲む―カフェインの作用で痛みが軽減します。

●鎮痛薬を飲む―吐き気があるときは坐薬を使用。

●頭痛ハチマキをする―頭痛ハチマキを頭に巻くことで血管の拡張を抑え、痛みを軽減させます。

 

【予防法】

●適量の炭水化物を摂る―血糖値が低下すると頭痛が起こりやすくなるため、朝食は炭水化物を含めてしっかりと摂り、日中も適量の糖分、炭水化物を摂るようにしましょう。

●アルコールを避ける―アルコールは血管拡張作用があるため、片頭痛の原因となります。一番頭痛を起こしやすいのが赤ワインで、起こしにくいのが焼酎などの蒸留酒と言われています。

●寝過ぎと寝不足に注意する―このどちらも偏頭痛の原因になります。

●外出の際は周囲の環境に注意する―騒音や換気の悪さ、香水の匂い、暑さ、乾燥、日光などが片頭痛を起こすことがあります。

●サングラスをかける―日光も片頭痛の原因となります。青系のサングラスはかえって頭痛をひどくしますので、赤系のサングラスをかけるようにしましょう。

●湯船に入らない―身体が温まると、血管が拡張して片頭痛が起こることがあります。入浴時に片頭痛が起こりそうだと感じたら、湯船に入らず、シャワーで済ませましょう。

 

二次性頭痛

脳や身体のどこかに不調があって起こる二次性頭痛は、感染、外相、脳腫瘍、髄膜炎、自己免疫疾患など、いろいろな病気や症状が原因になり得ます。薬物の乱用で起こる頭痛も二次性頭痛の一種です。  

 

突然の激しい頭痛、今まで経験したことがない頭痛、いつもの頭痛と様子が異なる頭痛、頻度や強さが増していく頭痛、運動麻痺や呂律が回らなくなるといった症状、発熱、吐き気・嘔吐などを伴う頭痛は二次性頭痛の可能性があります。生命に関わる二次性頭痛もあり、その代表例に「くも膜下出血」があります。くも膜下出血の8割は脳動脈瘤破裂が原因で起こり、その頭痛は、突然、しかも今までに感じたこともないほどの激痛があるのが特徴で、よく「後頭部をハンマーで殴られたような痛み」と表現されます。  以上のような二次性頭痛が疑われる頭痛を感じた場合は、すぐに病院で受診しましょう。  

https://doctor.webmd.com/で、「Honolulu Neurological Surgeon」を検索すると、ホノルルの専門医が出てきます。

 

 

脳の話④ 水素水と脳の健康

【「血液脳関門」を通過し、脳の健康を守る】 血液脳関門とは、脳血管の内側を覆う血管内皮細胞で構成されているもので、全長600kmにも上る脳血管の壁を覆っています。血液脳関門は、脳血管と脳の間の物質の移動を選択的に制限し、脳血管から脳に有害な物質を入れないなどの働きがあります。血液脳関門を通過できるのは分子量が500以下の分子量が少ない物質や、関門をもとから通過できる性質の物質、脂溶性で細胞膜を通過できる物質で、それ以外のものは血管から脳へ入ることができません。  

 

血液脳関門を通れる物質は、頭痛薬の成分や、ブドウ糖、アミノ酸などの栄養素、ニコチンやアルコールなどで、あまり通れない物質は、たんぱく質、脂質、リン酸などです。分子量がとても少ない水素分子は、細胞壁や細胞膜を通過して細胞核まで入る事ができるため、全身に行き渡ることが知られており、この血液脳関門も通過することができます。そのため、水素水を飲むことで脳へ水素を行き渡らせて脳細胞の酸化を防ぎ、脳の健康を保ちながら脳神経疾患の予防ができると考えられています。

 

【強い悪玉活性酸素を無毒化】  水素水に含まれる水素分子は、最強の酸化力を持つ悪玉活性酸素「ヒドロキシルラジカル」と反応して、無毒化するという作用があります。  一方で、水素分子は善玉活性酸素には反応しないので、副作用の心配がありません。この作用により、脳神経系疾患では、脳梗塞、脳出血、認知症、てんかん、パーキンソン病、片頭痛の予防に効果があると考えられています。

 

【神経の保護】  また、千葉大学大学院医学研究院と九州大学生体防御医学研究所の共同研究グループは「水素水を飲むと胃の水素濃度が高くなり、胃から分泌されたグレリンというホルモンが血管を通って脳へ到達し、脳神経を保護する」という主旨の論文を発表しています。

 

参考: https://www.nature.com/articles/srep03273 Nature : Scientific Reports “Oral ‘hydrogen water’ induces neuroprotective ghrelin secretion in mice“

 

(日刊サン 2018.10.16)