●茎菜類 (けいさいるい)
茎が食用の野菜・ タマネギ、ニンニク、アスパラガス、ウド、タケノコなど
タマネギ
ヒガンバナ科ネギ属 原産地:中央アジア 英名:Onion
古代エジプトの玉ねぎ利用法
玉ねぎの栽培の歴史は、紀元前数千年に遡ります。古代エジプトでは、約5,000年前の壁画で玉ねぎが描かれているなど、古くから親しまれていたことが伺えます。さまざまな薬効のある薬として扱われたり、にんにくと共にピラミッドの建築現場の人々の報酬として与えられていたと言います。また、ミイラを作る際にもタマネギが使われ、腋の間に挟み込んだり、目のくぼみに詰め込んだり、包帯と皮膚の間に挟んだりなどしていました。古代エジプトでは、玉ねぎには死者に活力を与える魔力があると信じられていました。
炒めると甘くなる理由
スライスして生で食べると辛い玉ねぎですが、実は100グラムグラムにつき5〜7グラムと、イチゴと同じくらいの糖分が含まれています。生の玉ねぎを切ると組織が壊れ、含まれている硫黄化合物が辛味成分に変化して甘味を消してしまいます。この辛味成分は、炒めると揮発してなくなっていきます。しかし、糖分は揮発しにくい上、炒める過程で水分も蒸発していきます。そのため、炒めると甘くなるのです。長く炒めると糖分が変化してカラメルになる他、糖とアミノ酸が反応して「メラノイジン」という成分が作られ、あめ色になります。カラメルとメラノイジンには甘い香りがあるため、あめ色に炒めたものはさらに甘く感じられるようになります。辛味成分の一部は、加熱しても揮発せず「シクロアリイン」という成分に変化します。このシクロアリインと、タマネギに含まれるグルタミン酸が混ざると、旨味が出ます。これらの条件や成分が混ざり合い、タマネギ独特の複雑な甘味が生まれます。
美味しい玉ねぎの選び方
表面の茶色い皮が乾燥していて、片手で持った時に重みを感じるものを選びます。加えて、頭頂部と根の部分が小さく引き締まったものはさらに美味しいと言われています。
保存方法
ビニール袋などに入れ、切り口を下にして冷蔵庫で保存します。生で冷凍する場合、薄切りやみじん切りにしたものを密閉容器に入れて保存します。あめ色になるまで炒め、小分けしてラップなどで包み冷凍するという方法もあります。
ニンニク
ヒガンバナ科ネギ属 原産地:中央アジア 英名:Garlic
ビタミンB1の吸収率が高い
にんにくの強い匂いの元はアミノ酸の一種「アリイン」という物質です。このアリインは、刻んだりすり下ろしたりすると「アリシン」という別の物質に変化して強烈な匂いを出します。アリシンは、にんにくに含まれるビタミンB1と結合すると「アリチアミン」という物質に変わり、それによってビタミンB1が壊れにくくなります。アリチアミンが身体に吸収されると、ビタミンB1は分離して身体に吸収されます。ビタミンB1をそのまま摂取した場合は1回で約10mgしか身体に吸収されないのですが、アリシンと結合してアリチアミンに変化することで格段に吸収されやすくなると言います。ビタミンB1は疲労回復、食欲増進、強壮、抗酸化作用、抗菌、発がん性物質の抑制、血栓の予防などに効果が期待されます。
目的別の食べ方
にんにくは加工法や調理法によって成分や効果が変化します。効果ごとのお勧めの食べ方は以下の通り。
・強壮作用:はちみつ漬け、酢漬け、アルコール漬けにする。
・体温上昇
・強壮作用:茹でたものを潰して料理に使う。
・抗菌・殺菌作用:生のものをスライスして食べる。
・抗酸化作用・血栓予防・強壮作用:生のものを潰すかスライスし、油で炒める。
美味しいにんにくの選び方
結球が硬く、重みのあるものを選びましょう。
保存方法
そのまま冷蔵庫で保存します。芽止め処理をされていないものを長期間保存すると芽が出てくるため、早めに使いましょう。酢、醤油、オリーブオイルなどに漬け込み、冷蔵庫で保存しながら薬味や調味料として使うのもお勧めです。