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科学・哲学が融合した インドの伝統医学 アーユルヴェーダ

Bynikkansan

2月 26, 2019

3つのドーシャの特徴

ヴァータ (風、空)

ヴァータは風と空の元素に繋がっている

 

特徴  

風と空に支配されるヴァータは、動く、熱狂するという意味のサンスクリット語。その特徴を表すキーワードとして、冷たい、乾燥、軽い、変化、希薄、軽い、などが挙げられます。ヴァータが優勢な人は、エネルギッシュで、将来のことをよく考える傾向にあります。

 

ドーシャのバランスがよい時は、創造性に富み、決断力に優れています。バランスが崩れている時には、不安感や焦燥感にかられ、怒りっぽくなり、客観的な判断が難しくなります。ヴァータのエネルギー増大は大腸で起こり、消化器系に不調をもたらすと言われています。

 

 

食べ物  

クラッカーや生の葉物など、軽いものや乾燥したものの採りすぎに注意しましょう。ヴァータ型の人や、ヴァータを減らしたい人に推奨されているのは、豆腐、アーモンド、ズッキーニ、アボカド、卵など、どちらかというと重めでしっとりしている食べ物です。温かく、地に接していると感じられるシチューのような食べ物は、ヴァータの風と空のドーシャを鎮めてくれます。また食事をとる時は、静かな環境の中で、テレビやデバイスなどは見ずに食べましょう。

 

 

日常の行動  

ヴァータ型の人がドーシャのバランスをよくするためのキーワードは、暖かさ、規則正しさ、グラウンディング。ヨガの場合、興奮しがちが神経を沈めるため、ヨガニードラのように緩やかなヨガを行うことが勧められています。瞑想したり、周囲の音を聞きながら自然の中を歩いてもよいでしょう。寝る時間は午後10時以前、起きる時間は午前6時以前が理想です。

 

 

ピッタ (火、水)

ピッタは火と水の元素に繋がっている

 

特徴  

火と水に支配されるピッタ。その特徴を表すキーワードは、鋭い、熱い、流動的、酸っぱい、油っぽい、強い刺激など。中肉中背でそばかすがあり、食欲旺盛で、暑がりです。ピッタの人は自信があり、知的で野心家。怒りっぽい一面もあります。高い目標を掲げて達成したり、余裕のない状況下でも冷静な判断力を発揮します。

 

今現在のことをより多く考える傾向にあります。バランスが崩れてピッタが増大すると、激しやすくなったり、高慢、批判的になります。増大したピッタは、ほかの2つのドーシャよりも鎮静に時間がかかります。ピッタのエネルギー増大は小腸で起こり、代謝と消化に支障が出ると言われています。

 

 

食べ物  

ピッタ型の人や、ピッタを減らしたい人は、ピッタを増大させる辛いもの、コーヒー、アルコールを控えることが勧められています。暑い日の多いハワイでは、身体を冷やしてくれるものを意識的に摂るとよいでしょう。アロエジュースやミントの葉、ササゲ、ココナッツ、セロリ、グレープフルーツなどもピッタの熱を冷まし、気分を爽やかに保つと言われています。

 

 

日常の行動  

ピッタ型の人がバランスを取るためのキーワードは、冷たい、中庸、落ち着き。日常生活にこれらの要素を持つものを取り入れるとよいとされています。例えば、ピッタが増大してドーシャのバランスが崩れた時は、冷たい水で顔や手を洗ったり、冷水のシャワーを浴びるとよいでしょう。

 

就寝前の瞑想やヨガもお勧めです。ヨガでは、ポーズ7割、瞑想3割の割合が理想的で、特に前屈、後屈、うつ伏せ、ツイストのポーズが効果的と言われています。また、ピッタ型の人は特に、働き過ぎや暴力的な場面など、エネルギー過多な状態や場面を避けた方がよいと言われています。

 

 

カパ(水、土)

カパは水と土の元素に繋がっている

 

特徴  

水と土に支配されるカパの特徴を表すキーワードは、柔らかさ、湿気、粘り気、鈍さ、重さです。寛大で落ち着きがあり、聞き上手で、3つのドーシャの中で最も情愛が深い型。過去を中心にものを考えることが多いとされています。しかし、カパが増大してバランスが崩れてしまうと、独占欲、倦怠感といった粘着質で重い性質が現れてきます。

 

 

食べ物  

カパ型の人は、甘いもの、酸っぱいもの、塩味のもの、小麦、乳製品の摂りすぎに注意し、辛いもの、苦いもの、渋みのあるもので加熱したものを中心に食べるとよいでしょう。黒胡椒などの辛い香辛料、卵、豆類、ケール、オクラ、カリフラワー、プルーンなどがお勧めです。

 

日常の行動  

カパが増大し、バランスが崩れる原因として、暴飲暴食、運動不足、物質的なものへの執着などが挙げられます。カパの人がバランスを整えるには、定期的に激しい運動を行うとよいとされています。ヨガでは、後屈、側屈などの難しめのポーズを行うと停滞した感じが解消されます。

 

乾いたブラシで頭皮をマッサージしたり、昼寝を避け、早寝・早起きをすることで、カパ型の人のドーシャのバランスはよくなります。カパのエネルギーは肺、胃、胸部に集まり、増大するとこれらの部位に不調が現れると言われています。

 

 

 

自分のドーシャを調べてみよう

全ての人はヴァータ、ピッタ、カパの3つのドーシャを持っていますが、その割合は各人で異なります。  

 

次の各質問を読み、自分に当てはまる数字に丸をつけてみてください。5は「当てはまる」、4は「まあ当てはまる」、3は「どちらとも言えない」、2は「あまり当てはまらない」、1は「当てはまらない」になります。  

 

丸をつけた数字をドーシャごとに合計し、値が最も大きいドーシャが主な体質になります。異なるドーシャの合計値が同じ場合は、それらのドーシャの複合体質になります。

 

 

ヴァータ体質診断         

当てはまらない    1  2  3  4  5 当てはまる

1)痩せ型で、太りにくい。

2)どちらかというと色黒。

3)動作が素早い。活動的。

4)甘いもの、塩辛いもの、脂っぽい食べ物が好き。

5)髪の毛の量は平均的。

6)寒いよりも暖かい方が好き。

7)便秘気味。

8)寝付きは悪い方。

9)生活は不規則な方。

10)短期の記憶力がよい。

11)気が変わりやすい。

12)創造性がある。

13)色々なことに対して心配になりやすい。

14)早口でよく喋る。

15)常に新しいことを思いつき、落ち着きがない。 

 

合計

 

 

ピッタ体質診断

当てはまらない    1  2  3  4  5 当てはまる

1)暑さが苦手。

2)汗っかき。

3)食事を抜くのは苦痛。

4)髪の毛は細く、柔らかく、色は明るめ。

5)食欲は旺盛な方。

6)時々下痢をするが、便秘はあまりない。

7)飲み物は、温かいものより冷たいものが好き。

8) 睡眠時間は6〜8時間で、比較的よく眠れる。

9)顔は白いか、ピンクがかっている。

10)論理的に物事を考える。

11)几帳面。

12)意志が強く、頑固な方。

13)批判的になりやすい。

14)怒りやすい。

15)記憶力がよい。

 

合計 

 

 

カパ体質診断

当てはまらない    1  2  3  4  5 当てはまる

1)太りやすく痩せにくい。

2)体格はがっしりしていて幅広な方。

3)食事を抜くのは苦にならない。

4)鼻が詰まりがち。

5)眠りは深い方。

6)髪の毛の量は多くて脂っぽく、黒髪もしくはくせ毛。

7)顔色は青白い方。

8)汗をあまりかかない。

9)持久力がある。

10)寒くて湿気のある気候が苦手。

11)乾きもの、甘いもの、辛いものが好き。

12)話し方や動きはゆっくりな方。

13)覚えるのは遅いが、記憶力はよい。

14)穏やかな性格で、怒りにくい。

15)欲が深いか、独占欲が強い傾向がある。

16)物事に無頓着な方。

 

合計

 

 

 

<参考文献> 

ゴピ・ウォリアー/ハリッシュ・ヴァルマ/カレン・サリヴァン(2004)『アーユルヴェーダ』産調出版. 流水りんこ(2016)『流水りんこのアーユルヴェーダはすごいぞ~!』主婦と生活社.

 

 

(日刊サン 2019.02.26)