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特徴・効能を知って活用しよう! 生薬と漢方薬

Bynikkansan

3月 21, 2018

漢方薬

いくつかの生薬を、漢方医学の理論に基づいて組み合わせたものが漢方薬です。症状だけでなく、脈診や触診などで患者の体全体の傾向を見、「証(しょう)という治療指針を決めてから、その人の体質に合うものが処方されます。現在、日本で使われている製剤された漢方薬は、現代の技術を持って加工することで、生薬の薬効をより引き出し、服用、保存もしやすいように工夫されています。病院では、約150種類の漢方薬が処方されています。

 

【日本の漢方の歴史】 中国から伝来し、日本で発展

○古墳〜奈良時代(3世紀中頃〜8世紀末) 古墳時代から6世紀までは、朝鮮半島経由で日本に中国医学が伝わっていました。7世紀からは、遣隋使、遣唐使を通して、中国から直接伝わるようになりました。

○平安時代 (794〜) 遣唐使の廃止により、日本独自の医学研究が試みられた時代です。それまで伝わった中国医学を参考に、日本最古の医学書『医心方』(984年)が編纂されました。

○鎌倉~南北朝時代(1185〜) それまで宮廷医が行なっていた医療を禅僧が行うようになり、一般庶民も治療を受けられるようになりました。そのため、読みやすい仮名交じり文で医学書が記されたりしました。

○室町時代(1336〜) 当時の最先端医学だった「金元医学」が明から日本に伝わり、中国伝統医学の日本化が活発になりました。

○江戸時代(1603〜) 江戸時代中期、現在の日本漢方の始まりの「古方派」が現れました。以降、さまざまな方針や理論が提唱されながら、日本式の漢方が発展していきました。

○明治時代(1868〜) 1883年、国家試験に合格した者のみが医業開業の許可を得られるという「医師免許規則 が制定されました。医師免許規制に抵抗した漢医らが漢医継続願を出しましたが、1895年、国会において僅差で否決されました。

○大正時代 (1912~) 明治時代に衰退した漢方医学ですが、その後も一部の医師、薬剤師、薬種問屋などを通し、民間医療として存続しました。大正末期から昭和初期にかけ、漢方医学についての書籍が複数発行されるなどし、漢方医学が再び注目を集めるようになりました。

 

 

【漢方薬の名前】

「湯」「散」「丸」「加」など、漢方薬の名前に入る漢字から、その漢方薬が本来どのように処方されていたかを知ることができます。

名前の最後につく漢字

●湯:煎じた液を温かいうちに服用するもの。 例:葛根湯

●散:生薬を粉末にしてそのまま服用するもの。 例:当帰芍薬散、加味逍遙散

●丸:粉末状にした生薬に、蜂蜜などのつなぎを加えて丸めた丸薬。 例:六味丸

●膏:塗り薬。 例:紫雲膏

名前の途中に入る漢字

X「加」Y: 方剤Xに生薬Yを加えたもの。 例: 加味逍遙散

●X「去」Y: 方剤Xから生薬Yを除いたもの。 例: 桂枝去芍薬湯

●X「合」Y: 方剤Xと方剤Yを合わせたもの。 例:茯笭飲合半夏厚朴湯 (方剤:2種類以上の生薬を混ぜたもの。生薬:ここでは、 1種類〜数種類の生薬)

 

 

*服用の際は、医師の指示に従ってください。

(日刊サン 2018.03.20)