日本のチーズの歴史
飛鳥時代の「蘇」
西洋の食べ物というイメージの強いチーズですが、実は日本でも、古代からチーズが作られていました。飛鳥時代、乳院寮という宮内省の機関で作られていたのは「蘇」と呼ばれるチーズ。
『延喜式』には「牛乳1斗を煎じて蘇1升を得る」と記されています。牛乳を1/10にまで煮詰めるだけという製法で、発酵や熟成は行われなかったようです。大変に貴重なものだったため、神饌や薬として使われていました。
蘇を発酵させた「醍醐」
醍醐は蘇を発酵させて作られたものです。蘇よりも現代のチーズにより近く、その味はモンゴルの「シャルトス」という乳製品に似ているのだそうです。醍醐は奈良・平安時代、典薬寮の中の「乳牛院」という機関で作られていました。
鎌倉時代に入ると武家社会になり、牛は軍役や農耕を優先に利用されるようになり、蘇や醍醐の生産は廃れて行きました。
江戸時代に復活した「白牛酪」
江戸時代、八代将軍徳川吉宗(1684−1751)が治世をとっていた頃、3頭の乳牛がインドからの贈られました。牛は静岡県の嶺岡牧という牧場で飼育され、蘇と同じ製法で「白牛酪」という乳製品が作られました。
11代将軍徳川家斉(1773―1841)の時代には、オランダからチーズが輸入され始めました。明治時代に入ると、北海道のトラピスト修道院でチーズの製造が始まり、大正時代には工場も作られました。昭和7年にプロセスチーズの製造が始まったものの、当時の日本人には受け入れられず、普及しませんでした。
それから約40年後の昭和45年頃、チーズケーキが登場し、メディアで取り上げられて大ブームに。これをきっかけに、一般の人々へチーズが普及していきました。
<参考>Chowhound. Short History of Cheese and Milk in JAPAN, Retrieved March 13, 2019, from https://www.chowhound.com
カマンベールチーズの簡単レシピ
野菜とベーコンのカマンベールチーズ鍋
材料
白菜、キャベツ、トマト、エリンギ、カマンベールチーズ、ベーコン、ウインナー、塩、黒胡椒、コンソメの素 (野菜は何でもOK)
作り方
1)鍋に水とコンソメの素を入れ、沸騰させる。
2)白菜、エリンギ、ベーコン、ウィンナーを入れ、蓋をして中火で約3分煮る。
3)8等分に切ったトマトとカマンベールチーズを入れ、蓋をして中火で約3分煮る。
4)塩と黒胡椒で味を整える。
5)シメはご飯を入れてリゾットに。
<参考>
「キリン レシピノート」<https://recipe.kirin.co.jp/>(参照 2019-3-13)
「クックパッド」<https://cookpad.com>(参照 2019-3-13)
村山重信(2004)『チーズの楽しみ方BOOK』成美堂出版
焼きカマンベールチーズ根菜添え
材料
カマンベールチーズ、ジャガイモ、人参、大根、蓮根、ゴボウなどの根菜、ガーリックパウダーかガーリックチップ、オリーブオイル
作り方
1)根菜を洗い、皮付きのまま大きめの乱切りにする。
2) 1を耐熱皿に並べ、水少々を振ってからラップをし、レンジで加熱(加熱時間は根菜の量によって調整)
3)カマンベールチーズの上側の皮を削ぎ、ガーリックをのせる。
4) 3をオーブンに入れ、440℉で約3分焼く。
5)焼きあがったチーズにオリーブオイルをかける。
6)根菜とチーズを盛りつける。
(日刊サン 2019.03.19)