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暑い気候をしのぐ健康効果がいっぱい!日本の夏の食べ物

Bynikkansan

7月 16, 2019

西瓜(すいか)

100gあたり約37kcal

アフリカ原産の西瓜は、古代エジプトの壁画に描かれるなど、大昔から世界中で親しまれてきた果物です。中国では明代から既に健康によいことが言及されており、1578年に成立した中国の薬学書『本草綱目』には、西瓜には利尿作用などの薬効があると記されています。  

 

日本では、西瓜に塩をかけて食べることがありますが、これは味の調節だけでなく、暑い気候下で体調を整えるという目的があることをご存知でしょうか。西瓜は90%以上が水分で、残り10%に糖分やカリウム、カルシウムなどのミネラル分が含まれていますが、少しの食塩を加えると、スポーツドリンクと似たような成分になります。塩をかけた西瓜は、汗をかいて水分やミネラル分を失いがちなハワイの気候にぴったりの果物です。

 

シトルリン(100g中180mg)

注目したい西瓜の栄養分

【血流をよくし、疲労回復を促す】  

遊離アミノ酸の一種、シトルリンには血管を拡張する働きがあり、血流をよくしたり、運動時のパフォーマンスを向上する効果があります。全身の血流がよくなることで、脳の血流も促されて集中力や記憶力を高めたり、冷えやむくみを解消したり、動脈硬化を予防する効果もあると言われています。  

 

また、運動後や疲労時に生成される乳酸やアンモニアなどを除去し、エネルギーの生成を促する働きがあるため、疲労回復にも一役かうと言われています。この働きにより、成長ホルモンの分泌を促したり、筋肉を構成するたんぱく質の分解を抑え、合成を促進することなども期待されています。

 

【お肌の健康を保つ】  

シトルリンは、角質層の水分を保持し、お肌の潤いを保つ天然保湿因子NMF(natural moisturizing factor)の1つで、私たちの体内に元々ある成分です。シトルリンを摂取するとNMFが摂れるだけでなく、血流をよくする効果が新陳代謝を活発にして肌のターンオーバーを促進します。加えて抗酸化作用もあるシトルリンは、お肌の健康や保湿にいいことづくめの成分なのです。

 

 

Memo

皮や種も食用に

食べ終わった後の西瓜の皮や種、実は食用になることをご存知の方もいらっしゃるかと思います。西瓜は、皮や種の部分にも、ビタミンB群、銅、モリブデンなどの栄養素が多く含まれています。皮は薄切りにして漬け物やきんぴらに、種は天日干しにしたり、フライパンで炒めたりして、食べてみてはいかがでしょうか?

 

心太(ところてん)

主成分・天草….100gあたり約3kcal

約97%が水分の心太ですが、残り3%には食物繊維やミネラル分が含まれています。食物繊維は水分を吸収するため、食事の前に水分を摂りながら心太を食べることで満腹感が得られやすくなり、食べ過ぎを防ぐ効果が期待されます。食物繊維を含み、100gあたり約3kcalという超低カロリーの心太は、夏のダイエットにうってつけの食品です。

 

カリウム(100gあたり約2mg)

高血圧を予防、むくみの予防・解消  

カリウムは、人間の体内に約200gも存在すると言われています。その大部分は細胞内にあり、ナトリウムと相互作用しながら細胞の浸透圧や水分量を整える役割を担っています。その他、神経伝達の補助や、心臓や筋肉の機能調節、細胞内にある酵素の調節などの働きがあります。  

 

また、腎臓でナトリウムの再吸収を抑え、尿と一緒に排泄を促すため、高血圧を抑制する効果も期待できます。

 

マグネシウム(100gあたり約4mg)

骨や歯を構成、成人病を予防  

カルシウム、リンと共に骨や歯を作っています。成人の体内に20~30gあり、そのうちの50〜60%は骨に存在します。体内でマグネシウムが必要になると、カルシウムと同じように骨から離れて、神経を鎮めたり、血圧を維持するなどの働きを助けます。  

 

また、酵素の働きを助けて血圧、血糖値、体温を調整する働きがあるため、高血圧、高脂血、動脈硬化、糖尿病などの予防に効果が期待されています。

 

 

葛餅(くずもち)

主成分・葛粉….100gあたり89kcal

葛もちの主成分、葛粉(くずこ)の原料は、マメ科植物の葛(かんねんかずら)の根です。葛は日本の山などに自生し、どんなに荒れた土地でも繁殖していく生命力の強い植物。その根から作られる葛粉には、抗酸化作用や免疫力の調整を助けるフラボノイドやサポニンが含まれています。  

また、葛のでんぷんは、胃腸に負担をかけずに消化吸収されることから、夏バテなど、体調不良の際のエネルギー補給にも適しています。