炎症性色素沈着には、ケミカルピーリング
ニキビあと、虫刺されあとなどの、何かが炎症を起こして沈着したシミにはケミカルピーリングが有効です。一種の炎症性色素沈着です、これらのシミにはレーザーは適さず、ピーリングが有効です。
ピーリング剤という薬剤(一種の酸)を皮膚に塗って、表面の角質を取ります。2~4週間ごとに繰り返すことにより、肌の代謝を高め、メラニンが排泄されてシミが次第に薄くなっていきます。クリニックで行われるピーリングと、自宅で行うホームケアとがあります。ピーリング剤には以下のような種類があります。
◦AHA:α(Alpha) Hydroxy Acidの略で、主にグリコール酸(Glycolic Acid)のこと。ピーリング剤として最もよく使われる成分。ピーリング後、数日間は表面が乾燥して粉をふいたようになることがあります。
◦BHA:β(Beta)Hydroxy Acidの略で、主にサリチル酸(Salicylic Acid)のこと。油性の性質をもち、ピーリング後の乾燥をあまり起こさないため、最近注目されている成分です。毛穴に浸透しやすいので、毛穴の開きやニキビあとの改善にも有効。
どちらのピーリング剤の場合も、ピーリング後は、角質が取れて肌は透明感が出てすべすべになります。ただし、若干、肌がデリケートになるので、スクラブやレチノールなどの刺激の強いお手入れは控えて。紫外線対策をしっかりすることも大切です。
ピーリング Q&A
Q.危険はありますか?
A.昔は皮膚の深くまでピーリングする強い施術が行われており、あとが残るようなこともあったのですが、最近はそのようなことは行われません。ただし、皮膚に炎症がある状態でピーリングを受けると、強く反応してしまうことがあります。アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎(rosacea)などの慢性的な皮膚炎がある人は特に要注意。あらかじめ医師の診察を受けて、ピーリングが可能かみてもらいましょう。
Q.ピーリングすると肌が薄くなると聞きましたが本当ですか?
A.薄くなることはありません。ピーリング直後は角質が少し薄くなりますが、肌は再生するので、1~2週間ほどで元に戻ってきます。繰り返し行うことで、むしろ真皮のコラーゲンが増えて厚みが増してきます。
Q.痛みはありますか?
A.強いピーリングを行うと痛みがありますが、最近は痛くない程度のものが主流です。軽いピーリングを繰り返し行うことで、強く行った場合と同じような効果が得られることが分かってきたので、最近ではそのような流れになっています。
Q.どのようなシミに効きますか?
A.特に効くのは、ニキビあとなどがシミになった「炎症性色素沈着」です。肝斑にもある程度効きます。紫外線でできた老人性色素斑や、遺伝的なそばかすにはあまり効果は期待できません。
シミ対策は適切に
シミの種類と肌質によって、治療法は違ってきます。 間違った治療をすると、かえってシミが濃くなってしまうこともあります。白人よりも日本人の肌は、シミ治療が難しいのも事実です。シミができるとついあわててしまいますが、あせらず慎重に、自分の肌に合う治療を選びましょう。 レーザーを選択する場合は、一度に広範囲に照射せず、まず1センチくらい当てて試してみるというのも一つの安全な方法です。
次回は、美白のための正しいスキンケアについてお話しします。