コーヒー豆の種類
コーヒー豆は「コーヒーの木」の種子で、原産地は西アフリカです。コーヒー豆を焙煎し、粉砕して湯や水で抽出されたものが、私たちが飲んでいるコーヒーになります。コーヒーの果実から果肉と種皮を除いた焙煎前の豆は、生豆、グリーンコーヒーと呼ばれます。コーヒー豆は通常、生豆の状態で生産地から消費国に輸出された後、焙煎業者や販売業者、店などで焙煎され、販売されます。
収穫時期で分けられる生豆の種類
【ニュークロップ】生豆の収穫年度初日の10月1日以降に収穫されたもの。
【カレントクロップ】収穫年度初日から少し期間が経った時期に収穫されたもの。
【パーストクロップ】前年度に収穫されたもの。
【オールドビーンズ】前年度よりも前に収穫されたもの。
主なコーヒー豆の種類
【アラビカ種】エチオピア原産で、最初に消費されるようになったアラビア半島南部のイエメンにちなんでアラビカと名付けられました。主な栽培地は中南米とアフリカの一部で、世界のコーヒー豆の7~8割を占めています。
【ロブスタ種】コンゴ原産で、英語で「頑健」を意味するRobustが名前の由来です。ベルギーで品種開発された後、ジャワ島で生産されるようになりました。主な栽培地は東南アジアとアフリカの一部で、世界のコーヒー豆の2〜3割を占めます。インスタントコーヒーや安価なコーヒーの増量用、深煎りコーヒーなどに使用されます。
【リベリカ種】西アフリカ原産で、1876年、リベリアでヨーロッパ人によって発見されたことが名前の由来です。西アフリカで栽培されていますが、希少種で、世界の生産量における割合は1%未満となっています。
コーヒーの健康効果
★「クロロゲン酸」がもたらす効果
コーヒーの褐色や苦味の素であるクロロゲン酸は、コーヒーに含まれるポリフェノールの一種です。
【脂肪を燃焼】 糖質を分解する酵素の活動を阻害する働きがあるため、糖質の吸収を緩やかにし、脂肪の燃焼を促します。
【糖尿病予防】 2010年にUCCが行った研究では、食後にコーヒーを飲むことで、高血糖が抑えられ、糖尿病の予防につながるということが分かっています。
【アンチエイジング】 抗酸化作用により、シミやシワなどを防ぎます。
★「カフェイン」がもたらす効果
【記憶力UP】 ボルチモアのジョンズ・ホプキンス大学が発表した研究では「コーヒー1杯を飲んだ後、24時間は記憶力が向上する」という結果が発表されています。
【鎮痛効果】 イリノイ大学で行われた実験では、30分間の激しい運動をする1時間前にコーヒーを2、3杯飲むと、筋肉の痛みが緩和されるということが分かっています。
【精神の安定】 ハーバード大学の公衆衛生大学院の調査では、1日2〜4杯コーヒーを飲む人は、飲まない人よりも自殺率が50%低いという結果が出ました。カフェインが抗鬱効果を発揮しているためと考えられています。
【筋力の低下を緩やかにする】 イギリスのコヴェントリー大学で行われた動物実験で、カフェインには「加齢による筋力の低下を緩やかにする作用がある」ということが分かりました。
★クロロゲン酸とカフェインの相乗効果
【がんのリスクを下げる】 国立がんセンター予防研究グループの研究で、1日にコーヒーを3〜4杯飲む人は、飲まない人よりもがんの発症リスクが低くなることが分かりました。部位別では、大腸がんで15%、子宮体がんで20%、肝臓がんで45%の低減が認められました。
★香り成分の効果
【リラックス効果】 コーヒーの香りが鼻腔から脳に到達すると、脳内のセロトニンが増えるため、リラックス効果が期待されます。
【しなやかで強い血管を作る】 コーヒーの主な香り成分である「ピラジン酸」が、血液に含まれる血小板の硬化を抑制し、余分な血栓の生成を防いで血液をサラサラにし、しなやかで強い血管を作ると言われています。
*記事中でご紹介している健康効果は、一般に効果が期待されると言われていることで、効果を保証するものではありません。
(日刊サン 2018.01.27)