相性が良いことで知られるチョコレートとコーヒーは、世界中のどこででも手に入り、古来から私たちの食生活に浸透し続けています。チョコレートが好物という方や、コーヒーを毎日飲むという方、特にこの時期は、2月14日のバレンタインデーに贈られたチョコレートと共にコーヒーを楽しんでいる方が多くいらっしゃるかと思います。そんなチョコレートやコーヒーが、いつ頃から食べられ、飲まれるようになったかということや、私たちの口に入るまでの過程などを知りたい…と思ったことはありませんか? 今回の健康特集では、チョコレート、コーヒーの原材料や歴史、健康効果などを紐解いてみようと思います。
チョコレートの歴史
起源は南米
チョコレートの原料「カカオ」は、紀元前1500年~400年頃、南米に興ったオルメカ文明で初めて使用されたと言われています。14世紀のアステカ王国では、神秘的な力を持つものとされ、薬、交易品、儀式の供えもの、お金、高貴な人々の飲み物など、いろいろな用途で使われていました。
MEMO オルメカ文明とは 紀元前1250年頃〜紀元前後の期間にメキシコ湾岸で発達した古代文明。マヤ、テオティワカン、アステカなど、メソアメリカの基盤となりました。 |
南米からヨーロッパへ
その後カカオは、アステカからスペイン人によってヨーロッパに伝えられました。この頃、チョコレートは食べ物ではなく飲み物でした。濃厚なココアバターが入っているため、デンプンなどの粉を混ぜて余分な脂肪分を中和したり、水と一緒に飲まれていました。その後、ココアバターを除いたココアパウダーが発明されました。
飲み物から食べ物へ
それから19世紀初頭まで、ココアパウダーと砂糖をお湯に溶かしたものがチョコレートとして飲まれていました。1847年、イギリスのチョコレート製造会社社長だったジョセフ・フライという人が、ココアパウダーと砂糖にココアバターを加え、冷やして固形にした「食べるチョコレート」を開発しました。
江戸時代に日本に伝来
江戸時代、長崎にあった花街、円山町と寄合町の様子を記録した『寄合町諸事書上控帳』には、「寛永9年(1797年)3月晦日、遊女が『しょくらあと』を貰い請ける」と記されています。「しょくらあと」は寄合町の遊女だった大和路という女性が、出島のオランダ人から貰い請けて届け出た品物の中の1つでした。これが、日本史上初めて文献に登場するチョコレートです。 明治時代の独和辞典『袖珍獨和新辭林(しゅうちんどくわしんじりん)』では「Schokolate」に「楂古聿」という漢字があてられ、読みは「サコイツ」「サコイチ」となっています。