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世界最古の調味料 「酢」のパワー

Bynikkansan

2月 23, 2018

 

酢の健康効果

【便秘の改善】酢は、胃酸の分泌を促進し、腸のぜん動運動を活発にすると共に、腸内の善玉菌を増やすと言われています。

 

MEMO

便秘改善にお勧め「酢大豆」

*酢と大豆の食物繊維が便秘改善を助けます。

《材料》酢550ml、大豆1カップ 作り方:ガラスのびんに酢と大豆を入れ、密封して、3〜4日間涼しい場所に放置します。5日目から食べられます。食べた後、びんは冷蔵庫に移動しましょう。 1日当たり5粒前後、ゆっくりと噛みながら食べるのがお勧めです。

 

 

【疲労回復】有機酸は、体に取り込まれた栄養素や疲労で蓄積した乳酸を燃焼し、エネルギーを生み出すクエン酸回路の働きを助け、疲労回復を促します。酢と一緒に糖分を摂り、グリコーゲンを補給すると、より効果的な疲労回復が期待できます。

グリコーゲンとは、ブドウ糖が繋がって構成された多糖物質です。摂取された糖は肝臓でグリコーゲンに変えられ、一時的に蓄えられます。そして必要な時になると、分解されて、筋肉などを動かすエネルギーとなります。

 

MEMO

疲労回復にお勧め 「刺身マリネ+バゲット」

*酢、砂糖に加え、バゲットの炭水化物が疲労回復を促します。刺身のタンパク質は、筋肉細胞を修復する働きがあります。 《材料》 刺身、バゲット、オリーブオイル、酢、砂糖、塩、コショウ(分量はお好みで)

1)酢、砂糖、塩、コショウを混ぜる。

2)バゲットは厚めに、刺身はサイの目にカット。

3)刺身と1)を混ぜ合わせて冷蔵庫に入れ、20〜30分置く。

4)フライパンを温めてオリーブオイルを敷き、バゲットの両面を焼く。

5)バゲットに3)を乗せて、できあがり。

 

【内臓脂肪、血中脂質を減らす】  酢に含まれるクエン酸、アミノ酸が脂肪燃焼を促します。酢を毎日とることで、特に内臓の周囲につく脂肪「内臓脂肪」と、血液に溶け込んでいる脂質「血中脂質」が減少すると言われています。内臓脂肪が溜まると、脂質の代謝異常、高血糖、高血圧をまねき、メタボリックシンドロームの原因となります。高い血中脂質は、心筋梗塞、脳梗塞など、心臓や脳の病気の原因となります。

ちなみにメタボリックシンドロームとは、内臓脂肪がある上に、脂質の代謝異常、高血糖、高血圧が加わり、心臓病や脳卒中など、動脈硬化性疾患の原因となる病態のことです。

 

【血圧低下】 酢に含まれる有機酸が、血液をサラサラにし、血流改善を促します。高血圧症の人が酢を毎日摂り続けることで、血圧が低下する効果があると言われています。正常な血圧の人が酢を摂っても、血圧が低下することはありません。

【食欲増進】 酢の有機酸は、胃酸の分泌を高めて消化を促進し、食欲増進作用の働きもあります。酢の酸味が味覚・嗅覚を刺激することで、唾液や胃液の分泌を促し、食欲増進を促します。

 

MEMO

食欲増進にお勧め「酢納豆」

《材料》納豆、酢 納豆1パックに小さじ1杯の酢を加え、かき混ぜてできあがり。 この後に紹介している「色々な酢納豆」の項もご参照ください!

 

【その他】 殺菌効果、免疫力向上、カルシウムやマグネシウムの吸収を促進するなど、さまざまな健康効果があります。

 

いろいろな酢納豆

 酢納豆は、+αでいろいろな食べ方があります。加える酢は、ポン酢、黒酢、バルサミコ酢、リンゴ酢など、お好みで何でもOKです。

 

+生卵  酢納豆に卵を入れてかき混ぜて2、3分置くと、納豆菌が卵のたんぱく質を分解します。これにより、たんぱく質が体内にスムーズに吸収されます。

 

+薄切り生玉ねぎ 就寝前に納豆を食べる「夜納豆」がネットで話題ですが、夜の酢納豆には薄切りの生玉ねぎを混ぜてみましょう。生玉ねぎに含まれる「硫化アリル」と「グルコキニン」には自律神経の興奮を鎮める効果があります。

 

+すりおろし山芋、オクラ  山芋やオクラのヌルネバの素「ムチン」には、ドライアイや胃炎の予防、肝機能、腎機能、免疫力を高める効果などがあります。

 

+鯖缶、生卵  サバに含まれるEPA、DHAが血液をサラサラにします。また、米を食べなくても満足感が得られるのでダイエットにもお勧め。ポン酢がよく合います。

 

MEMO

*発酵が進んだ賞味期限切れに近い納豆は、納豆菌、ナットウキナーゼ、ビタミンK2が増えており、新しい納豆よりも健康効果が高いと考えられています。

*近年、ネット上で、就寝前に納豆を食べる「夜納豆」が注目されています。ネバネバの素「ナットウキナーゼ」は、血液をサラサラにする納豆特有の酵素で、食べた後、体内で10〜12時間働くと言われています。また、納豆に含まれるアミノ酸の一種「アルギニン」は就寝中の成長ホルモンの分泌を促すことが期待できます。

 

いろいろな合わせ酢

 

合わせ酢とは、酢に他の調味料などを合わせて味を整えたものです。ここでは、その一部をご紹介しています。お料理の参考にどうぞ。

青酢 三杯酢などの合わせ酢に、ほうれん草などの青物野菜を裏ごしして加えたもの。

甘酢 砂糖などの糖分を加えたもの。

梅酢(赤酢) 梅干しを漬けるときにできるもの。醸造酢ではない。

からし酢 からしを加えたもの。

黄身酢 合わせ酢に卵黄を加えたもの。

ケシ酢 合わせ酢にケシの実を加えたもの。

ゴマ酢 合わせ酢にゴマを加えたもの。

ショウガ酢 合わせ酢にショウガを加えたもの。

酢味噌 味噌、からし、砂糖などを加えたもの。

すし酢 砂糖、塩、みりんなどを加えたもの。

タデ酢 擦った蓼(タデ)を加えたもの。

土佐酢 昆布や鰹節のだし、醤油、みりんを合わせて煮立て、冷ましたもの。

煮返し酢 塩を加えた酢を煮立てたもの。

二杯酢 醤油や塩で調味したもの。

三杯酢 同量の酢、醤油、みりんを合わせたもの

ひしお酢 醤(ひしお)を加えたもの。醤とは、肉や魚、穀物などを塩と麹で発酵させたもの。

吉野酢 合わせ酢に葛粉を加えたもの。とろみがある。

タバスコ 擦ったキダチトウガラシを加えたもの。

キダチトウガラシ (wikipedia.org)

 

MEMO

「ポン酢」の語源は、オランダ語で柑橘系の果物の木やジュースを意味する「pons」です。

*記事中でご紹介している健康効果は、一般に効果が期待されると言われていることで、効果を保証するものではありません。

 

(日刊サン 2018.01.23)