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万能オイル! ココナッツオイル特集

ココナッツオイルは、多様に使える万能オイル。美容と健康に様々な効果があることが見直され、セレブを中心にブームが起こり、日本でも注目を集めるようになりました。今回は、ココナッツオイルの健康効果や使い方を紹介します。

 

ココナッツオイルの成分

ココナッツオイルは、「スーパーフード」に分類される数少ない食べ物のひとつ。

ココナッツオイルに含まれる成分の90パーセントは、「飽和脂肪酸」。飽和脂肪酸というと、体に悪そうな感じがしますが、ココナッツオイルの脂肪酸は「中鎖脂肪酸」で、50パーセント以上はラウリン酸と呼ばれる脂肪酸です。この脂肪酸は、肝臓ですみやかに吸収され、血内で燃焼しやすい性質がある善玉脂肪酸なのです。  

一方、動物性の飽和脂肪酸は「長鎖脂肪酸」といって、体内で固まりやすいため、摂取のし過ぎは肥満やコレステロールの上昇、動脈硬化などのリスクを高めるといわれています。

 

ココナッツオイルに含まれる主要栄養素

飽和脂肪酸:  

ココナッツオイルに含まれる飽和脂肪酸の約40パーセントは「ラウリン酸」で、体内の消化吸収機能を高める効果があると考えられている。

 

リノール酸:  

大豆油・コーン油・ベニバナ油などに多く含まれる必須脂肪酸のひとつ。コレステロール値を下げる働きがあるとして注目されている。

 

オレイン酸:  

熱に強く、酸化されにくいので、体に良い油の成分と考えられている。血中コレステロールのうち、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を減らすので、動脈硬化の予防に役立つと言われている。

 

ポリフェノール:  

抗酸化効果が高い植物成分。脂肪の燃焼を促進し、血液をサラサラにして、冷えやむくみを改善、肌を美しくする効果などが注目されている。

 

ビタミンE・ビタミンK・鉄分などのミネラル:  

酸化防止作用や骨を強くする作用、貧血を防ぐなどの効果があると考えられている。

(参考:https://www.organicfacts.net/health-benefits/oils/health-benefits-of-coconut-oil.html 『日経ヘルス サプリメント事典』)

 

 

ココナッツオイルの効能

健康のために、ココナッツオイルは以下の効果が期待されています。

● コレステロールを下げる。

● ダイエット効果。

● 糖尿病予防。

● 心臓病のリスクを減らす。

● 免疫力を高める。
● 消化吸収不良疾患を予防。

● 甲状腺を刺激する。

● カンジダ(菌類)を殺菌する。

● 脳への栄養補給(認知症などの予防)

 

 

ココナッツオイルの種類

おススメはヴァージンオイル

ココナッツオイルには、精製されていない「ヴァージン(エクストラヴァージンも有り)」と、精製されたものがあります。  

ヴァージンオイルは、生のココナッツの果肉から作られていますが、精製されたココナッツオイルは、乾燥ココナッツから作られるのが一般的。精製ココナッツオイルは、ココナッツ特有の香りが除去され、製造過程で漂白もしており、他の油が添加されている場合もあります。  ココナッツオイルは通常個体ですが、温度が高くなると液体になります(25度以上でサラサラのオイルに)。最初から液体の状態で販売されているものは、ラウリン酸が除去された後の副産物の可能性があるそうです。  

食用・外用、どちらにしても体に直接働きかけるものなので、できれば質の良いヴァージンココナッツオイルを選びましょう。オーガニックのものもたくさんあります。ハワイ産のココナッツオイルも販売されています。

 

・RAW Hawaiian, USA Grown Virgin Pure Organic Coconut Oil

・Island Harvest Organic 100% Organic Virgin Coconut Oil

・TheraVita Pure Organic Extra Virgin Coconut Oil

 

ココナッツオイルとココナッツミルクの違い

ココナッツオイルもココナッツミルクも、成熟したココヤシの実の内側にある白い胚乳を削り取って加工したものです。ココナッツミルクのミルク成分とオイル成分を分離させ、不純物を取り除いたものがココナッツオイルになります。ココナッツオイルの方が純成分が凝縮されているのはこのためです。  ココナッツオイルは常温でも劣化しにくく、保存のしやすいオイルです。  

ちなみに、ココナッツにストローをさして飲んでいるのは、若い実の胚乳で、ココナッツミルクではなくココナッツウォーターです。

 

ココナッツオイルの保存

ココナッツオイルは酸化しづらいオイルなので、常温での長期保存が可能です。賞味期限は1~2年と表示されているものが一般的。ただし、水や異物が混入すると、劣化したりカビが生えたりする可能性があるので、瓶などに小分けにしたほうが安心です。  

常温・冷蔵、どちらで保存することもできますが、冷蔵するとカチカチに固まって使用するのが大変に。冷蔵保存する場合は、製氷トレーなどに入れておくと使いやすくなります。  

常温保存の際は、直射日光を避けましょう。

 

ココヤシの木は「生命の木」

 

太平洋の島々では、ココヤシの木を「生命の木」や「天国の木」と呼んできます。ココヤシの木は人間の寿命に匹敵し、子供が生まれたときに植えた木は、生活に必要な様々なものを与えてくれ、その子が年老いて死ぬときに枯れていくからです。  

ココヤシはポリネシア人によってハワイに持ち込まれたというのが定説となっています。ハワイアンの日常生活には、ココヤシの木(ハワイ語でNiu)が活用されていました。新鮮なジュースを取った後の果肉からは、ココナッツオイルやココナッツミルクが取れます。殻の周りの繊維は、強力なロープになります。葉は、バスケットやマット、皿などに編み上げられました。幹はフラのドラムの台として加工されています。  

ハワイでは、何世代にも渡ってヘルスケアやスキンケア、ヘアケアなどにココナッツオイルが用いられてきました。ココナッツオイルを使ったハワイアンの日常ケアは、体と心、精神を一つであると考え、ホリスティックな視点で行われていました。  

ハワイ島プウホヌア・オ・ホナウナウや、モロカイ島カプアイヴァなどには、ココヤシの原生林が今でも残っています。

 

ココナッツオイルの活用法

食べる

料理用の油として  ココナッツオイルは煙が出る温度が高く、飽和脂肪酸を多く含んでいるので、料理に使いやすい油です。特に炒めものに最適。フライパンを使う炒めものや、卵料理などの際、ベースにココナツオイルを使うとサラッと仕上がります。  

また、揚げ物にもおススメです。

 

 

バターの代わりにココナッツオイル  

トーストに塗るバターの代わりにココナッツオイルを。バターに比べて低コレステロールで、風味もあります。ココナッツオイルとハチミツの組み合わせや、フレンチトーストなどがおススメ。

 

お菓子作りに  

ココナッツオイルは、バターやベジタブルオイルの代わりとして、たいていのベーキングのレシピに使える上に、バターよりもヘルシー!

 

コーヒーや紅茶に入れる  

コーヒーや紅茶にココナッツオイルを入れると、牛乳よりもクリーミーでリッチな風味に。ほんのりココナッツの香りがします。量は大さじ1杯くらいから、お好みで調整を。

 

スムージーに入れる  

固まりが残るのが嫌な場合は、ココナッツオイルを溶かしておいてから、少しずつ加えるのがコツ。大さじ1から2杯くらいだと、ココナッツの存在感はあまり感じません。

 

食事の前に、1かけらのココナッツオイルを摂取  

「痩せるオイル」と呼ばれるココナッツオイル。すぐにエネルギーになるので、体の脂肪を落としてくれる効果が期待できます。食事の前に食べると、食欲を抑える効果も期待できます。

 

〜 意外な美味しさ! ココナッツしょう油ドレッシング 〜

【材料】

・ココナッツオイル 大さじ1 ・しょう油 小さじ1 ・塩コショウ(適宜)

【作り方】

1.ココナッツオイルが固まっている場合、電子レンジか湯せんで液状になるまで溶かす。

2.しょう油を入れてよく混ぜ、塩コショウで味を調える。

※冷たいサラダにかけるとココナッツオイルが固まってしまう場合があるので、温野菜やマッシュポテトなど温かい料理向き。

 

使う

洗顔後のスキンケアに  

洗顔後、乳液代わりにココナッツオイルを使うことができます。ココナッツオイルは、皮脂に成分が近いため、化粧水の浸透を高めてくれるので、化粧水の前に使うのがポイント。

 

サンスクリーンとして  

ココナッツオイルは、ナチュラルなサンスクリーンとして使えます(SPF4程度)。紫外線をカットしてくれるオイルなので、サンオイルの原料としても使われています。ただし、絶対に日焼けしないというほど強いものではないので、肌を焼きたくない方は市販の日焼け止めの使用を。

 

保湿として体に塗る  

乾燥した肌の保湿に最適。日常の保湿剤として活用できます。ただし、ココナツオイルは25度以上で液状となってしまうので、持ち運びには不向き。容器に入れて外出した場合、ポーチやバッグにオイルがもれてしまう可能性があります。持ち運び用には、ココナッツオイルと蜜蝋(みつろう・ビーワックス)で作るクリームがおススメです。

 

メイクおとし  

ココナッツオイルはメイクリムーバーの代わりにも使えます。サラッとした使い心地で、ウォータープルーフのマスカラにも有効!

 

マッサージ  

ココナッツオイルは肌への浸透力が高くベトつかないので、マッサージオイルとしてもおススメ。入浴後に全身につけて、肌をやさしくマッサージすると、しっとりと潤います。ただし、オイルをつけすぎるとベタつくこともあるので、少量をよく伸ばして使いましょう。

 

ヘアケア  

髪を洗う前に、ココナッツオイルで頭皮をマッサージすると、髪がしっとりサラサラになります。入浴の30分くらい前に、ココナッツオイルを頭皮にすりこみ、よくマッサージします。このとき蒸しタオルで髪を包んでおくとさらに効果が高まります。その後、普通にシャンプーとコンディショナーをすることで、髪がしなやかになります。  

また、髪の保湿として、乾いた毛先に少量つけるのも効果的。髪に使う場合、つけすぎると髪がテカテカになる可能性があるのでご注意を。

 

簡単! ココナッツオイル クリームの作り方(coconutsfun.comより)

【材料】

・エクストラヴァージン・ココナッツオイル 50ml ・蜜蝋(ビーワックス)5g

【作り方】

1.耐熱容器にココナッツオイル50mlと蜜蝋5gを入れる。

2.電子レンジまたは湯せんで60度くらいに温める。

3.蜜蝋が溶けるまで良く混ぜる。

4.冷めたら容器につめかえ、自然に冷えるのを待つ。

※熱いままプラスティック容器に入れると、容器が変形するので注意!

 

ココナッツオイルをスキンケアに使う前に!
「パッチテスト」を忘れずに

いくら身体によいオイルといっても、肌や体質に合わない場合があるので、使用前に必ずパッチテストを行いましょう。  

敏感肌の人や、アレルギー体質の人は、かぶれやすいので必ずパッチテストを行った方が良いのですが、普段かぶれづらい人も、整理前後などで体調が悪いときは、かぶれやすくなる場合もあります。また、化粧品でかぶれや赤みが出たことがある人も、パッチテストを行うことをおススメします。

 

パッチテストの仕方(coconutsfun.com より抜粋)

1.ココナッツオイルを二の腕や太ももの内側など、

2.皮膚の柔らかい二の腕や太ももの内側につける。

3.24時間置いて、かぶれや腫れ、赤み、かゆみなどがないか確認する。

4.二の腕や太ももの内側で問題がなかったら、フェイスラインにつけて24時間様子をみる。

※テスト中に赤みが出た場合は、すぐにテストをやめて洗い流しましょう。  

テスト中に汗をかいたり、入浴したり、別の化粧品をつけると結果が分からなくなってしまうので注意しましょう。

 

 

参考:http://www.bigisland-bigisland.com/coconut-oil.html  https://www.organicfacts.net/health-benefits/oils/health-benefits-of-coconut-oil.html http://authoritynutrition.com/top-10-evidence-based-health-benefits-of-coconut-oil/ http://traveltoparadise.com/hawaii-wildlife/history-of-coconut-in-hawaii/  http://wellnessmama.com/ http://coconutsfan.com/  

http://wellness-to-go.com/  

『アンオフィシャル ハワイブック』集英社