シチリア島タオルミナ@PIXTA
アメリカの学校は既に夏休みが終わって、学校が始まったという学生も多いけれど、日本はまだまだ夏休みモード。旅に出て新しい人と出会い、新しい場所に触れ、新しい自分発見をすることは、私たちにとって必要です。
あのダライ・ラマ14世の「人生で大切な18か条」の項目のひとつにも、「1年に1度は、行ったことのない場所へ行こう」という項目があるのをご存知でしょうか? それは、ずっと同じ場所にいても新しい発見はなく、少しでも新しい場所で新しい知識を得ると、人生が豊かになるからです。
さあ、まだ夏休みを取っていないという人、ぜひ今まで行ったことない場所を冒険してみては?
早速、今年のおすすめ人気旅行先、そしてアメリカの夏休みのバケーション事情について、ご紹介しましょう。
2017年に行くべき国・エリアは?
イタリア
今年はゴールデンウィークの期間中にシチリア島でサミットが開催され、注目を浴びました。イタリアに行ったことがあるという人でも、シチリア島まで足を延ばす人は意外と少ないのでは? もともとギリシアの植民地だったシチリア島には7つの世界遺産があり、タオルミナや、パレルモなどで遺跡巡りなどをするのがオススメです。
カナダ
今年、建国150周年を迎えお祝いモードになっているカナダ。今年は全ての国立公園がこのお祝いのため、無料になっています。7月1日の建国記念日は既に終わってしまいましたが、あちこちで1年にわたり様々なイベントが行われているので、大自然を体験しにカナダへ行ってみては?
フィンランド
北欧の水と湖の国が今年独立100周年を迎えます。夏には音楽フェスティバルも多く開催され、湖畔には美しいお花が咲き乱れます。そして、フィンランドというとムーミン! 6月にはタンペレ美術館にあった「ムーミン谷博物館」が移転し、ムーミン博物館としてタンペレにオープン! 自然を満喫してみては?
香港
7月に中国への返還20周年を迎えた香港では大型イベントづくし! パレードや美術展などあちこちでお祭りモードです。グルメやショッピングを楽しみながら、伝統行事も今年はたくさん体験できるので、見逃せない!
台湾
今、日本と台湾を行き来する格安航空会社が増えていて、日本からだったら1万円台で遊びに行ける台湾。食事もおいしいし、人々も親日家が多く、とても温かい気持ちになれる台湾。日本に里帰りしたついでに、ちょっと足を延ばして遊びに行くのも良いかも?
カナディアンロッキー@PIXTA
アメリカ人の夏休み世界旅行先ランキング
<1位>ニューヨーク【アメリカ】
冬が寒いニューヨーク。夏はセントラルパークなどで観光もしやすく、暑くても多くのミュージアムやブロードウェイのショーなどのインドアも大いに楽しめる、夏のニューヨークはアメリカ人に超人気。
<2位>パリ【フランス】
夏のパリは過ごしやすいので、大人気。ただ夏は混雑しているのと旅行代金が値上がりするので、ちょっとお高くついてしまう側面も。
<3位>アムステルダム【オランダ】
日が長く、季節が一番いい夏は、サイクリングしながら観光したり、運河沿いを散歩したりするのに最適。でもホテルが早めになくなってしまうので、前もって予約を忘れずに。
<4位>フローレンス(フィレンツェ)【イタリア】
観光ピークシーズンとはいえ、夏のフローレンスの美しさは極上。ただホテルのレートが高いので、数カ月前に予約をしておくのが安くブッキングできるコツ。
<5位>バルセロナ【スペイン】
6月あたりから湿度の高いヨーロッパの国々の観光客でバルセロナは大変賑わいます。ピークシーズンではありますが、スペインのビーチは最高!
<6位>シンガポール
マリーナベイの景色は素晴らしく、夏も終わりに近づいてくると、観光ピークも少し衰えてきて行きやすくなります。多少湿度が高いので、ご理解を。
<7位>バリ【インドネシア】
夏はドライなシーズンで、過ごしやすい。6月がピークなので、部屋のレートは夏の終わり頃に下がってきます。ビーチだけでなくお寺巡りなどもぜひ。
<8位>ハンブルグ【ドイツ】
夏はハンブルグが一番美しい時。ローカルも観光客も一斉に街に出てきます。
<9位>ブエノスアイレス【アルゼンチン】
アルゼンチンは6月から8月にかけてが冬。とはいえ、震えるほど底冷えするようなわけではないので、暑い夏から冬にひとっ飛びしたい人たちの間で人気。
<10位>カウアイ島【アメリカ】
ハワイのカウアイ島がランクイン。ハワイの島々の中でも、以前はアメリカ人にはマウイ島が人気でしたが、ここ最近ではカウアイ島になっています。ホテル料金は夏休みの初め頃がお得。太平洋のグランドキャニオンと呼ばれるワイメアキャニオンも圧巻で夏休みの人気スポットとなっています。
ワイメアキャニオン@PIXTA
(参照リンク http://travel.usnews.com/rankings/best-summer-vacations/)
夏休みは、海外旅行に限らず、広大なアメリカの国内旅行も人気です。人気旅行サイト、tripadvisorが、今年の6月1日から8月31日の間のブッキングデータを元に、人気スポットを割り出しました。以下が今年のアメリカ国内人気夏休みバケーションスポットです。日本人の読者の方には、あまり馴染みのない場所もランクインしているのでは?
<1位>パナマシティビーチ【フロリダ州】
ホワイトサンドビーチが美しいフロリダのビーチ。様々なオーシャンアクティビティ、年齢を問わないバラエティ豊かな楽しみ方のできるパナマシティビーチがナンバーワンに!
<2位>キシミー【フロリダ州】
2位も1位に続きフロリダ州。オーランドからすぐのところにあるこの街は、オーランドよりちょっと落ち着いた体験ができるリゾート。エバグレードまで行って、ワニや野鳥など自然に触れることもできて忘れられない思い出ができそう。
<3位>オーランド【フロリダ州】
またまたフロリダ州がトップ3入り。あのディズニーワールド、ディスカバリーコーブ、ハリーポッターのテーマパークやユニバーサルスタジオなど、家族旅行に最適!
<4位>ダベンポート【フロリダ州】
オーランドからは35マイル離れているダベンポート。テーマパークにも程よく近いし、ガーデンやゴルフコースなどもすぐなので、リゾートとして大人気です。
<5位>マートルビーチ【サウスカロライナ州】
アメリカ人に人気のマートルビーチは夏の間、家族旅行の大人気スポットとして多くの観光客で溢れかえります。マートルビーチのボードウォークでスカイホイールに乗ったり、子供気分でエンジョイ。ブロードウェイ・アット・ザ・ビーチというエンターテイメント施設も要チェック。
<6位>ガルベストン【テキサス州】
歴史的建造物や文化施設などが豊富なガルベストンは、30マイルに及ぶ美しいビーチもあって人気の旅行スポット。周辺には主要なものだけでも14のミュージアム、20のアートギャラリーがあり、家族旅行に人気。
<7位>サウスパードレアイランド【テキサス州】
素晴らしいコーストラインを誇るサウスパードレアイランド。テキサスというと海を想像する人は意外と少ないかもしれないけれど、ターコイズカラーの海や美しいボードウォークなど、ゆったりとした時が過ごせる美しいリゾートです。
<8位>ポートアーカンソー【テキサス州】
釣り、ビーチなどが楽しめるリゾートとして知られるようになったポートアーカンソー。普段は人口の少ない街が夏の間は6万人に増えるんだとか。野鳥ウォッチングが有名なのでバードウォッチングファンの方はマストチェック。
<9位>オーシャンシティ【メリーランド州】
オールドファッションなカーニバルで、3マイルに及ぶボードウォークでのビーチパーティーが盛り上がるオーシャンシティ。コンサートや様々なイベントも行われ、家族旅行に人気のエリアです。
<10位>デスティン【フロリダ州】
ワールドクラスのフィッシング&ビーチリゾートコミュニティーとして知られるデスティン。フロリダ州はアメリカ人の人気夏休みスポットのようで、5カ所がトップ10にランクインです。
@PIXTA
11位以下のランキング
11位 ガルフショアーズ(アラバマ州)
12位 ヒルトンヘッド(サウスカロライナ州)
13位 ガトリンバーグ(テネシー州)
14位 ラスベガス(ネバダ州)
15位 サウスレイクタホ(カリフォルニア州)
16位 オレンジビーチ(アラバマ州)
17位 ピジョンフォージ(テネシー州)
18位 ノースマートルビーチ(サウスカロライナ州)
19位 ナッシュビル(テネシー州)
20位 ウィリアムスバーグ(バージニア州)
(参照リンク https://www.flipkey.com/blog/2017/05/03/top-us-summer-vacation-destinations-2017/)
☆☆ 行ってみたい! 日本人に人気の旅行先 ☆☆
1位 ハワイ
2位 イタリア
3位 フランス
4位 台湾
5位 スペイン
6位 アメリカ西海岸
7位 イギリス
8位 ドイツ
9位 シンガポール
10位 韓国
11位 グアム
12位 北欧(デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド)
13位 タイ
14位 ベトナム
15位 オーストラリア
16位 カナダ
17位 西海岸、東海岸以外のアメリカ本土
18位 アメリカ東海岸
19位 スイス
20位 香港
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☆☆ 旅をめぐるデータいろいろ ☆☆
アメリカ人は年間どのくらいバケーションにお金を費やすの?
アメリカンエキスプレスの調べによると、年間の総収入が4万ドル程度だとすると、1人につき平均$1145、そして4人家族では$4580程度。要するに、総収入の5%から10%をバケーションに使っているそう。
日本人が夏休みに使うお金は平均どのくらい?
JTBが発表した2017年夏休み(7月15日から8月31日)の旅行動向の見通しによると、総旅行人数は7733万人で前年比0.8%の増加。海外旅行は、273万人で前年比3.4%の増加となり、過去2番目に多い旅行者数になっています。旅行費用も、海外が24万2000円と前年の同時期から2万5700円増えています。
しかし、今年の夏のボーナスが減少したと感じている人も多く、このアンケートを見ると、収入に関係なく、旅行をもっとしよう、もっと人生を楽しもうという価値観に日本人のスタンダードが変わりつつあるのかもしれません。
(参照データ http://biz-journal.jp/2017/08/post_20011.html)
アメリカ人のバケーションの平均的な期間は?
平均的なバケーションは10日だと言われています。その理由はアメリカ人の年間の有給休暇が10日という人が多いから。ヨーロッパでは20日、国によっては25日から30日の有給休暇を与えるところもあるので、当然バケーションは長くなります。
しかし、CBSニュースのレポートによると、最近のアメリカ人は、実際に休みを取るのは4日くらいが多いのだとか。ちょっと日本人化しているようです。
旅がしたくなる理由のトップ10は?
1位 美味しいものが食べたい
2位 絶景が見たい
3位 新しい人と出会いたい
4位 傷ついた心を癒したい
5位 自分がやりたいことを見つけたい
6位 自分を見つめ直したい
7位 今まで知らなかった自分を見つけたい
8位 人生の経験値を高めたい
9位 達成感を得て自信をつけたい
10位 いろんな人たちの価値観を知りたい
@PIXTA
世界の夏休み期間(有給休暇)の比較、果たして日本は?
ヨーロッパでは労働法で、年間、休む期間が決まっています。有給休暇が30日間はあるので、ヨーロッパの人たちは長い間、ゆっくりとバカンスを楽しむのが通常です。アメリカの場合は、労働法ではなく、会社が決めているだけなので、国が必ずこれだけ夏休みを取るように!と規制しているわけではありません。日本人の平均有給休暇は年に5日程度と考えると、ずいぶん羨ましい話。日本人がよく行う弾丸ツアーのコンセプトは、ヨーロッパの人たちにとっては、理解しがたいでしょう。一方、ヨーロッパでは夏の間は仕事をしないで、お店やビジネスをクローズするところも多いので、働き者の日本人にとっては、そこは逆に理解しにくい部分かもしれません。
ちなみに、エクスペディアの調べによると、日本は有給休暇の取得日数と消化率がワースト1位。30日の有給休暇をほぼフルに使って満足度が高いのは、ブラジル、フランス、スペイン。続いて、25日の有給休暇をほぼフルに使っていて満足度が高いのがスウェーデン、イギリス。また21日の有給休暇を20日ほど使うアルゼンチンの人も満足度が高いです。シンガポールも14日と他の国に比べて短いですが、100%の消化率です。
ドイツ人は30日の有給休暇を28日程度、93%ほど利用し、イタリアは同じく28日程度の有給休暇を75%ほど利用。オーストラリアでは平均20日の有給休暇を75%利用。カナダは16日のうち、95%を利用。アメリカ人は14日のうち86%程度を消化。韓国は10日のうち70%。 日本は11日のうち、45%のみの消化率、要するに5日程度の休みが平均なので、とにかく日本人は休みを取りにくい環境であることがわかります。
アメリカの大統領、トランプ大統領の夏休みは?
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17日間に及ぶ夏休みを8月7日からとったトランプ大統領。場所は、ニュージャージー州のベッドミンスター。ここには、「トランプナショナルゴルフクラブ」という600エーカーに及ぶプライベートクラブがあり、今回の夏休みは、大統領本人の所有するプライベートクラブでご滞在というわけだ。普段はこの静かな田舎町で暮らす住人たちは、大統領が滞在することにより急にセキュリティが厳しくなり、どこも警戒状態で大迷惑だとブーイング。ローカルの飛行場は、これまた大統領の滞在中は安全のためにシャットダウンされ、セキュリティ設備の物騒な音で、農場の羊や馬などがノイローゼ気味になったところもあったとか。
大統領の愛娘のイヴァンカと彼女の3人の子供も、このプライベートクラブで夏休みをとった。しかし、トランプ大統領に言わせると、「これは夏休みではない」んだとか。ホワイトハウスが、現在、エアコン関連一般の改修工事を行なっており、その間、ホワイトハウスに訪れるゲストのおもてなしができるよう、一時的に場所を移動しているだけだと主張。NYからこの町までは、45マイルしか離れていないので、いつでもホワイトハウスに戻れるというわけだった。
ちなみにこちらのプライベートクラブの会員初期設定費は10万ドル程度。そして年間22,100ドルを払い続けるというシステム。現在、425名ほどの会員がいる。
(参照リンク http://www.trumpnationalbedminster.com/)
大統領の夏休みの拠点となったこのプライベートクラブがあるベッドミンスターは、とても小さな町で人口はたったの8000人。86%の住人が白人であるこの街には、ブリッジウォーターショッピングセンターという唯一の大きなモールがあり、「ここには人気のないイヴァンカの洋服ブランドがちゃんと売られている」とレポーターが紹介していたほど、トランプ一家が幅を利かせている街なのかもしれない。(あるニュースによると、トランプ大統領はこの街で2番目の高額納税者だとか)
このベッドミンスターは、実はトランプ大統領にとっては思い入れのある場所である。娘のイヴァンカと夫であるジャレッドが2009年に結婚式を挙げたのがこのベッドミンスターだった。トランプ一家の家族のなかには、この街に家や土地を持っている人もいる。
過去にはビル・クリントン氏、バラク・オバマ氏が、マサチューセッツ州のマーサズ・ヴィニヤードで夏休みをとったことで、この場所が有名になった。大統領がどこで夏休みをとるかによって、その街の観光業に大きな影響をもたらすので、このニュージャージー州の大統領所有のプライベートクラブは、宣伝にうまく利用されたという評論家も多い。しかし、なかには、「自分が築き上げた富を思い出し、本来の自分の姿に戻ることで、トランプ大統領は自分らしさを取り戻すことができるのかもしれない」という批評家もいるようだ。
いずれにせよ、このニュージャージー州のベッドミンスター、少なからず今後、夏休みのバケーションスポットとして注目を集めることは間違いない。
海外渡航先の安全情報 【外務省海外安全ホームページ】 http://www.anzen.mofa.go.jp
(日刊サン 2017.8.26)