ハワイ州は13日木曜日、最大160字まで送信が可能な911テキスト通報サービスを開始した。 位置情報探知が利用可能なテキスト送信サービスかデータプランの付随した回線サービスで利用できる。ただし、ローミングモードやプロバイダーのサービスエリア外からは利用できない。
現在はAT&T、Verizon、T-MobileとSprintで利用可能。 ハワイ州は、すでに911テキストサービスが適用されたバーモント、メーン、ニューハンプシャー、インディアナ、ノースダコタ、ニュージャージー州に次ぐ7番目の州になる。 聴覚障碍や発声障碍を持つコミュニティは、このテキスト通報サービスを歓迎する。
アロハステート聴覚障害協会会長のビリー・ケクア氏(38歳)は、「自分でいつでも911に緊急通報できるようになったことに私たちは救われた気分です。全ての命が大切であり、そのためには一瞬の時間も無駄にはできないのですから」と語った。 ワイアナエ在住の同氏は、1歳の時に難聴と診断された。彼は以前、緊急時にタイプライター中継サービスを利用したことがあり、「この時には、通訳プログラムが利用可能になるのに数分もかかった」と言う。その後は、911通報を家族に頼むか、911にダイアルしたあと受話器を上げたままにして、オペレーターが場所を特定して誰かを派遣してくれるのを待つようにしている。
「私の経験では、携帯電話でメッセージを送るのが最も速い連絡方法だと思う。どこにいるのか、なぜ救急が必要なのか、いろいろな情報を伝えられますからね」と喜びを隠さない。 ハワイエンハンスド911(緊急時位置通知)委員会の委員長コートニー・タグパ氏は、「911テキスト通報は家庭内暴力や、家宅侵入を受けた場合に命を救うシステムだ」と言う。通報する声に気付かれることで、よりひどい被害を受けてしまうような状況でも、このサービスなら助けを呼べるからだ。
ホノルル警察が12月に試験運用を行った最初の週に、男性に殴打されたと女性からテキスト通報を受けた。警察の通信室で働くアーラン・レオンさんが当時の様子を話す。 「911テキスト通報を受け、彼女から情報を得ました。犯人は彼女の隣に座っていたのです。911テキスト通報によって警官を緊急に送り込み、逮捕することができたのです」 レオンさんによると、911通報する上で最も重要な情報は「所在地」だと言う。 13日木曜日の正式運用の前に、全ての郡で試験運用が行われており、住人たちに同サービスが徐々に認知され、現在では月に150~160件のテキスト通報を受けるに至っている。
タグパ氏は「これは本当に素晴らしいサービス。私の家族もより安全になったと感じています」と話している。 当局は、各郡のコンピューター派遣システムのアップグレードと、テキスト受信のためのインフラ整備に現時点で$4million近くのコストがかかっていると話しているが、アップグレードは現在も進んでいる。